既存の商品を消費者が自分好みにカスタマイズできるサービス「カスタマイズサービス」。
マーケティング手法の1つとして、以前からさまざまなかたちで商品のカスタマイズサービスが存在していますが最近では、商品のジャンルやオーダーの仕方の幅も広がってきています。

自分の好みに合わせて気軽にセミオーダーする買い物の楽しみ方として

  • 既製のブランドであっても他の人と一緒より、自分のカラーを出したい傾向が強いZ世代
  • 推しのカラーで自分だけの推し活アイテムを持ちたい20~30代のオタク層
  • おなじみのものに自分のアレンジを加えてプレゼントやライフスタイルのアクセントにしたい30~40代

幅広い世代やターゲット層に向けられたカスタマイズサービスの今をご紹介していきます。

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「自分だけの●●を!」カスタマイズサービスの事例集

ひとくちに「カスタマイズサービス」と言っても、その内容や商品、カスタマイズ方法はさまざまです。
まずは、カスタイマイズサービスで特徴のある事例を挙げながら、サービスの傾向を紹介していきます。

商品ラベルやパッケージのカスタマイズ

食品や飲料のおなじみ商品のパッケージをカスタマイズして特別な贈り物や記念品にできるサービス。
個人で購入した1つものに名入れできるグッズも、カスタマイズサービスのひとつです。
以前からメーカーによっては定番サービスのひとつとして行われていましたが、コロナ禍でのおうち時間増加や推し活ブームが後押しする形で、「自分だけの●●」や「金額以上の付加価値」を重視する消費者が増え、そのターゲット層もサービス利用用途も広がってきている傾向にあります。

フォトビー|サッポロビール

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出典元:https://www.sp-mall.jp/shop/pages/S5/index.aspx

おなじみのサッポロビールにオリジナルのラベルが付けられるカスタマイズサービス。
好きな写真やオリジナルデザインで作れるラベル付きビールは、誕生日や記念日のプレゼントで人気です。
ビールは3本、6本、16本セット、ビールのテイストも黒ビールを含む3種から選べて、自宅用や大人数向けの差し入れにも使えます。
また、販促ツールやノベルティとしての需要も高く、法人向けのカスタマイズサービスにも対応。
小ロットで手軽に利用できるのが特徴です。

DECOCHOCO|チロルチョコ

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出典元:https://decocho.com/

おなじみのチロルチョコの包装をオリジナルデザインにできるカスタマイズサービス。
チョコはミルクとホワイト&クッキーの2種類から選べます。(時期によってはいちごみるくなど、期間限定の味が選べることもあります。)
JPGなどの画像や写真での完全オリジナルデザインで作成可能ですが、選べるデザインの種類が豊富で、ファミリー向け、バースデー、ウェディングなどの記念日向け、季節のご挨拶品としても喜ばれます。
そして、モルカーなどの人気IPとのコラボデザインでも作ることができるのが大きな特徴です。

このデコチョコのサービスは2007年から提供されています。当初からPCブラウザ上で簡単に注文でき、一般消費者にとっても手軽なカスタイマイズギフトとして定番のひとつになっています。
こちらも、現在は大口注文やOEMなど、法人向けの注文受付も行っています。

ボトルコーヒーラベル|TAG COFFEE STAND

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出典元:https://tag-coffee-stand.jp/

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実際にカスタマイズしてみたボトルコーヒー。
スマホでWEBサイトのブラウザに入り、コーヒーの種類やフレーバー、ボトルに入れる文字と帯のデザインを選んでQRを生成。お店のカウンターでQRコードを見せて作ってもらえました。

スマホでおしゃれなラベルを選んで、自分の名前や好きなフレーズを入れて購入できるボトルコーヒーのカスタマイズサービス。
1本からスマホでラベルを注文し、出来上がったQRコードを持ってTAG COFFEEのスタンドへ持っていくとラベルを出力して提供してくれます。コーヒーはブラックとミルクから選べて、オプションでキャラメルなどのフレーバーを選ぶこともできます。
現在は109シネマズ川崎、109シネマズ二子玉川の2店舗のみで提供中ですが、今後の展開も気になるところ。
家族でのお出かけやデートでの、ちょっとした話題作りにもなりそうです。

文具カスタマイズサービス|コクヨ

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出典元:https://kokuyo.jp/pr/sc-customize

文具メーカーのコクヨが提供する手帳のカスタマイズサービス。
ブラウザ上でデザインを制作して、ミニノート「オリジナル野帳」をひとつから作ることができます。
オリジナルマイノートとして、贈り物として、部活やクラスの友人と作る想い出の品としてもおすすめです。
老舗の文具メーカーならではのブランド力を活かした、特別な一冊を作れるサービスになっています。

SAKURA craft_lab 006|サクラクレパス

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出典元:https://www.craypas.co.jp/press/notice/sa_pre_0143.html

文具・筆記用具メーカーのサクラクレパスが提供しているボールペンのカスタマイズサービス。
ボディ、コア、クリップ、レフィルの4つのパーツを自由に選び、288通りのカスタマイズを楽しめます。高級感のあるパーツを組み合わせられ、ボールペンインキも絶妙に色味の異なる6種類の黒インキから選べます。

1本あたり2万円前後になるにもかかわらず、満足度の高いカスタイマイズ商品として非常に高い評価と注目を受けています。自分好みのカスタマイズをする「体験を買う」サービスの代表例として、とても参考になる事例でした。

