Vtuber(ブイチューバー)とは?|人気Vtuberやなり方をまとめて解説!
Vtuber(ブイチューバー)とは?|人気Vtuberやなり方をまとめて解説!

一説によると配信者数が2万人を超えるとも言われ、今やエンタメ市場に欠かせない一大コンテンツへと成長した「Vtuber(ブイチューバー)」。

10代20代のZ世代を中心に熱狂的なファンを獲得しており、企業とのコラボレーション企画も盛り上がっています。
アーティストが歌唱を一発撮りでパフォーマンスするYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に、Vtuber界から初めて星街すいせい(ホロライブ)が出演するなど、その注目度は日々高まっています。

そんなVtuberですが、その概要やカテゴライズがいまいちよくわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「Vtuberって、YouTuberとは違うの?」「キズナアイと初音ミクの違いがわからない」「にじさんじってVtuber?人?作品?」「Vtuberになるには?」など、“Vtuber(ブイチューバー)”というキーワードを耳にしたことはあれど、素朴な疑問を抱える方は多いようです。
今回の記事では、今さら聞けないVtuber(ブイチューバー)の基本知識と、最低限おさえておきたい情報をまとめていきます。

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目次

「Vtuber(ブイチューバー)(Vチューバー)」とは

Vtuber(ブイチューバー)、バーチャルYouTuber、にじさんじ、ホロライブ、アバター、ライバー、推し活、オリジナルグッズ,ノベルティ、企画,製作

「Vtuber(ブイチューバー)」とは「バーチャルYouTuber」の略称です。
YouTubeで動画をアップしたり、ライブ配信をしたりするのがYouTuber(ユーチューバー)ですが、生身の人間の姿ではなく3Dや2Dのキャラクターの姿(バーチャル、またはアバターと呼ぶ)で配信するのがVtuber(ブイチューバー)です。
人の動きに合わせてアバターを動かし、キャラクターが話しているような動画を配信しています。

Vtuber(ブイチューバー)という呼び名

もともと、Vtuber(ブイチューバー)の代表的・先駆的存在である「キズナアイ」がYouTube上に登場したときに、自身のことを「バーチャルYouTuber(ユーチューバー)」と名乗ったことがはじまりです。
Vtuberは先述のように、バーチャルのキャラクター(=アバター)の姿で動画配信を行うYouTuberのことを指しますが、活動の場所はYouTubeに限らず、ゲーム実況プラットフォームのTwitchや、ミクチャなどの配信アプリ上の場合もあります。

なお、Vtuberの所属事務所によっては、所属Vtuberのことを「バーチャルタレント」「バーチャルライバー(Vライバー)」「バーチャルシンガー(Vシンガー)」などと呼ぶ場合もあります。
しかし、そのような独自の呼び名を使用している場合も、「3Dや2Dのアバターをモーションキャプチャーで動かしながら配信や動画投稿を行う配信者」という点は共通しており、事務所所属・個人を問わず、一般的には全て「Vtuber」として認識されています。

Vtuber(ブイチューバー)と初音ミクの違いは?

実は30、40代のビジネスマンの間でよく耳にするVtuber(ブイチューバー)関連の「今さら人に聞けない」疑問のひとつがキズナアイのようなVtuberと初音ミクなどのVOCALOID(ボーカロイド=ボカロ)の違いについてです。

Vtuber(ブイチューバー)とVOCALOIDは、そのネーミングやキャラクタービジュアル、活躍の場がYouTubeやニコニコ動画など動画SNSであることから共通点が多く、一見するとその違いがわかりにくいですが、初音ミクらVOCALOIDが人工的に作られたキャラクターであり合成音声ソフトなのに対し、キズナアイらVtuber(ブイチューバー)らは、生身の人間による活動アバターです
(※Vtuberの中にはAIやロボットなどのアンドロイド的な設定を持つキャラもいます。そしてその設定は本人に忘れられがち)

