激しくトレンドが移り変わるなか、ここ数年流行が衰えていないのが「レトロブーム」。
食やファッション、音楽などさまざまな分野において、過去に流行した要素が取り入れられています。

昭和30年代を懐かしむ、「昭和ノスタルジー」のブームや、1980年代のバブル期のような活気のあるイメージ、1990年代から2000年ごろの平成初期に流行した比較的新しいものまでが「レトロ」として再注目されています。
流行中の「レトロ」をどの年代がフィーチャーされているか定義することは難しく、時系列はバラバラで現代社会に馴染んでいます。

このレトロブームの渦中にいるのが、これからの消費を担うといわれる「Z世代」の若者たち。
多くの若者たちがレトロに興味を示し、自分たちのレトロな体験をSNSに共有しています。

では、なぜ今「レトロブーム」が起こっているのか。
若者たちの心に刺さる理由を考察し、企画やデザインへの「レトロ要素の取り入れ方」を解説します。

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レトロブームによって流行しているものとは?

Z世代の若者を中心に巻き起こっているレトロブームは、さまざまな分野でその現象を見て取ることができます。
SNSでの写真投稿からも、エモい場所やグルメ、グッズなどに興味を示していることがわかります。
では、実際にどのような分野で、レトロ要素が取り入れられているのでしょうか。

撮影・加工におけるレトロブーム

【撮影・加工】におけるレトロブーム

撮影する楽しさ フィルムカメラ

数年前から流行しているフィルムカメラ。「インスタ映え」という言葉ができてから、フィルムカメラにも改めて注目が集まりました。
Instagramで#写ルンです と検索すれば投稿されている写真は約97万枚超。
現代のスマートフォンやデジタルカメラに比べれば画質は決して良くないのですが、その画質の悪さがいい味を出しているということで、多くの若者がフィルムカメラで撮影し現像した写真をSNSに投稿しました。
手動でフィルムを巻き取る動作や、どのように映っているか現像するまで確認できないというアナログな体験が、Z世代の若者にとっては特別なのです。

“エモい”写真ができるカメラアプリ

わざと画質を粗くしたり、レトロなフォントで文字を入れたりと、自分の手でレトロ作り上げる加工も流行しています。
フィルムカメラの流行により、“フィルムカメラで撮ったような写真が撮れるアプリやフィルター”が続出。
2021年に日本にも入ってきた写真SNS「Dispo」は、フィルムカメラで撮ったような写真が撮れるSNS。
最大の特徴は、“撮った写真がその場で確認できない”というフィルムカメラ特有の不便さ。
キレイさや加工技術に縛られない“エモい”写真が集まる新しいSNS「Dispo」に注目が集まります。

【空間】におけるレトロブーム

昭和にタイムスリップしたかのような空間が“エモい”

年季の入った家具や壁から感じる“エモい”雰囲気が楽しめる場所、「純喫茶」「銭湯」「のんべえ横丁」などが、若者たちから人気を集めています。 純喫茶は、メロンソーダやプリンなどの写真映えするなつかしのメニューと、マスターとの会話も楽しめる、温かみのあふれる場所として注目されています。

【音楽】におけるレトロブーム

ストリーミング全盛期の時代に、アナログ盤を発売!

スマートフォンが普及し、ストリーミングで簡単に音楽を聴ける時代、新曲をデジタル版のみで配信するアーティストも増えてきました。
そこで話題になったのが、若者に人気のアーティストがレコード盤・カセット版を発売したこと。
世界的に大人気のK-POPグループのBTSや、アメリカの若手シンガーソングライターのビリー・アイリッシュなど、影響力のあるアーティストたちがアナログ盤で新曲を発売したことによって、レコードやカセットの魅力に注目が集まりました。
日本のアーティストもアナログ盤でのリリースをしていて、市場ではレコードやカセットプレイヤーの売れ行きが好調のようです。

音楽におけるレトロブーム

曲調にもレトロ要素を取り入れる!

80年代に流行した「シンセウェーブ」と呼ばれる電子音楽の要素や、90年代アメリカのHIPHOPやR&Bの要素など、曲調にレトロ要素を取り入れるアーティストが増えているようです。
また、80年代の日本で流行した「シティポップ」と呼ばれるジャンルの音楽が再注目され、国内外で多くのアーティストが「シティポップ」を現代風にアップデートしています。

【ファッション】におけるレトロブーム

独特のシルエット、大胆さ、カラーでレトロ要素を取り入れる

バブル期の日本で流行したような「肩パッド」「ワイドパンツ」「ビビッドカラー」が“逆に斬新”。
小花柄のワンピースやゆったりとしたシルエット、ジャケットにジーンズを合わせるスタイルなども、チャレンジしやすいレトロ要素となっています。
最近まで“古くてダサい”と思われていたようなスタイルが再び脚光を浴びています。

企業のコラボキャンペーン事例15選

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幅広い世代がターゲットとなるレトロなアニメコンテンツを起用したコラボキャンペーン事例も。

