グリーンフライデーとは?|消費者にも嬉しい企業のSDGs事例
グリーンフライデーとは?|消費者にも嬉しい企業のSDGs事例

毎年11月第4木曜日の翌日に大規模なセールを行う「ブラックフライデー」。
年末商戦への皮切りとも言われ、Amazonなどのネット通販での「サイバーマンデー」とともに毎年この大規模セールを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?
そんなブラックフライデーに対してモノを大切に長く使うなど、
地球環境に配慮した消費を啓発するのが「グリーンフライデー」。

海外では、長く使うための修理方法を教えるワークショップを開催する事例もある運動です。
「グリーンフライデー」運動が海外、そして日本国内でも広がっています。
SDGsへの取り組みが加速する昨今ですがグリーンフライデーとはどんなものなのでしょう?

このグリーンフライデーをサステナブルな事業に取り入れている企業の事例を紹介しながらこれからの生産・消費活動についても考えていってみましょう。

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グリーンフライデーを取り入れた企業の事例

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そもそも「グリーンフライデー」とは?

SDGsの目標12にある「つくる責任 つかう責任」。これは、持続可能な生産消費形態を確保することを目的としています。
持続可能(サステナブル)な開発を目指す際の課題は、食品やまだ使えるものの廃棄による浪費が挙げられます。
少ない資源でより良く効率的な生産を行うために、今ではさまざまな企業や消費者が、サステナブルを視野に入れた生産・消費に取り組むようになってきました。
「ブラックフライデー」とは1960年代ごろからアメリカではじまった毎年11月の第4金曜日に行われる大規模セールの日です。
大型量販店やスーパーなどの小売店では大幅な安売りが行われることから、アメリカの小売市場では1年で最も売り上げが見込める日、とも言われています。近年では欧米だけでなく、日本でもこのセールを見かけることが増えました。また、ブラックフライデーのネット通販版「サイバーマンデー」なども行われています。
一方、モノを大切に長く使うなど、地球環境に配慮した消費を啓発するのが「グリーンフライデー」です。
SDGsへの意識が高まってきた近年では、ブラックフライデーを行っていたメーカーや小売企業も、グリーンフライデーへシフトする動きを見せ始めています。
ここでは、実際の企業による2021年のグリーンフライデーに関連した取り組み事例を紹介していきます。

IKEA #グリーンフライデー

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出典元:https://www.ikea.com/jp/ja/campaigns/ca00-green-friday-pub7c634d80

“サーキュラーエコノミー(循環型経済)に貢献するため、「ブラックフライデー」に代わり「グリーンフライデー」と称したアクションを行います。11月11日(木)~25日(木)の期間中、家具買取りサービスがお得に。グリーンフライデー11月26日(金)当日には数量限定ベジドッグのプレゼントも。”

以前はブラックフライデーでのセールを開催していたイケア。そんなイケアは、昨年2020年に引き続き、グリーンフライデーの世界各店舗で家具買取を実施しています。
昨年は15万5000点以上のイケアの家具をイケアが買い取り、修復した上でアウトレット販売を行っていました。 イケアの家具を売りたい、安く買いたい、買い替えたい、という消費者のニーズにも応えられる興味深い試みです。
本家スウェーデンの店舗ではすでに通年でこの買取アウトレットを行っているそうで、段階的に全世界店舗での通年実施を計画中との情報もあります。
コロナ禍でおうち時間が増え、自宅のインテリアへの興味関心が高まった近年。部屋の模様替えや家具の買い替えでサステナブルな活動にも貢献できる、消費者にとってお得なサービスになったグリーンフライデー運動です。

メルカリ #サステなストア

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出典元:https://about.mercari.com/press/news/articles/20211005_sustaina-store2021/

“欧州を中心に広がっている持続可能な消費を促す「グリーンフライデー」にあわせ、2021年11月25日~11月27日の期間限定でユーズドアイテムの購入を通じて身近なサステナビリティが体験できる、メルカリ初のお客さま参加型ファッション実店舗「サステなストア」を表参道にオープンいたします。”

昨年はグリーンフライデーでユーズドの服だけで行う「サステナブルファッションショー」を行ったメルカリ。
今年も昨年に引き続きこのファッションショーを行うほか、一般の利用者が「メルカリ」上でハッシュタグ「#サステなストア」をつけて出品したアイテムの中から、タレントの池田美優さんらプロジェクトアンバサダーがセレクトする予定。また、「サステなストア」の売上金は、全額「メルカリ寄付」に登録されている自治体や慈善団体に寄付されます。
ユーザーも、普段通りメルカリで出品や買い物をしながら無理なくサステナブルな活動に貢献できるのが特徴です。

