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【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析
【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

頑張った自分へ、ちょっとした贅沢を贈った経験はありますか?
自分へ、あるいは頑張っている誰かへの「ごほうび」として、いつもよりちょっと良いもの、少し背伸びした贅沢なものを購入する「ごほうび消費」という消費活動について、事例をまじえて解説します。
消費者のインサイト、市場の動向を読み解き、喜ばれる商品企画のヒントにお役立てください。

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ごほうび消費とは?いま普及した背景

この仕事を頑張ったら〇〇を食べよう、ダイエットに成功したら気になっていたあの洋服を買おう!
こんな具合に、自分を奮い立たせる小さな贅沢を用意して日々を乗り切っている方も多いのではないでしょうか。

【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

「ごほうび」とは

本来「褒美」とは、主に目上の者から目下の者へ、ほめる意味を込めて与える金品や褒章を意味します。
ほめられた者は、ほめられたことに対する喜びに加え、「ご褒美を賜る」ことによってその喜びを形あるものとして所持することができます。

子どもが良いことをして先生や大人からほめられ、ごほうびとしてシールをもらう「ごほうびシール」などは、褒められた数が可視化される良い例です。

大きな消費は控えても、小さな贅沢が気持ちを満たす

ごほうび消費が普及した背景にあるのは、2024年の4月に世の中を賑わせた「実質値上げ」ラッシュ。
身近のさまざまな商品やサービスが軒並み値上げされ、消費者が困惑する様子が盛んに報じられました。
物価の上昇により可処分所得の減少が続く中、近年の日本人の消費動向は縮小する傾向にあります。
内閣府経済社会総合研究所‐消費動向調査

そんな中、消費活動のパターンとして注目されているのが「ごほうび消費」です。

コーヒーチェーン「スターバックスジャパン」では、2023年度の売上が過去最高を記録したことを公表しました。
好みでカスタマイズが楽しめるドリンクのみならず、新商品や期間限定メニューといったフードの購入も好調に伸びていることが、売上の記録更新につながっているようです。
経済状況が厳しくなろうとも、日常のコーヒーやスイーツをあきらめたくはないという消費者の存在が読み取れます。

このように、大きな消費を控えたとしても、頑張った自分のためにいつものコーヒーにちょっとトッピングを加えてみる、明日からの日々を乗り切るために新しいスイーツを奮発してみる、といった、前向きになるための小さな贅沢が「ごほうび消費」に当たります。

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初期事例から読み解くごほうび消費の歴史

ごほうび消費はいつから始まったのでしょうか。

世界的宝飾ブランド「デビアス」のキャンペーン

「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチフレーズで知られる世界的宝飾ブランド、デビアス。

日本の高度経済成長と時期が重なった1971年から2001年にかけて行われた、劇場CMなどを使ったマーケティングが奏功し、日本でのダイヤモンドの小売市場は拡大を続け、現在では世界第2位となっています。
戦前から婚約指輪、結婚指輪など、ウェディング業界とからめた戦略で順調に成長を続けていた中で、1994年にデビアスが他メーカーとともに展開した「ミズ・ダイヤモンドキャンペーン」では、自分で稼いだ給料やお小遣いで、自分のためにダイヤモンドのジュエリーを買うという、自己需要の実現を呼びかけました。
活気に満ちた日本経済を背景に、自分で手に入れた高価なものを身に着けることで、女性たちの自信を増し、自分の力で輝きを増すことを提案した一例となりました。

宝飾業界から他業界へ拡大

誰かから贈られるのを待たなくても、欲しいものは自分で自分に贈れば良い、という考えは、今日の「ごほうび消費」へとつながっていきます。

高価ゆえ特別なオケージョンに限られる宝飾業界から続いて、ブランドのバッグやアパレル商品を取り扱う百貨店へと、「自分にごほうび」「自分にプレゼント」という消費スタイルは浸透していきます。
やがて日常的な飲料やお菓子などの食品へと、「ごほうび消費」の範囲は拡大していきました。