初音ミクなどのVOCALOIDは、合成音声を使ったキャラクターであり、合成音声ソフトです。
初音ミクは、合成音声ソフトウェア「VOCALOID」のシリーズの1つで、実在する声優の声をサンプリングした合成音声です。
初音ミクや鏡音(かがみね)リン・レン、巡音(めぐりね)ルカなどに代表されるVOCALOIDは、プロアマを問わずクリエイターらが作詞作曲した曲を(プログラミングして)初音ミクらに歌わせることができることから、「バーチャルアイドル」として認識されました(クリエイターのことをプロデューサーと見なして「ボカロP」と呼んでいました)。
こうして生まれた初音ミクらの曲は、ニコニコ動画への投稿を中心に世界中にシェアされ、ファンやクリエイターたちが育てたVOCALOIDカルチャーは一大市場を築き上げました(※ボカロPの中にはメジャーデビュー前の米津玄師などもいます)。
初音ミクは、まるで本物のアイドルのようにCMやライブへの出演、歌舞伎コラボなどを行っていますが、初音ミク自体に固有の人格や生身の人間のモデルがいるわけではありません。

一方、現在活躍中で世界的にも人気のあるVtuberらは3D、2DCGのモーションキャプチャーで表現されるCGキャラクターに見えますがVtuberは、タレント・アーティスト活動をするための姿にバーチャルキャラクターを使っている生身の人間であることが多いのです(※キズナアイの場合は、自身は人間に生み出されたAIであり、中の人はいない、と公言していますので、厳密には生身の人間ではないことになっています)。
人間の動きとアバターの動きをモーションキャプチャーなどのソフトを使ってリンクさせることで、2D・3Dのキャラクターが話しているような動画を生み出すことができます。

Vtuber(ブイチューバー)のファンも、彼ら彼女らが生身の人間であることを大前提として視聴しています。
中には、身バレ・性別バレを避けるため配信中の声を合成音声にしているVtuberもいますが多くの人気Vtuberは、生の地声で話します。
バーチャルキャラクターは2次元の美少女やイケメンで描かれてはいるものの、声優のキャラクター演技とは違い、キャラを作ることや演技をすることはあまりなく、素の声で雑談をし、誕生日や趣味嗜好、普段の生活スタイルなどのパーソナリティをそのままVtuberとしての自分に落とし込んでいる人が多いようです。

Vtuber(ブイチューバー)はどのくらいいる?

近年、人気のあるVtuber(ブイチューバー)の多くはVtuber専門の事務所や企業に所属して活動しており、通称「企業勢」と呼ばれます。
Vtuber専門の事務所では定期的にオーディションを開催していますが、Vtuberへの世間の注目度が高まるにつれて、多数の応募が集まるようになってきているようです。
その一方で、事務所に所属することなく個人で活動する通称「個人勢」のVtuberも数多く存在します。
2018年時点では1000人ほどだったVtuber(ブイチューバー)活動人数は、2022年11月時点で、2万人を超えたといいます。

簡易的なモーションキャプチャー用のソフトや機材がより安価で手に入るようになり、さらには簡単な顔の角度や表情程度であればスマホカメラで表現できるフェイストラッカーアプリも登場するなど、参入する際の敷居が下がったことにより、Vtuberとして活動する人の数は年々増えています。
2Dまたは3DCGのアバターとなるキャラクター素材さえ用意できれば、だれでもVtuber(ブイチューバー)として活動できる時代になった、とも言えます。

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Vtuber(ブイチューバー)のなり方

Vtuber(ブイチューバー)がどんな存在かは知っているけれど、どういう仕組みで動いているのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
続いては、Vtuberがどのように動画を作成しているのか、手順を簡単に解説します。

①アバターを作成する

まずは、Vtuberとして画面に映る姿=アバターを用意します。
2Dのキャラクターをベースにアバターを作成したい場合は、Photoshopなどのソフトを使用し、2Dイラストを用意します。
あらかじめ髪や手、目、眉毛、口などのパーツごとに分けておくことで、後々個別に動きを付ける作業がしやすくなります。

3Dのキャラクターをベースにアバターを作成したい場合は、キャラクターモデルの作成を支援する3Dイラスト作成ソフト、「VRoid Studio」が使いやすくおすすめです。

②アバターを制御する

用意したアバターを3Dライクに動かせるように設定します。
2Dキャラクターを3Dライクに動かすためのソフトウェアとしては、「Live2D」がVtuber業界の定番
Live2Dでは、表情や髪の毛など、パーツごとに細やかな可動域の設定が可能です。

➂人の動きとアバターの動きをリンクさせる

作成したアバターと人の動きをリンクさせ、画面上のキャラクターを動かします。
WEBカメラやモーションキャプチャーデバイスなどを使用して人の動きを撮影し、リアルタイムにアバターに動きを付けられるソフトを使用します。
Vtuber業界では、「Animaze by Facerig」などが良く使われます。
Animaze by Facerigでは、体の動き、表情の認識などを正確に制御することができます。

