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AI VTuberとは?仕組みや配信方法から主な配信者・活動事例まで詳しく紹介
AI VTuberとは?仕組みや配信方法から主な配信者・活動事例まで詳しく紹介

AI VTuberとは、YouTuberやVTuberに次ぐ次世代の配信方法です。
注目される理由、基本的な情報やメリット・デメリット、今後の展望・可能性について徹底解説します。

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AI VTuberとは

AI VTuberとは、AI(人工知能)が主体となって視聴者とコミュニケーションを取るバーチャルYouTuberのことです。
通常のVTuberと違って視聴者とのやり取りはAIが行うため、直接的なやり取りや操作の必要がないのが特徴で、「コミュニケーションが苦手だけど配信をしたい」といった需要から注目を集めています。

最近では、テレビ東京が国内テレビ局として初めて、本格的にAI VTuber事業への参入を表明して大きな話題となりました。
表明にあたり、テレビ東京の新規事業開発室長が「新しいコンテンツIP(知的財産)をゼロからつくることに挑戦してみたかった」と述べており、この発言からも今後のAI VTuberへの期待度の高さが伺えます。

AI VTuberのコミュニケーションの取り方

AI Vtuberのコミュニケーション

AI VTuberは基本的に、以下のプロセスでコミュニケーションを取ります。

  1. AI VTuberの配信の準備をして、ライブ配信を始める
  2. 配信中の視聴者のコメントをテキストデータとして読み取る
  3. テキストデータを言語モデル(ChatGPTなど)で処理する
  4. 返答用のテキストをAI VTuberが合成音声で読み上げる

この通り、配信のセットが完了すればあとは全てAIが担当してくれるため、ほとんど手がかかりません。

また、ユーザーからのコメントは音声ではなくチャットなどの文字媒体で認知するため、ユーザーからの意見を拾いそびれる可能性が少ないことも特徴です。

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AI VTuberの配信の仕方

AI VTuberの配信を行うには、キャラクターの作成が必要です。
キャラクターは、Live2DやBlenderなどのアプリケーションを使って作成します。
キャラクターを作成する際は、他のVTuberのデザインと類似しすぎないように注意しなければなりません。
あまりに酷似していると、後々オリジナルグッズを作る際に問題が発生する可能性があります。

次に、実際に配信をするための準備をします。
OBS Studioなどのストリーミング配信ツールと、ChatGPT APIのような文章生成モデルなどを合わせてカスタマイズし、キャラクターイメージに合わせて設定します。
カスタマイズが完了したら、実際に利用を開始できます。

代表的なAI VTuber

ここでは、代表的なAI VTuberをご紹介します。

AI VTuber 開発者 配信開始
Neuro-sama Vedalさん 2022年末
紡ネン Pictoria 2020年
Ivy EuphoPia株式会社 2023年1月

AI VTuberは、会話を積み重ねていくことで言葉を学習します。
そのため、配信開始直後は理解できる言葉が少ないものもありました。

キャラクターの独特な返しや、一緒に成長しているように感じられるところなど、AI VTuberゆえの特徴が好きだというファンも多いようです。

Neuro-sama

Neuro-samaは、2022年末より配信をしているAI VTuberです。
配信サービスのTwitchで活動しており、登録者数は38.8万人(2023年8月時点)となっています。

もともとは、ゲーム『osu!』をプレイするbot(AIプレイヤーのこと)として開発されましたが、Live2D「桃瀬ひより」というフリーのアバターを使用してAI VTuberとして生まれ変わりました。
配信を切り抜いたクリップがSNSに投稿されたのがきっかけで有名となり、今ではAI VTuberをリードしていく存在となっています。

紡ネン

紡ネン(つむぎねん)は、2020年にドット絵でデビューしたAI VTuberです。
Pictoriaが開発したAI VTuberで、YouTubeの登録者数は7.33万人(2023年8月時点)となっています。
“言葉を紡いで進化するAI”をコンセプトに、視聴者からのコメントを学習してキャラクター性を変化させていくのが特徴です。

また2022年には10日間、合計240時間の生配信を実施しました。
最終的には53万人が視聴したことで、AI VTuberの需要を再認識させるイベントになったといえるでしょう。
このような長時間配信ができることも、AI VTuberの強みの一つです。

2023年8月には、「LINEで話せる紡ネン」として、1対1でたくさん話せる公式LINEが登場しました。
ここで交わされる膨大な会話もまた、紡ネンはすべて学習し、これからの配信内容に反映していくようです。

Ivy

Ivyは、EuphoPia株式会社が開発した2023年1月より活動しているAI VTuberです。
登録者数は約770人(2023年8月時点)で、これからの注目株として期待されています。