ユーザー同士が自分の使わなくなったものを手軽に出品でき、出品された様々なものの中から欲しかったものを中古で安く購入できるメルカリ。利用者の年齢幅は年々広がっているメルカリですが、ファッションやコスメの売買でメルカリをフル活用しているのはやはりZ世代を中心とした10~20代。そしてZ世代はほかの世代より、サステナブルな活動に対して関心が高いとも言われています。
自分の出品した服も「サステなストア」に並ぶかもしれない…ちょっとしたワクワク感もあるユーザー参加型の試みは、メルカリを日常的に活用しているZ世代との親和性も高いのかもしれません。

コロナ禍で加速した中古品購入傾向

持続可能な生産消費形態を確保する、SDGsの12番目の目標「つくる責任、つかう責任」。

上記で取り上げたイケアは家具買取と修復販売や、メルカリはユーズド品ストアの展開など、各企業の特性を生かした取り組みを行っています。

コロナ禍の自粛やおうち時間の造花で、自宅内の模様替えや家具需要が増えたイケア使わなくなったものを譲り、欲しいものを中古で安く手に入れられるメルカリの使いやすさこれらは、コロナ禍で加速した消費者の中古品購入傾向と相まって消費者側も無理なくサステナブルな運動に貢献できる取り組みとも言えます。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)への貢献

グリーンフライデーで企業が行うSDGsへの取り組みで特徴的なのは、新しいモノを買うのではなく、すでにある中古品を修復したり、使わなくなったけどまだ使えるものを売ってリユースに回すという消費者が長くモノを使い続けられるものでした。
これらのサイクルは「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を目指す試みでもあります。
中古品のリユースをすることでモノの生産時に発生する廃棄物を減らす、原材料を使いまわすことで有限の資源採掘を減らす、など環境に配慮するだけでなく、持続可能な経済成長や新たな雇用の創出も見据えた産業モデルです。
サーキュラーエコノミーを見据えた企業の試みには、靴メーカーのナイキによる靴の自主回収・リサイクルプログラムやアディダスによる海洋プラスチックごみをアップサイクルした素材の活用、衣料品メーカーのファーストリテイリングによる全商品のリサイクル・リユース「RE,UNIQLO」などが挙げられます。

グリーンフライデーは期間限定で試験的にこうしたサーキュラーエコノミーへの貢献ができるのがポイントです。
サステナブル事業を始めるにあたり、既存の消費者も利用しやすい新たなサービスになり得るかどうかを試すことができる機会にもなるのです。

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ブラックフライデーとグリーンフライデーは両立できる?

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一年に一度の大規模セール「ブラックフライデー」は、アメリカでは小売店での年間最高売り上げを記録するような大きなイベント。
Amazonなどのネット通販のセール「サイバーマンデー」なども同様で、大きな売り上げを記録します。
グリーンフライデーは、そんな大量消費を抑制することを目的として生まれました。
資源枯渇への懸念や環境汚染など課題の山積みの21世紀。
掲げられたSDGs「持続可能な開発目標」とともに、今までの生産と消費のサイクルを見直していく働きかけはとても重要なことです。

とはいえ、生産者や量販店や小売業、そして消費者にとっても、ブラックフライデーやサイバーマンデーのような大規模なセールは経済市場的にも重要なイベント。

セールの内容も単にたくさんの物を安売りするだけでなく、キャンペーンを実施したり、付加価値のあるセット商品にすることでお得感を演出したりする方法も取り入れられています。

年に一度の大規模セールは買い物を楽しむこと自体がエンターテイメントでもあります。
消費者が欲しかったものをワクワクしながら楽しく買い物できるようなイベント。
これは消費経済活動において、いまだ不可欠な存在であり、特にコロナの影響で元気をなくした今の経済にとっては、活力を与えてくれる存在ともいえるでしょう。

ここまで解説してきた「グリーンフライデー」の取り組みや考え方は、一見するとブラックマンデーと相反するものに見えます。
しかし、この2つは二律背反なのではなく、対になっていると筆者は考えています。

先ほど紹介した企業のグリーンフライデーの取り組み事例は、リユースによっていらないものを処分でき、ほしいものを安く手に入れられる、消費者同士でもwin‐winの関係ができる取り組みではないでしょうか。

セールで楽しく買い物をしながら、買取や中古品を活用して、企業も消費者もお互いにメリットがあるイベント。
ブラックフライデーとグリーンフライデーが両立できるようなマーケットが確立できれば、だれもが無理なくサーキュラーエコノミーに貢献でき、サステナブルな生活が当たり前になっていくのではないでしょうか。

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白峯アサコ

引っ越しのときにいろいろ断捨離するんですが、家電や本だけでなく、服も捨てるよりに売ることができるようになったのはありがたいですね。二束三文でも誰かが使えるかもしれない、何かに使ってもらえるかもしれない、と思うと手放しやすいものです。

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