今日ではさまざまな業界において、頻繁に「ごほうび消費」を目にするようになりました。

ごほうび消費と消費者の行動

【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

ごほうび消費を行うタイミング

ごほうび消費は、以下のようなタイミングでよく見られます。

頑張った自分への労い

「今日も一日働いた自分にカンパイ!」と缶ビールを開ける、といったものがこちらです。
ダイエットを頑張ったから、苦手な勉強に取り組んだから、様々なシチュエーションが存在しますが、何かしらのタスクを終えたことに対する報酬として、自分の好物やお気に入りのアイテムなどを購入して楽しむ機会を作るというのがこちらのパターンです。

セルフケア

肉体的・精神的な疲労や体調不良時、「お見舞い」や「ストレス発散」として、好物を買って心ゆくまで味わったり、欲しかったものを思い切って買ったりといった行動で元気を出すのはセルフケアの方法として有効です。

モチベーションアップ

気の進まないことでもやらなくてはならないシーンはしばしば起こります。
そんな時に、「この課題を終えたら推しを連れてお気に入りのカフェに行こう!」など、やりたいこと、食べたいものなどをごほうびとして設定することで発奮するのがこちらのパターン。
馬の鼻先にニンジンをぶら下げるように、少し進まないと届かないところにごほうびを設定することで、やる気につなげる行動です。

自己投資

「見栄えをアップするために新しいスーツを購入しよう」、「スキル向上のためにビジネススクールに通おう」、など、その消費を行うことでよりよい自分になるためのパターンも、訪れる未来をより良くするという観点から、未来の自分へのごほうびととらえても良さそうです。

このように、ごほうび消費のパターンは日常のさまざまな場面で目にすることができます。

ごほうび消費は「映え」る?

「自分が、自分にごほうびをあげる」ごほうび消費。
あげるのももらうのも自分となれば、一人で楽しむことになりそうですが、SNSが盛んな現代では、ごほうび消費も進化しています。

頑張った自分と向き合う充実した一人時間をSNSにアップすることで、ごほうびを満喫する時間に加えて、他人からの賞賛や共感まで得ることが可能になり、満足度がさらにアップ。
「他人からほめられたい」という承認欲求も同時に満たせることから、日々多くの人が「ごほうび消費」を行っている様子を日常的にSNSに上げていると考えられます。

ごほうび消費を促すキャンペーンで、「#ハッシュタグをつけて投稿してね」と呼びかけるものが多く見受けられるのも、ごほうび消費がもたらす共感力の高さを見越してのものであるといえるでしょう。

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ごほうび消費事例①ヴァンドーム青山 ホリデーコレクション

自分好みのジュエリーを自分に贈る

【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

引用:https://vendome.jp/aoyama/feature/holiday_collection

上質な日常使いのジュエリーを提案する日本の宝飾ブランド、ヴァンドーム青山では、年末にかけてを「ホリデーシーズン」として、大切な人へのプレゼント、そして1年間頑張った自分へのご褒美にぴったりの、この季節ならではの特別感のある限定ジュエリーをリリースしています。

先のデビアスのキャンペーンで女性たちに浸透した、ジュエリーのごほうび消費。
日常的に身に着けるものであればなおさら、デザインや質感などにも好みがあります。
女性に限らず男性であっても、自分好みのジュエリーをごほうびとして自分に贈れば、身に着けることで気持ちも前向きになり、新たな気持ちで頑張ることができるでしょう。
1年に1度、特別な気持ちで自分へのごほうびを贈りたい人々に喜ばれている事例です。

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ごほうび消費事例②スナックミー ごほうびおやつBOX

ヘルシーでおいしいおやつで自分をいたわる

【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

引用:https://lp.snaq.me/

ヘルシーでおいしいおやつを楽しめるサブスクリプションサービス、スナックミー。
日本全国の生産者が心を込めて丁寧に作ったヘルシーでおいしいお菓子やスイーツが、定期便で届くサービスです。
「おやつ診断」により、消費者の好みを事前に把握してはいるものの、100種類以上のおやつの中から8種類が詰め合わせられて届くおやつBOXの中身は、箱を開けるまでわかりません。
どんなものが届くのか、サプライズ的なワクワク感が好評を博し、自分へのごほうびとして購入する人が増えています。
日常的な「おやつ」というシーンにこそ、ヘルシーで安心できる品質のおいしいものを選ぶことで自分へのごほうびとしたい、というニーズにマッチした、注目のサブスクリプションサービスです。