④動画を配信する

撮影した動画を「Animaze by Facerig」などのソフトで処理してアバターに動きを付けた後、使用したい配信プラットフォーム(YouTube、Twitchなど)に配信します。
リスナーからのチャットにライバーがリアルタイムで反応するライブ配信や、歌唱や商品紹介などをあらかじめ撮影しておいて、編集後に動画として公開するなど、Vtuberのキャラクターに合った動画配信スタイルがあります。

Vtuberが動画を作成する手順を簡単に解説しましたが、イラストの作成や、Live2Dを使用したモデルの作成など、専門的なスキルを要する場合があります。
これらの作業は、Vtuber本人ではなくイラストレーター・絵師や、CGクリエイターなどが手掛ける場合も多いようです。
もしVtuberとしての活動に関する全ての工程を自分1人で行いたい場合は、ライブ配信できるトークスキルや歌唱スキルなどのタレント性だけでなく、Live2DやFacerigなど、複数のソフトを使いこなすリテラシーも必要です

【豆知識】Vtuber(ブイチューバー)のキャラクターデザインと2Dモデル作成

Vtuber(ブイチューバー)に不可欠なキャラクターデザインと、モーションキャプチャーに必要な2Dモデル
これらはそれぞれ、イラストレーターやCGクリエイターが手掛けていることが多く、Vtuber本人が自分のビジュアルを作成してくれたクリエイターを公表している場合が多い。
キャラクターデザインを手掛けるイラストレーターは「お母さん」、2Dモデルを手掛けるCGクリエイターは「お父さん」と呼ばれてVtuber本人が自己紹介とともにYouTubeチャンネルやTwitterアカウント上で生みの親として紹介している。

有名イラストレーターによるキャラクターイラストや立ち絵は、特に男性Vtuberファンの間で非常に人気が高く、アクスタやぬいぐるみ(推しぬい)グッズも数多く展開されている。
また、にじさんじを中心とした「アクスタ推し活」に勤しむ若い女性ファンを池袋のカフェなどで見かけることができる。

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代表的なVtuber(ブイチューバー)

現在、世の中にはすでに2万人近いVtuber(ブイチューバー)が存在し、その人気やトレンドも日々変化しています。
ここでは、Vtuberの代名詞と呼べるような存在から今勢いのある人、今後の動向に注目したい人など、名前だけでも押さえておきたいVtuberをご紹介します。

キズナアイ

2016年に活動を開始した女性Vtuber(ブイチューバー)で、最初に「バーチャルYouTuber」を名乗った、Vtuberのパイオニア的な存在。
Vtuber創成期には、輝夜月(かぐやるな)、ミライアカリ、電脳少女シロ、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(ねこます)とともに「バーチャルYouTuber四天王」とされており、Vtuberたちの間では「親分」とも呼ばれている。

歌ってみた、踊ってみた動画、ゲームプレイ実況配信、その他コンテンツ動画の投稿などを2DCGによるモーションキャプチャーアニメーションの姿で行い、動画の中には英語・中国語字幕テロップも入れているなど、世界的にもトップクラスの知名度を持つVtuber。
YouTubeチャンネル登録者数は300万人を超えているが、2022年2月のオンラインライブ出演をもって、アップデートのための活動休止(スリープ)に入る。ほぼ同時に、アニメ化プロジェクトの始動も発表された。

キズナアイ自身が「自分は人間に生み出されたAIである」と公言しており、当初の所属事務所から独立する際に初めてその声の担当声優の存在を明らかにするなど、声優を使わず、中の人の姿も公表しない一般的なVtuberとは成り立ちが違う部分が多い。
ちなみに、キズナアイとともに“バーチャルYouTuber黎明期”を盛り上げたVtuberのひとり、ミライアカリも、2023年3月31日をもって引退。

公式サイト

がうる・ぐら(Gawr Gura)

2020年9月から活動している英語圏のVtuber(ブイチューバー)。
女性VTuberタレントグループ「ホロライブ」内の「ホロライブEnglish」に所属しており、英語圏で活動しているため普段の会話は全て英語で、日本での相性は「サメちゃん」。
“「海底つまらんすぎてワロタ」って言いながら地上にやってきたアトランティスの末裔”という設定のキャラクターで、配信ではかわいらしい地声で早口気味のオタクトークを繰り広げている。
山下達郎などのJPOPファンでもあり、歌ってみた動画やゲームプレイ実況配信などの活動が中心。
YouTubeチャンネル登録者数は2023年10月時点で440万人と、世界のVtuberの中でもトップクラスの人気を誇る。