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若者にレトロがささる理由

若者にレトロがささる理由

現代社会にはない「不完全さ」がある

レトロの魅力の一つに、現代社会にはない「不完全さ」があります。
Z世代の若者は、少し面倒に感じるアナログな操作性を楽しんだり、温かみのあるダサさをかわいいと感じたりしています。

スマートフォンの普及と、カメラの高画質化、音楽はストリーミング再生、SNSでのコミュニケーション…
現代の若者たちは、幼いころから便利でハイテクなものに囲まれて生活してきていることから、一見不足しているものはないように思われますが、完成されたシステムに「無機質さ」や「冷たさ」を感じているのかもしれません。

そこで、「レトロ」に触れることで、今の生活に足りない「不完全さ」を補います。
スマホひとつで事足りる写真撮影や音楽の再生を、あえてフィルムカメラやレコード使うことで、面倒なひと手間を体験し、「不完全」であることに「人間の温かみ」を感じているのでしょう。

レトロは、過去に流行したものを知らない世代にとって新しく感じるとともに、親の世代から聞いた話に親近感が湧き、“知らないのにどこか懐かしい”という感覚になる不思議な魅力を放っています。

また、音楽やファッション、アプリなど、若者が楽しんでいるコンテンツとレトロ要素が交わることで生まれる、現代と過去が混ざり合う異質な空間が新たな魅力を生み出しています。

韓国で起こるレトロブーム『ニュートロ』の影響

常にトレンドの一歩先を行き、日本の若者文化に大きな影響を与えている韓国では、「ニュートロ」が注目されています。
ニュートロ(Newtro)とは、NewとRetroをあわせた造語で、ひと昔前の流行や文化を若者なりの感性で再解釈し、新しく楽しむ現状を意味しています。
曲調にニュートロの要素を取り入れた音楽以外にも、ファッションやインテリアの分野においても注目されており、マーケティング全般で重要なキーワードとなっています。

レトロ要素を取り入れている事例から学ぶ “レトロっぽさ”をつくる要素とは?

レトロブームの波に乗り、レトロ要素を取り入れたオリジナルグッズを製作している企業やブランドがみられます。
ここでは、それらのグッズがどういったところにレトロ要素を取り入れているのかを分析してみます。
ポイントをおさえれば、Z世代の若者にささるオリジナルグッズの製作に役立つかもしれません。

プリントするデザインでレトロ要素を取り入れる

プリントするデザインでレトロ要素を取り入れる

シンプルなポーチやバッグにレトロなイラストをプリントすれば、まるで“復刻版”のようにレトロ感漂うオリジナルグッズに。
レトロブームの影響から、80年代のアニメのような雰囲気のイラストを描くイラストレーターが現れ、人物やキャラクターを当時の独特の絵のタッチで描いています。
レトロなイラストを描くイラストレーターとのコラボグッズなども各所で発売されています。
レトロ感のある配色は、補色やグラデーションをつかってキャラクターやフォントを際立たせ、ブラウン管テレビに映っているかのように、全体的に明度が低くなっているのがポイントです。
ネオン管のようなカーブや光の反射を表現したフォントなどもレトロ感を演出します。
当時のアニメを見たことのない若者には、「ポップでカワイイ」という感覚で捉えられます。

また、イラストだけでなく、企業の歴史のある商品や、企業の旧ロゴ、創業当時の店舗の写真などをプリントしても、“時間の経過”や、“今とは違う”ということをダイレクトに表現できるでしょう。

【レトロブーム】レトロなモノの形をグッズに活かす

レトロなモノの形をグッズに活かす

レコードやカセットテープなどのレトロアイテムをモチーフにしたグッズで懐かしさを立体的に。
レトロアイテムそのものの形を表現することで、視覚的にもわかりやすく、手に取ったときの特別感を味わうことができます。
丸や四角で応用の利きやすいレコードやカセットテープ、ゲーム機は、ポーチやスマホケースなどのグッズにしやすく、アーティストの名前やツアータイトルなどの、世界観を表現したデザインが溶け込みます。
形が特徴的な黒電話やクリームソーダなどは、ミニチュアキーホルダーにするとより形を活かすことができます。

今回は、令和のトレンド「レトロブーム」について解説しました。
現代社会のスマートな生活のなかで魅力を放つ「レトロ」の存在は、モノづくりや販促企画にも大きく影響を及ぼすでしょう。
トレンド性が重要視される若い世代の消費者をターゲットにする企画の際には、「レトロ」というキーワードを挙げて考えてみてはいかがでしょうか。
「レトロ」が持つノスタルジックな雰囲気に惹かれた若者だけでなく、おまけにその懐かしさに惹かれた60~70年代生まれの世代にもささるかもしれませんね。

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セウヘイ

株式会社トランス社員。本記事に写真を掲載するために、筆者がフィルムカメラ風アプリで撮影しました。渋谷の街や先輩のデスク、弊社のキャラクターのトランスくん。なかなか良い味が出ているのではないでしょうか。
そして今回レトロブームの記事を書いたことを機に、レコードプレーヤーを購入しました。レコードを選ぶ時間、再生するまでの操作手順、少しだけ悪い音質を実際に体験し、“アナログの良さ”に触れることができました。良いお値段だったので、しばらく節約生活が続きそうです。

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