マーケットの中心を担うといわれる、若者の世代、「Z世代」。
多くの企業がZ世代をターゲットにした施策を試行錯誤していますが、目まぐるしく移り変わるトレンドの中、彼らの心をつかむ施策を打ち出すのは至難の業です。
Z世代の若者たちは、モノを購入する際、どのように比較し選定しているのでしょうか。

幼いころからインターネットに触れてきたこの世代はデジタルネイティブと呼ばれるZ世代。
スマートフォンが普及しSNSアプリが発展した現在では、複数のSNSを駆使して情報を収集・発信しています。

今回は、Z世代はどのように情報収集しているかを解説します。
SNSを活用して情報収集しているZ世代は、どのアプリの、どのような投稿を、何をポイントにして閲覧しているのかを考察します。
Z世代が見ている情報があふれるSNSの世界を知り、マーケティング施策に役立つヒントを探します。

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SNSを活用したZ世代の情報収集:好まれる情報

Z世代の情報収集

「インスタ映え」という言葉が流行したように、以前まで重要視されていたのは、ビジュアルのよさでした。
フォロワーからうらやましいと思われるような、自慢できる投稿が多く、盛り上がりを見せました。

「インスタ映え」の言葉が使われなくなった今、どのような点が重視されているのでしょうか。

「映え」よりも、日常的で自然な一コマ

外出が気軽にできなくなったことから、当たり前ではなくなった日常に価値を見出していると考えられます。
SNSが普及し、友好関係は“広く浅く”なっていましたが、コロナ禍以降は限られた時間を有意義に過ごせるよう、“狭く深く”なったようです。

友人と一緒に体験する「コト」のために「モノ」を買うという考え方があり、例えば「アメリカンなホームパーティーがしたいから、ピザと、アメカジの服を買う」といったように、体験先行の消費傾向があるようです。
SNSに投稿された友人とのホームパーティーの写真をみて、「やってみたい」と思うようになります。

親近感のある同世代からの発信

現在人気のあるインフルエンサーに共通するワードは「親近感」や「人柄のよさ」のようです。
Z世代から立場が近く参考にしやすい、飾らないありのままの姿、芯のある姿をSNSで発信しているインフルエンサーの好感度が高く、普段から頻繁にSNSを閲覧している同世代からの圧倒的支持を受けます。
Z世代をターゲットとしたマーケティングにおいてインフルエンサーを起用する場合は、そのインフルエンサーのイメージとキャラクターが前述した条件にマッチしているかがカギとなるようです。

数年前、「インスタ映え」という言葉が浸透し、とにかくビジュアルを意識し、できるだけオシャレに魅せようとする投稿が主流となりました。

しかし現在では、Z世代から共感を得るのは、自然な魅力。
「コト消費」ともいわれる、体験型の消費傾向があるZ世代は、不自然な写真や、流行を狙いすぎたわざとらしい策略には敏感です。
気に入ったものだけを友人と共有し、やってみたり、買ったり、訪れたりしています。
LINEに代わりInstagramのDMを使って友人と連絡をとるようになるなど、Z世代の若者にとってSNSは、友人や同世代の人達と情報を共有できる自由な場所のようです。

共感できる企業のメッセージ

SNS広告においては、商品のおすすめ情報だけでなく、その企業の“環境・社会に対する取り組み”に関する発信が大きく影響を与えるようです。
サステナブルやエシカルな考え方がスタンダードなZ世代には、小手先の取り組みや発信は響かないと言われています。
環境問題や社会問題解決に向けて真摯に取り組み、日々発信することが、Z世代から支持を得る一つのポイントとなるようです。

SNSを活用したZ世代の情報収集:SNSの使い分け

Z世代の情報収集

Z世代は欲しい情報のジャンルに合わせてSNSを使い分けます。
どこを見に行けばどんな情報が手に入るか、SNSの媒体それぞれの特徴を理解しています。
まずは、Z世代が主に利用するSNSの特徴を見ていきましょう。

Instagram

写真の投稿を中心に、ビジュアルをしっかりと伝えることができるので、流行のファッションやコスメ、グルメなどの綺麗な写真を観ることができます。
気になる投稿を見つけると、まずはInstagram内でハッシュタグや位置情報を使って検索し、ビジュアル情報や、レビュー動画などを確認します。
そのあと検索サイトで補足や詳細情報を検索する、という使い分けをしている人が多いようです。
SNS検索の増加により検索エンジンを使わなくなるというわけではなく、SNSと合わせて使用することでより有力な情報として手に入れています。

また、Instagramが「写真投稿を中心SNSとした」から、「情報取集」の場としての機能がつよくなったため、写真自体に文字を乗せ、雑誌のような役割をしているアカウントも多く見られます。
検索結果が表示されたときに一見してその人が探している情報の投稿かどうか見極めやすくさせるためにも、サムネイルに大きく文字が載せています。