公式YouTubeページ

森カリオペ(Mori Calliope)

がうる・ぐらと同じく、2020年9月から活動している「ホロライブEnglish」所属のVtuber(ブイチューバー)。
“死神YouTuberラッパー”という他にはない魅力で、英語圏のみならず日本においても絶大な人気を誇る。
英語と日本語を織り交ぜたラップのほかにも、ミキシング、MV制作など、アーティスト・クリエイターとしてのさまざまなスキルを持つ。
死神というキャラクター設定とはギャップのある、優しく芯の強い人柄も人気のポイント。

公式YouTubeページ

兎田ぺこら(うさだぺこら)

2019年から活動している、ホロライブ所属の女性Vtuber(ブイチューバー)。YouTubeチャンネル登録者数は233万人。
ホロライブ第3期生で、異世界からやってきたという設定で、語尾に「ぺこ」や「草」が付く。
口の悪さや、プライベートでVtuber活動をしていることを親にカミングアウトした話など、萌えキャラ要素の強いキャラクタービジュアルに反した、視聴者との距離の近い、親近感を持ちやすいパーソナリティもあり、男性を中心に人気に。
人気男性声優やお笑い芸人などにも彼女のファンを公言している人もいる。

公式YouTubeページ

宝鐘マリン(ほうしょうまりん)

2019年にホロライブ3期生としてデビューした女性Vtuber(ブイチューバー)で、YouTubeチャンネル登録者数280万人以上を誇る人気メンバー。
コミュニケーション能力の高さやトークの面白さに定評があり、自身もオタクであることから話題の引き出しも豊富。
センシティブなネタにも比較的寛容で、攻めた内容のトークを楽しみにしているリスナーも。
さらに、ピカチュウをはじめとした100以上のキャラクターの声真似、高い歌唱力、プロ顔負けの画力など、多くの特技を持つエンターテイナー。

公式YouTubeページ

戌神ころね(いぬがみころね)

犬耳と尻尾がトレードマークの“犬系Vtuber(ブイチューバー)”。
大のゲーム好きで、常に楽しげな雰囲気でゲーム配信する姿が印象的。
YouTubeチャンネル登録者数は205万人を誇る。
戌神ころねのVtuberデビューは2019年だが、その経緯は少し特殊。
ホロライブ同期の猫又おかゆとはデビュー前から交流があり、さらに同じくホロライブの白上フブキとゲームセンターで出会ったことなどが重なり、オーディションではなく紹介という形でホロライブに加入。
猫又おかゆ、大神ミオ、白上フブキらとともに、「ホロライブゲーマーズ」としてデビューした。

公式YouTubeページ

湊あくあ(みなとあくあ)

2018年にホロライブ2期生としてデビューした女性Vtuber(ブイチューバー)。
猫耳とメイド服が印象的な可愛らしいキャラクターデザインと、FPS・アクションゲームが得意というギャップが興味深いポイント。
音楽活動にも精力的に取り組んでおり、アイドル/ゲーマーの2面性が多くのリスナーを惹きつける。
自他ともに認める陰キャ・コミュ障であり、コラボ企画などを通じてなんとか克服しようと頑張る姿を応援するファンも。
YouTubeチャンネル登録者数は、2023年10月現在で192万人。

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星街すいせい(ほしまちすいせい)

星街すいせいは2018年3月Vtuber(ブイチューバー)事務所に所属しない、いわゆる個人勢として活動を開始したアイドルVtuber。
2019年からはホロライブに所属し、YouTubeチャンネル登録者数は201万人。
音楽活動を中心に、ゲーム実況やデザイン制作、動画編集なども行っている。
歌唱1発撮りパフォーマンスチャンネル・THE FIRST TAKEにVtuber史上初出演をはたすと、同チャンネル史上トップとなる、同時視聴数16万人を記録。
動画公開後3日間で500万回再生を達成するなど、Vtuber界を代表する歌姫として、Vtuberを知らなかった層にも大きな影響を与えた。

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月ノ美兎(つきのみと)

2018年、にじさんじの初期メンバーとして活動開始。
現在チャンネル登録者数は114万人。
ビジュアルは黒髪ロングの制服姿で、清楚な優等生風だが、雑談配信ではその印象を覆すような斜め上の言動が飛び出す。
リスナーからのツッコミや、提供されたネタやくそげーも独自のトーク力で嬉々としてプレイ実況するなど、自然体でリスナーとともに配信を楽しむスタイル。
「これがバーチャルYouTuberなんだよなぁ~」などの配信中のさりげない名(迷)言もある。