Ivyが注目されるポイントは、「あなたのことを覚えるAI」であるということ。
初配信では、視聴者からのコメント全てに返答する「全返信配信」を行いました。
配信中の視聴者との対話をすべて記憶しながら会話するIvyの、時折見せる可愛らしい表情や、AIならではの受け答えも受けて、大いに盛り上がりました。

Ivyは、ゲームやメタバースなどさまざまな領域にAIエージェント(「チャット ボット」や「スマート ホーム」など)を導入することで、それぞれの環境での経験や対話データを「長期記憶データベース」に蓄積できるようになっています。
そのためIvyは、各配信での経験を記憶し、その経験に基づいて、ミッション“人と仲良くなること”を達成するための行動をとるそうです。

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AI VTuberに出来ること・メリット

AI VTuberのメリットとしては、以下が挙げられます。

AI Vtuber 配信

配信を長時間続けられる

AI VTuberの最大の強みは、「人間と違って疲れないこと」です。
何十時間でも配信を続けることができるうえ、体調不良のような理由で配信が中止になるリスクもありません
また、自動で受け答えしてくれるので、誰も機械の前に待機していなくても、問題なく配信が続けられる点も魅力の一つです。

会話が苦手な人でも配信者になれる

視聴者とのコミュニケーションは、基本的にAIが行なってくれます。
そのため、開発者自身は会話が苦手でも問題なく配信者になることが可能です。

ただ、配信者は「AIが視聴者に対してどのような反応をするのか」を気にかけておく必要があります。
AIと視聴者がどういった会話をしているのかに注意することで、その後のコミュニケーションの改善に役立ちます。

キャラクターに独自性を出しやすい

キャラクターの個性は、AIへの指示内容や、視聴者との関わりで学ぶ言葉の内容によって大きく変化します。
そのため、最初の設定や環境次第でキャラクターに独自性を生み出すことが可能です。

例えば、発言の内容はもちろん、口調の設定によっても強気/内気といった性格を作りあげることができます。
もちろん、キャラクターに独自性が出るほど好き嫌いは分かれやすくなるため、その点は許容する必要があるでしょう。

字幕をリアルタイムで表示できる

動画配信では動画内のセリフに字幕が付けられていることが多いですが、生配信のAI VTuberでもセリフを付けることが可能です。
AI VTuberの場合、視聴者からのコメントに対する返事はAIがテキストで作成してから音声にするため、そのテキストをそのまま字幕としてリアルタイムで表示することができます。

リアルタイムで字幕を表示すれば、視聴者がAI VTuberの発言を明確に把握することができ、ストレスを感じにくいと考えられます。

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AI VTuberのデメリット

AI VTuberには、メリットがある一方、デメリットも存在します。

AI Vtuber 注意点

不適切な発言でBANされる可能性がある

AI VTuberといえども、不適切な発言をすればBAN(運営者からユーザーアカウントを取り上げられ、サービスを利用できなくなること)の対象となります。
AIの最初の設定や、視聴者からの質問内容によっては、不適切な発言をしてしまう可能性はゼロではありません。
過去実際にBANされたAI VTuberもいるため、注意が必要です。

長時間の配信はシステムエラーが生じる可能性がある

長時間の配信では、視聴者からのコメントなど多くの情報を取り入れることになるため、処理する量によってはエラーが発生する可能性があります。
配信中の突発的なエラーは、視聴者からの評価を落とすきっかけにもなります。
そのため、長時間配信をする場合は定期的に会話内容をチェックするなど、エラー確認が必要です。

キャラクターの声が他のAI VTuberと被る可能性がある

キャラクターの声に使用する音声ソフトの種類は限られるため、他のAI VTuberと被ってしまう可能性があります。
これについては、オリジナルの音声を作成する以外に対処する方法がないので、声の被りに関してはある程度許容せざるを得ない場合が多いといえます。

しかし、仮に声が被ってしまったとしても、発言内容などにキャラクターの独自性があれば、固定のファンを獲得することは十分可能です。

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AI VTuberによる企業活動の事例

AI VTuberが活躍する場は、配信サービスだけではありません。
企業や団体とコレボレーションして、さまざまな領域で活躍しています。

AI VTuber紡ネン|新江ノ島水族館での展示企画

「AIと粘菌をテーマにしたVTuber「紡ネン」を展示したい! in 新江ノ島水族館」という企画が実現したのは、2021年のこと。
採取した粘菌と3Dモデル(3次元で作られた立体的なデータ)を使って、水族館で紡ネンが動くというものです。
クラウドファンディングは無事に成功し、30日間で446名から、総額2,765,055円の支援を得られました。
当日は、紡ネンとスタッフの集めた粘菌が並んで展示され、多くのファンが来訪しました。
このイベントでは、紡ネンにTwitterで水族館に関する学習を行わせ、それを基にしたつぶやきをお披露目したりもしました。