Twitter

その瞬間のトレンドやニュースなど、人々の気になる情報がタイムリーに手に入ります。
「このアイテムかわいいからみんな使ってみて!」といったように、一般ユーザーの生の声が拡散され、実用性のある情報、試してみたいアイテムを見つけることができます。
日常のおもしろい出来事を書いたツイートが拡散されることも多く、笑いのネタを見つけることもできます。
幅広い世代のユーザーが集まるTwitterにおいては、ニュースについて議論されているのを見ているユーザーもいます。
主にツイートをするのはZ世代よりやや上の年齢層のユーザーが多く、Z世代は閲覧、情報収集が中心のようです。

TikTok

短い尺の動画が特徴で、歌やダンス、日常を描いたあるあるモノマネ、役立つ豆知識など幅広いネタを収集できます。
特に中高生~大学生など若い世代の利用者が多く、気になる投稿の真似をして投稿し、ユーザーたちがトレンドを作り上げていきます。
ユーザーがおすすめ商品の紹介動画を投稿すると、そのコメント欄がレビュー欄と化し、知らぬ間に商品の売り上げが倍になっていた、という事例もありました。

しかし、冒頭で興味のない動画と判断するとスキップしてしまうことが多いようで、彼らの心をつかむのは至難の業。
それでも多くの企業がTikTokのトレンド性を活用したキャンペーン施策にチャレンジしています。
“○○チャレンジ”として消費者にダンスを投稿して拡散してもらったり、お菓子や飲み物のアレンジレシピ、ファッションの参考コーディネートを投稿して消費者に試してみた結果を投稿してもらう、などの取り組みが見られます。

企業のSNS活用事例、ヒット事例

Z世代の情報収集

多くの企業がSNSを使って自社の商品や取り組みについて発信しています。
Z世代の若者をはじめ多くのSNSユーザーから共感を得た企業アカウントの活用事例、SNSがきっかけでヒットした事例をピックアップしました。

洋服の青山(Instagram)@aoyama_girls フォロワー9.7万人(2022年1月時点)

スーツの製造・販売を行う洋服の青山。
Instagram内に複数のアカウントを所持し、メンズスーツ、レディーススーツの紹介以外に、トレンドに敏感な女子高生をターゲットにした「ガールズアカウント」を運営しています。
スーツ情報以外に、学生の間で流行している写真の加工やポーズ、制服コーデなど、最新トレンドをタイムリーに発信しています。
一般ユーザーがこのガールズアカウントをタグ付けすると、投稿内で紹介してもらえる運用になっており、女子高生のあいだでSNSトレンドの参考にされているようです。

ドミノ・ピザ(Twitter)@dominos_JP フォロワー52.8万人(2022年1月現在)

宅配ピザチェーン店のドミノ・ピザは、Twitterを積極的に運営してユーザーを集めています。
写真を拡散したり、アンケートに回答したりしたフォロワーの中から抽選でクーポンを配布するなど、活発に認知拡大と集客を行っています。

新商品「ピザライスボウル」を発売した際、商品の定義についてインターネット上で話題になりました。
それを受け、Twitterのアンケート機能を使い、“ピザライスボウルはドリアだろ”、“ピザライスボウルはドリアじゃない”の論争を巻き起こし、発売から5か月で100万食を売り上げるなど、SNSをうまく活用しヒット商品を生み出しました。

クーポンや商品のお知らせ以外にも、アカウントを運営する“中の人”のツイートが稀に投稿されるなど、親しみやすい公式アカウントとして知られています。

TikTok売れ

10~20代を中心としたユーザーを抱える、今もっとも勢いのあるSNS、TikTok。
多くの若者がダンス動画などを投稿していることから、商品を持ってダンスをしたりポーズをとったりする動画の投稿をうながす、“○○チャレンジ”のようなキャンペーンを仕掛ける企業が増え始めました。

しかし今注目されているのは、TikTokをきっかけに商品が突然売れ始める現象、通称「TikTok売れ」。

企業公式で打ち出したキャンペーン施策ではなく、とある一般ユーザーがその商品のレビューや紹介でおすすめした動画が注目を集め、意図せずバズることがあります。
その投稿のコメント欄には、「どこで買えるのか」「試してみたい」「とてもよかった」など、興味を示したり、レビューなどが集まります。
さらに、別のユーザーが紹介動画や、食品・飲料のアレンジレシピなどを投稿することで、知らないうちに売り上げが伸びるという現象が起こっています。

まとめ

Z世代の若者たちは、SNSで情報収集する際には、それぞれの特徴を理解して使い分けています。
SNSアカウントや広告を使いZ世代に向けて自社の商品をPRする場合は、そのSNSがどのように使われているか、どの部分がよく見られているかを理解する必要があります。
人柄や親しみやすさ、オープンな価値観、社会に対する真摯な取り組みを発信することで、Z世代のアンテナに情報をキャッチしてもらえるかもしれません。

流行の移り変わりが早く、大人が目を付けたころにはもうブームのピークは過ぎかけている、ということも多いです。
Z世代が持っている価値観を知るだけでなく、共感してみようとすることで、新しい文化に触れられるでしょう。

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セウヘイ

株式会社トランス社員。ぎりぎりZ世代。色々と調べていると、Z世代の子の「大人の作戦にはそう簡単にはのらない」といった意見を見つけました。
私もZ世代の消費者として、「確かに」と納得すると同時に、プロモーション会社の社員として、「どうすればいいんだ…」と頭を抱えています。

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