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壱百満天原サロメ(ひゃくまんてんばらさろめ)

2022年5月21日にデビューした、にじさんじ所属の女性Vtuber(ブイチューバー)。
お嬢様のような可憐なキャラクターデザインと、女性声優並みの滑舌の良いクリアな高い声、「ですわ」という語尾を付けたマシンガントークを持ち味とし、デビューからわずか1週間でYoutubeチャンネル登録者数は80万人を超える。
初回配信では、「みんなに自分の深いところまで知ってほしい」という理由で自身の胃カメラ写真を晒すなど、配信内容のぶっ飛んだ面白さは、リスナーからは「大型新人」と呼ばれ、Vtuberファンの間で大きな話題になっていた。
その勢いは、ビジネスニュースコラムなどにも取り上げられたほど。
お嬢様口調でくりだすマシンガントークが特徴的だが、「誰も傷つけない」配信スタイルが人気のポイントのひとつ。
個性やジェンダーへの向き合い方や、リスナーの悩みへの受け答えなどが評価され、度々話題になっている。

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葛葉(くずは)

にじさんじに所属する男性Vtuber(ブイチューバー)。YouTubeチャンネル登録者数162万人で、男性Vtuber(ブイチューバー)としては国内でトップ人気を誇る。
ゲーム実況、雑談配信のほか、同じく、にじさんじに所属する叶とはユニット「ChroNoiR」を組み、トーク番組コンテンツ配信やライブでの歌とダンスパフォーマンスも披露。
メジャーデビューも果たしており、配信シングル楽曲、ミニアルバムリリースなど、アーティストとして音楽活動も精力的に行っている。

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叶(かなえ)

葛葉と同じく、にじさんじに所属する男性Vtuber(ブイチューバー)。
YouTubeチャンネル登録者数123万人。
葛葉や他のにじさんじVtuberとのコラボを含め、ゲームプレイ配信をほぼ毎日行うことから、リスナーからは配信ジャンキーとも呼ばれている。
トーク力の高い葛葉とのユニット「ChroNoiR」では、柔らかな口調で鋭いツッコミやボケで丁々発止のトークを繰り広げている。
2022年7月にはメジャーデビューが決まっており、にじさんじの関連ライブイベントではステージパフォーマンスも披露するなど、活動を広げている。

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Luxiem(ラクシエム)

にじさんじの英語圏Vtuber(ブイチューバー)「Nijisanji EN」に所属する

  • Vox Akuma(ヴォックス・アクマ)
  • Mysta Rias(ミスタ・リアス)
  • Luka Kaneshiro(ルカ・カネシロ)
  • Ike Eveland(アイク・イーヴラント)
  • Shu Yamino(闇ノシュウ)

の5人のユニット。普段はそれぞれ個別に活動しており、ゲーム実況や雑談配信、歌ってみた動画などの投稿を行っている。
ゲーム実況や雑談配信での内容は(英語なのでそう感じにくいが)日本人Vtuber(ブイチューバー)に比べてもかなりフリーダムで、直接的なブラックジョークや下ネタを頻発する。2021年末から活動を開始したばかりで、5人とも日本語訳なし、ほぼネイティブ英会話での配信活動にも関わらず、日本での女性人気が急上昇中。
5人ユニットのLuxiemを含め、チャンネル登録者数やグッズ販売状況も好調で、デビュー半年でアニメショップでのポップアップショップやコラボカフェも開催。
2022年のオタク・推し活女性市場では、前年までの人気コンテンツであった呪術廻戦や東京卍リベンジャーズなどの間に割って入ってきた、ダークホース的な存在となっている(有志のファンによって、彼らの日本語訳付きの配信ダイジェスト編集動画が多く投稿されていることも、人気が広がった要因ではないかと推察)。
同じく女性人気の高い、にじさんじの葛葉や叶の参加する男性Vtuber(ブイチューバー)葛葉、叶、ユニット「ROF-MAO」らとともに、Vtuber(ブイチューバー)女性ファン市場の牽引役として今後注目しておきたいところ。

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代表的なVtuber(ブイチューバー)事務所・プロジェクト