ファッションアイテムのカスタマイズ

もともと、カスタマイズやセミオーダーサービスの需要が高いファッションアイテム。
アパレル、靴、時計、バッグなど1点からカラーや素材を選べるサービスは以前から数多く存在します。
そんな中で、最近ではより手軽に1点からリーズナブルに楽しめるサービスも増えてきています。
ラベルシールのプリントをする感覚で出力して楽しめるネイルチップや、ブランドを活かしてスマホやPCブラウザから簡単にセミオーダーができる時計やスニーカーなど、進化系カスタマイズファッションアイテムも増えてきています。

ネルチップ|タカラトミー

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出典元:https://www.takaratomy.co.jp/products/neltip/

500円ワンコインでその場で作れるネイルチップ。
プリントシール機のように、既存のデザインから選んだり、オリジナルで作ったりしたデザインをネイルチップに出力できるカスタマイズサービスです。
ジェルネイルやネイルシールと違って、チップに画像や写真をプリントして作るので、セルフネイルアートは難しくて描けない、ネイルサロンに通いづらいという人でも気軽に楽しめます。
また、「推し活」アイテムとして、推しのイラストや写真を使った「推しネイル」作りにもおすすめです。

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MY G-SHOCK|CASIO

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出典元:https://www.casio.com/jp/watches/mygshock/

時計ブランドで知られるカシオの、「G-SHOCK」をカスタマイズオーダーできるサービス。
G-SHOCKの特徴的なデザインを活かし、腕時計の各パーツを細かく好きなカラーにしてカスタマイズすることができます。
今話題の「推し活」アイテムとして、推しのメンバーカラー「推し色」を基調にして、自分だけの推しウォッチも作れます。

カスタマイズサービスを後押しする「推し活」ブーム

上記のような事例で紹介したように、カスタマイズサービス化できるものは、食品・飲料をはじめ、文具、時計、靴、ファッション小物など多岐にわたります。
特に最近は。カスタマイズサービスを利用したいターゲット層や目的は以前より広がっており

  • 自分だけのマイグッズを作りたい
  • 記念品・プレゼントを作りたい
  • 推し活アイテムを作りたい
  • 企業・法人のノベルティにしたい

など、作ったものを人と共有するためにカスタマイズサービスを利用するケースが増えてきています。

実際、上記で紹介した「フォトビー」や「デコチョコ」は法人向けの大口注文やOEMも受け付けており、おなじみの商品ならではの需要の高さがうかがえました。
「デコチョコ」は、実は「推し活」を活発に行うオタク層の女性にも認知度が高く、チロルチョコ特有のかわいいデザインや注文のしやすさから、コミケなどの同人即売会で自身の描いたイラストやデザインをあしらったフデコチョコを贈り合うなど、ファン同士の交流ツール、ファングッズとしても根強い人気があります。
「MY G-SHOCK」もまた、ターゲット層に「推し活」をする人たちも意識したアプローチを行ったことで、SNSでは元々のG-SHOCKファン以外の人からも、アニメやゲームのキャラクターのイメージカラーを選べば「推し色のカラーリングウォッチが作れる!」と注目を集めています。

カスタマイズとパーソナライズの違いとは?

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マーケティング用語のひとつとして最近よく聞く「パーソナライズサービス」。
「カスタマイズサービス」と似た意味のイメージを持ちますが、アプローチの仕方が異なります。
ざっくりと違いを説明するとその人が好みに合わせて自分で選ぶのがカスタマイズ、その人の好みに合わせたものを選んで提供するパーソナライズ、です。

  • カスタマイズ:ユーザー側が能動的に自分の好みで選んで選択・変更・アレンジするサービス
  • パーソナライズ:サービス提供側がユーザーの好みに合わせて選んで提供するサービス

パーソナライズは、それまでのユーザーの行動履歴などのデータを元にAIを活用し、ユーザーに提案(サジェスト)、おすすめ(レコメンド)する仕組みのことを指します。
ユーザーが意図せずとも、その人に向いている傾向のものがおすすめ表示されるパターンが多く見られます。
サービスではAmazonのレコメンド機能、ストリーミング配信のSpotifyなどが代表的なパーソナライズサービスです。
商品では肌質や体型に合わせた基礎化粧品など美容系商品やアパレルのパーソナライズサービスがあります。

ただしカスタマイズサービスの中にも、事前にユーザーに好みや目的をヒアリングしてデータを取得し、ユーザーの好みに最も合いそうな組み合わせをおすすめするタイプの、カスタマイズとパーソナライズ両方の特徴を持つサービスもあります。

ここまで、カスタマイズサービスについて事例を見ながら紹介してきました。
マーケティング手法の一つとして、以前からも行われていたカスタマイズサービスですが紹介した事例には共通して「簡単に注文できる」「リーズナブルなのに特別感がある」など、ユーザーがより「手軽に利用してみたい」「利用したら楽しそう」と思えるような工夫をしていることがわかります。

「推し活」ブーム、オンリーワンなものを選ぶ傾向が強いZ世代、小ロットでちょっとしたギフトを作りたい、など カスタマイズサービスもまた、さまざまなニーズに合わせた形になりつつあるようです。

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白峯アサコ

以前、チロルチョコのカスタマイズで、実家のワンコの誕生日にワンコの写真を使ってオリジナルチョコを作ってウチの子自慢に使っていました(犬のバースデーにかこつけた自分用の自己満足ギフト)
香水やコスメのカスタマイズも楽しそうですよね。

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