TRANS_実績一覧

ごほうび消費事例③:自分に?誰かに?贈る「ごほうび消費」

フルグラ食べて自分にごほうびキャンペーン

【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

引用:https://www.instagram.com/calbee_frugra/

カルビー株式会社が展開する人気のシリアルブランド「フルグラ」では、2023年12月から2024年2月にかけて、「フルグラ食べて自分にご褒美キャンペーン」として、ホテル宿泊券などが当たるキャンペーンを行いました。日頃忙しく頑張っている自分へごほうびとして、ゆったりとリラックスできるプレゼントが当たります。
そのほか、離れて暮らす大切な人へ簡単に用意できる朝食としてフルグラを贈るキャンペーンなど、誰かに贈ることを前提としたキャンペーンも展開されています。

応援したいあの人に!差し入れめぐりズム

【ごほうび消費とは?】「頑張った自分へ小さな贅沢を贈る」消費行動を分析

引用:https://www.kao.co.jp/megrhythm/sashiire-megrhythm/

化粧品や日用品などを幅広く手がける花王では、蒸気を使った温熱シート「めぐりズム」を、応援したい人に差し入れできる「差し入れめぐりズム」をHPで提唱しています。
「めぐりズム 蒸気でほっとアイマスク」を好みのメッセージを込めたオリジナルデザインの封筒に入れ、頑張っている人、応援したい人に届けようという企画です。
仕事や勉強はもちろん、「どんな時に差し入れめぐりズム?」という質問には「同人イベント」「クリエイティブ系イベント」「eスポーツゲームイベント」といった項目が並んでいます。
目を酷使する環境にいる人に、アイマスクを贈ることでリラックスできる時間を届けたいというニーズに合わせた、「贈るごほうび消費」の一例です。

オリジナルグッズプレス

ごほうび消費の展開と傾向

ごほうび消費の対象となる商品には、以下の傾向があります。

プレミアム志向

ジュエリーや高級ブランド品などの高価なものを、特別な機会に自分に贈ることから始まったごほうび消費。
価格だけに限らず、高品質、自分の好みにあっているなど、日常手にするものよりもワンランク上であることがポイントです。
贈り物をする際に相手に喜ばれることを考えてセレクトするように、消費者にとっての価値が高い要素を備えたアイテムが選ばれる傾向にあります。
いつものものよりもちょっと贅沢、価格は高いけれど質が良いといったアイテムの需要は、ごほうび消費の場では大変重要になります。

エシカル素材

同じ機能を持つ製品であれば、よりエシカルな素材を選びたいところですが、価格が割高になりがちなのがエシカル素材の難点です。そのため日常の消費行動では二の足を踏んでしまう消費者も多く、普及には至っていません。
しかし自分のために、あるいは誰かのために購入するごほうび消費であれば、エシカルであるという付加価値が伴うことで選ばれやすくなります。
特に、自分以外の誰かに労いの気持ちを込めて贈る際には、品質とともに選んだ理由を説明しやすいという点もあり、ごほうび消費の品として選ばれやすいようです。

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サステナブルな素材で作製できるアイテムや、エシカルなスキームなどを展開するプロジェクトです。

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まとめ:ごほうび消費とは?

注目したい消費者の行動パターン、ごほうび消費について解説しました。

モノをつくり売るためには、「安くて良いものを」と考えがちですが、ごほうび消費のパターンでは

  • タイミングやシチュエーションによって
  • 消費者にとって付加価値のある
  • 贅沢な価格帯のものが選ばれる

ことがあるということがおわかりいただけたかと思います。

消費者に喜ばれる、選んでもらえるオリジナルグッズ作りの参考にしてください。

トランスでは、クライアント企業のみなさまの目的に合わせた企画提案を得意としています。
オリジナルグッズをはじめとした自社の商品やサービスプロモーションに関するお悩みをお聞かせください。
素案レベルであっても、ご相談内容に合わせて立案し、実現させることが可能です。
どうぞお気軽にご相談ください。

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ライター:ミコメ ナホ

ミコメ ナホ

自分へのごほうびを奮発しすぎたおかげでこの頃ちょっと身体が重い気がしますが、気にしないことにしています。

公開日:
株式会社トランス

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