現在人気のあるVtuber(ブイチューバー)の多くは、Vtuber専門の事務所やプロジェクトに所属しています。
Vtuber事務所では、所属するVtuberを集めた定期的なライブイベントなども開催しており所属するVtuber同士のコラボやプライベートな絡みをSNS上で見ることもできるため、 箱推し(事務所やグループ全体をまとめて推すこと)する人も見られます。

にじさんじ

「にじさんじ」は株式会社ANYCOLORが運営するライバー(Vtuber(ブイチューバー))所属事務所のグループ名。
所属ライバーの配信プラットフォームアプリの名前も「にじさんじ」。
にじさんじでは、YouTubeに限らずライブ配信アプリなどでも活動するため、Vtuber(ブイチューバー)ではなく「バーチャルライバー」「公式ライバー」などライバーと呼んでいる。
YouTubeを含めた配信プラットフォーム上でゲーム実況や雑談、歌などの配信を行うのは一般的な他のVtuber(ブイチューバー)らと同じだが、キズナアイやホロライブ所属Vtuber(ブイチューバー)らがアバターに3DCGモデルを使うことが多かったのに対し、にじさんじ所属ライバーは2DCGモデルを使用している人が多いことも特徴。
にじさんじ所属の2Dモデルライバーの人気上昇により、それ以降に登場したVtuberにはアバターに2Dモデルを使用する人が増えるなど、Vtuber業界での影響力も大きい。にじさんじ所属の2Dモデルライバーの人気上昇により、それ以降に登場したVtuberにはアバターに2Dモデルを使用する人が増えるなど、Vtuber業界での影響力も大きい(※ライブイベントや楽曲PV、にじさんじ公式番組などでは普段2Dモデルで配信しているライバーも、3DCGによるモーションキャプチャーでパフォーマンスを行っている)。
また、所属する人気ライバーから、葛葉や叶など楽曲メジャーデビューを果たすケースも多く、アイドル・アーティストとしても活動を広げるマルチタレント的なライバーが増えていることにも注目したい。

公式サイト

ホロライブ

ホロライブプロダクションは、カバー株式会社が運営する、Vtuber(ブイチューバー)事務所。
バーチャルアイドルIPで世界中のファンを熱狂させる、というビジョンの元、2017年頃から数多くのVtuber(ブイチューバー)をデビューさせてきている。
現在では女性Vtuberは「ホロライブ」、男性Vtuberは「ホロスターズ」として所属させており、このほかにもユニット「ホロックス」や、海外Vtuberの拠点として「ホロライブインドネシア」や「ホロライブEnglish」を設立している。
代表的な所属Vtuberには兎田ぺこら、宝鐘マリン、がうる・ぐら、湊あくあ、戌神ころね、百鬼あやめなどがいる。
事務所主催のライブイベントや楽曲レーベルからのプロデュースなどを行うほか、雑誌メディア、エンターテイメント施設、旅行会社などとのコラボやニューヨーク領事館への出展なども行っており、2021年には内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」への参画も発表され、所属Vtuberと連携した地方との旅行企画や日本酒開発などを行っている。

公式サイト

ぶいすぽっ!

「ぶいすぽっ!」は株式会社バーチャルエンターテイメントが運営する、ゲームに本気で取り組むメンバーが集まってesportの良さを広げる、をコンセプトに設立された、次世代 Virtual eSports プロジェクト。
所属Vtuber(ブイチューバー)は現在14人。
メンバーはゲームプレイ実況を行うだけではなく、eスポーツ大会への出場もしており、複数回の優勝実績も持つ。
「ぶいすぽっ!」メンバーを描くコミカライズ作品も電子書籍で配信されており、今後はYouTubeチャンネル内でのアニメ制作も予定されている模様。
日本におけるeスポーツ市場と合わせて今後注目していきたいプロジェクト。

公式サイト

.LIVE(どっとライブ)

株式会社アップランドが運営するVtuber(ブイチューバー)事務所。電脳少女シロをはじめとするアイドル部には女性を中心に多数のVtuberが所属している。
.LIVEでは、VR LIVEという、所属Vtuberとリアルタイムで会うことができるバーチャル空間も提供しているのが特色。
世界的に注目が集まるメタバース市場について、メタバース市場展開はVtuberが突破口になるとも言われている昨今、こうしたVRによるバーチャル空間でのVtuberの活動の様子に注目していきたいところ。