バンダイナムコエンターテインメント|「配信AIキャラクター」プロジェクト

「プレイBYライブ」は、AI技術によりキャラクターがライブ配信やゲーム実況を行うプロジェクトです。
これは、バンダイナムコ研究所の最先端AI技術を、バンダイナムコエンターテインメントが展開するライブ会場などのエンターテインメントに組み込むことで、バーチャルキャラクター像を具現化させるというもの。

プロジェクトの初期段階として、「ゴー・ラウンド・ゲーム(ごらんげ)」という、AIキャラクター同士がゲーム対戦し生配信するチャンネルの本格的な稼働が始まります。
他にも、バンダイナムコエンターテインメントが制作中のガンダムメタバースの開発が進んでおり、メタバースの中でガンダムファンを盛り上げることに特化した“メロウ”というAIキャラクターが登場することも予定されています。

AI VTuberのキャラクターをメタバース内の盛り上げ役として活用するという、配信とは違う目的で活かされている点は、今後のAI VTuberの可能性として注目すべきポイントといえるでしょう。

茨城県|自治体公認VTuber「茨ひより」のAI化

茨城県では、自治体公認のVTuber「茨ひより」をAI化し、県の魅力を国内だけでなく国外にも発信できるようにしました。
自治体公認のAI VTuberは国内初ということもあり、注目を集めています。
「茨ひより」に、「ChatGPT」と「AI Avatar AOI」のシステムを連携して搭載しました。
AI化の際、ChatGPTを取り入れた独自システムによって、もとのキャラクター設定をそのままに再現しています。
そのため、既存のファンを維持しつつAI VTuberへと進化することができたのです。

茨城県の地域情報発信のためのインターネット動画サイト「いばキラTV」で、いばらき大使の気象キャスターと対話する動画が公開されていますので、「茨ひより」に興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

話題のAIインフルエンサーにも注目!

AI VTuberと同様、実在しない人物である「AIインフルエンサー」も話題になっていることはご存じでしょうか?
AIインフルエンサーとは、その名の通りAIを使って生み出されたインフルエンサーのことです。
通常のインフルエンサーのようなSNSへの投稿を、AIが自動で行います

本物の人間ではないため、インフルエンサーとしての顔と素の性格に差があるといったことがなく、そのキャラクターのファンが固定化しやすくなるというメリットがあります。
また、AIによってキャラクターを構成するため、宣伝したい商品などに合わせてキャラクターを調整することも可能です。
比較的柔軟にキャラクター設定ができる点が、AIインフルエンサーの強みといえるでしょう。

AIの活用範囲はさらに広がっていくことが予想されます。
AI VTuberだけでなく、AIインフルエンサーの今後の動きについても目が離せません。

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今やエンタメ市場の一大コンテンツである「VTuber(ブイチューバー)」。今回の記事では、今さら聞けないVTuberの基本知識と、最低限おさえておくとよい情報をまとめています。

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AI VTuberの今後の展望・可能性

この記事でご紹介した紡ネンのように、何万人ものフォロワーを抱えるAI VTuberもいますが、それでもVTuber全体の規模からすればまだまだ小さい方です。

今後もさらなる発展に期待が持てるAI VTuberではありますが、課題も少なくありません。
具体的には、自然言語処理モデルに課題がある点や、AIの性能自体が未だ人の「感情」といった領域までには踏み込めない点などが挙げられます。

とはいえ、活用方法次第で注目を集めることが可能なので、現状のAI VTuberの性能を正しく理解して利用することがポイントです。

まとめ

今後の発展が楽しみな、次世代の配信方法であるAI VTuberのポイントをまとめました。

ポイント

  • 人ではないため感情的な発言によるスキャンダルは発生しにくい
  • アンチが生まれにくく、心理的なダメージを受けることが少ない
  • AIによる会話が進行するのでコミュニケーションが苦手でも配信ができる

活躍の領域を広げ、いっそうの活躍が見込まれるAI VTuberから目が離せません。

AI VTuberを利用している方、今後活用を考えている方ともに、キャラクターに対するファンが確立してきたら、オリジナルグッズ化は積極的に考えたいポイントです。

トランスでは、AI VTuberに関するオリジナルグッズやノベルティグッズの作製、販促企画を行っています。
以下は、トランスが取り扱うサービス一覧です。
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