公式サイト

ななしいんく

774株式会社が運営するVtuber事務所。
元々は「有閑喫茶あにまーれ」「ハニーストラップ」「シュガーリリック」「ブイアパ」「緋翼のクロスピース」など、複数のYouTuberグループを運営していたが、2023年に現在の「ななしいんく」に統合。
日本国内におけるYouTubeチャンネル合計登録者数は、にじさんじ・ホロライブに次ぐ規模となっている。
所属している人気メンバーは、因幡はねる(いなばはねる)、西園寺メアリ(さいおんじめあり)、杏戸ゆげ(あんどゆげ)、周防パトラ(すおうぱとら)など。

公式サイト

Re:AcT(リアクト)

株式会社mikiが運営する女性Vtuber事務所。
「KAGAYAKI STARS」の名前で設立されたが、2018年、事務所の方針の変更ととともに現在の名前「Re:AcT」に改名。
設立時は歌って踊れるVtuberを募集していたこともあり、特に音楽方面の売り出しに強いという一面を持つが、現在は所属タレントの多様な魅力をアピールすることにも力を入れており、ゲーム配信などにも積極的。
2023年3月にはバーチャルゲーミングプロジェクトの「Re:AcT Gaming」をスタートした。
現在所属している人気メンバーは、花鋏キョウ(はなばさみきょう)、獅子神レオナ(ししがみれおな)、天川はの(あまかわはの)、稀羽すう(うすわすう)など。

公式サイト

のりプロ

ニコ生主としての活動歴もある女性漫画家、「佃煮のりお」が2019年より運営しているVtuber事務所。
炎上防止などの理由で、所属できるのは佃煮のりおと直に面識のある人物または友人経由の紹介のみ。
設立した2019年から長らくメンバーを公募してこなかったが、2023年9月にははじめてのオーディションを実施。
採用の間口を広げることで、より多様な才能が活躍できる場を提供する。
現在所属している人気メンバーは、犬山たまき(いぬやまたまき)、白雪みしろ(しらゆきみしろ)、姫咲ゆずる(ひめさきゆずる)、レグルシュ・ライオンハートなど。

公式サイト

企業系Vtuber(ブイチューバー)・自治体Vtuber(ブイチューバー)の例

Vtuber業界の盛り上がりは2018年頃からビジネス市場でも注目されるようになり、企業や自治体がVtuberを活用する事例も増えています。
企業系Vtuberの多くは自社の広報・宣伝、イメージキャラクターとしての役割を持っており、自治体Vtuberの場合はさまざまな地域PR戦略に起用されています。
企業系・自治体系Vtuberは、イメージキャラクター、ゆるキャラ、ご当地アイドル、看板娘的な役割を担うバーチャルアイドルとして活動しています。

茨ひより(茨城県職員)

茨城県公認Vtuber(ブイチューバー)で、県庁に勤める県職員。
“バーチャル広報課・Vtuberチーム”に配属。茨城県の魅力を伝えるYoutubeチャンネル「いばキラTV」公式アナウンサーとして、県内観光名所の現地レポートや、茨城県の魅力を伝えながら歌う、本気の「歌ってみた」も投稿している。

Vtuber(ブイチューバー)紹介ページ

根間うい(沖縄インフルエンサー)

バーチャルタレントグループ「おきなわ部」に所属し、沖縄県のインフルエンサーとして活動する。
また、ご当地Vtuber(ブイチューバー)ユニット「日本烈島」にも参加。
国税庁沖縄国税事務所 令和三年分確定申告期スマホ申告・キャッシュレス納付推進アンバサダーや、沖縄初のプロ野球チーム琉球ブルーオーシャンズのバーチャル応援大使も務める。
「おきなわ部」では沖縄観光情報のコラム掲載のほか、メタバース空間にも力を入れており、バーチャル首里城も設立している。

公式サイト

大蔦エル(中京テレビバーチャルアナウンサー)

中京テレビのバーチャルアナウンサー。ゲーム実況やeスポーツを中心に動画を配信し、イベントや特番のMCなども務めている。

2019年から大蔦エル(愛知) 舞鶴よかと(福岡) 根間うい(沖縄) せんのいのり(福島)で結成されたご当地Vtuberユニット「日本烈島」に参加。
PIXIV FANBOXの開設や、バーチャルファンミーティング開催、サブスクサービスなどを行っている。

公式サイト

燦鳥ノム(サントリー公式バーチャルYouTuber)

サントリーの公式バーチャルYouTuber。
2019年にはユニバーサルミュージックから歌手としてメジャーデビューも果たしており、Vtuber(ブイチューバー) Fes Japanなどのイベントにも出演している。
自身のYoutubeではオリジナル楽曲や歌ってみた動画、トークバラエティ動画のほか、炭酸飲料などを使ったASMR動画の投稿も行っている。

Vtuber(ブイチューバー)紹介ページ

黒須もあ(日経クロステック バーチャル記者)

日経xTECH(クロステック)でバーチャル新人記者として採用されたVtuber(ブイチューバー)。
YouTubeチャンネルでは、クロステックにも取り上げられているような最新技術やビジネストレンドの解説動画のほか、スマホやゲーム機など最新ガジェットツールを物理的に分解してみる、などの企画動画も投稿している。

YouTube公式ページ

Vtuber(ブイチューバー)に集まるマーケットの期待

Vtuber(ブイチューバー)が注目されるようになったのは2018年頃からです。
特に、企業や自治体がVtuberをこぞって起用し始めたのもこの頃からですが、Vtuber自体に熱狂的なファンが付くようになったのはここ2〜3年ほどではないでしょうか。
現在は、Vtuber隆盛初期と比べると人気Vtuberの顔ぶれもだいぶ変わってきており、初期は女性Vtuberが多かったのに対し、最近では、熱狂的な女性ファンを持つ男性Vtuberの活動も活発になってきた印象です。

男性Vtuberの女性ファンは、アイドル推し活と同じ熱量で推しを支えようとします。
アクスタやぬいぐるみなどのキャラクターグッズ販売、オリジナル楽曲配信、ライブイベント出演など、配信以外の動きも活発化しており、Vtuberは本格的なバーチャルアイドルとしてエンタメ市場の主力コンテンツになりつつあります。

推し研

人気のあるVtuber(ブイチューバー)の傾向

群雄割拠ともいえる、現在のVtuber(ブイチューバー)市場。
Vtuberの人気の指標はYoutubeチャンネルの登録者数、動画の再生回数です。
魅力的なキャラクターデザインに加えて、個々のパーソナリティやコンテンツ力の高さが重要になり、チャンネル登録者数上位に来ているVtuberは、トーク力や歌唱力、カリスマ性など、何らかのタレント力を持っている点が共通しています。

声優、アイドル、キャラクターの3つの要素を併せ持ち、加えてオタク要素の強い素顔を持っている、エンタメ精神が強い、などリスナーが親近感を持ちやすいこともVtuberの特筆すべき点でしょう。

Vtuber(ブイチューバー)を取り巻く経済圏

人気Vtuber(ブイチューバー)の活動の傾向を見ると、MVや楽曲といった成果物のクオリティにこだわるだけでなく、作品作りの経過や本人の素の性格といったリアリティのある面を逐一見せながら、ほぼ毎日、または数日ごとにこまめに生配信を行っている方が目立ちます。
たとえ投稿コンテンツが不完全であっても、更新頻度の高さを優先させる場合もあるようです。
こうした傾向からVtuberは、結果以上に経過やリアリティ、生活感(とほんの少しのファンタジー)を好む、Z世代の趣向に合ったエンターテイメントであることがわかります。

Vtuber市場はYouTuberらの形成する「クリエイターエコノミー」に属しておりYouTubeのスーパーチャットなどの投げ銭による応援消費、共感消費を促す「推し活」の対象です。
そして、モノよりコト(経験)を買い、経過を楽しむZ世代特有の意識が生み出す「プロセスエコノミー」をも形成していると考えられます。

2D、3DCGモデルをアバターとして活用するVtuberは、注目度の高さに相反してバーチャル空間でどのように実際のビジネスにつなげればいいのか模索状態の人が多いと言われる「メタバース市場」からも期待を寄せられています。
ファン層にZ世代やその下のさらに若い世代を多く持ち、最新の技術を活用して活動しているVtuberは、バーチャル空間とアバターが不可欠なメタバースを一般ユーザーにも浸透させる突破口となり得るとも言われており、試験的ではありますが、バーチャル空間でVtuberと対面できるバーチャルライブもすでに行われています。

次の時代の市場を切り開く可能性も秘めたVtuber(ブイチューバー)市場を、今後も観察していきたいと思います。

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白峯アサコ

YouTuberやVtuber(ブイチューバー)のゲーム実況のおかげで自分でプレイするのが苦手なホラーゲームも楽しめています。

あれだけお喋りしながら、迫ってくるおゾンビを的確に倒せるのすごいですよね。
あ、おハーブですわー!!

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