クラフトコーラやクラフトビール、ドリンク以外にもさまざまなクラフト○○専門店が出現しています。
近年急激に注目度が上昇している理由を考察しました。
背景には、メインターゲットにもなるZ世代の消費傾向・価値観とリンクする部分がみえてきました。

Z世代の心をつかむ|Z世代をターゲットにした商品・キャンペーン企画の事例から好まれる傾向を考察

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“クラフト”とは?

“クラフト”とは、技術、技巧、工芸などの意味から、作り手がこだわって作り上げた商品のことを指しています。
手間暇がかかり大量生産しにくいため、価格は一般的な商品の相場よりも少し高め。
例えばビールやジン、コーラなどの飲料には、複数のスパイスや少し変わったフルーツなどの食材を絶妙な配合で使用され、一般的に普及している商品とはまた違った味わいを楽しむことができます。

人気が高まっている理由|Z世代の価値観とマッチしている!?

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール

なぜ今クラフト○○のジャンルに注目が集まるのでしょうか。
それは近年の消費傾向に起因しているように思われます。商品を購入する際に、以前見られたような価格重視で安いトレンドのアイテムを買うという傾向よりも、近年は質の高いモノや商品のバックグラウンド・コンセプトを重視する傾向がみられたり、若者の趣味・嗜好も多様化が進み、均一な商品ではなく、それぞれに合った商品を購入する傾向がみられます。このような消費傾向にマッチするものとして、クラフト○○というジャンルの注目が高まっていると考えられます。
また、パッケージがおしゃれなものが多いことも、若者から注目を集めているポイントです。
ここからはもう少し具体的に注目度が高まった要因と考えられるいくつかのキーワードを挙げて考察していきます。

コロナ禍の外出自粛ムード

コロナ禍で外出自粛ムードが高まり、人々は「おうち時間」を過ごしたり、飲食店ではアルコール提供ができなくなったりしました。
おうち時間を有意義に過ごすために今までできなかったような趣味にチャレンジした人も多かったようです。
クラフトコーラやジンジャーエールは、スパイスやレモン・ショウガなど、スーパーで手に入る材料で作ることができるので、自家製のクラフトドリンクに挑戦した人が増えたことが影響していると考えられます。
また、クラフトビールなどにおいては、外食できない分、家でゆっくりお酒を飲みたい、普段より少し高価なビールを飲んでみる、といった需要が考えられます。
コロナ禍に大手企業から発売された“クラフトビール”“クラフトジン”の存在も、人々にクラフト○○の存在を認知させたひとつの要因といえます。

若者の“酒離れ”

海外の若者の間で定着しているといわれる「ソバーキュリアス」というライフスタイルが話題になっています。
お酒を飲むようなシーンでもあえて飲まない(ソバー=しらふ)でいるという考え方で、またそれを多様性として認め合うという風潮が広まっています。
お酒の代わりに飲むドリンクとして、ノンアルコールドリンクに続き、クラフトドリンクが割って入ります。
酒造などが酒造りのノウハウを生かしクラフトコーラを開発するという事例も見られ、お酒を飲まない人でも飲料の選択肢が広がっています。

若者の“ビール離れ”

お酒を楽しむ若者においても、“幅広い選択肢”がカギとなっているようです。
“ビール離れ”とは、缶チューハイやワインなど、選択肢の幅が広がったことで大きかったビール市場が削られていく現象のこと。

そんなビールの中でもクラフトビールはさまざまな種類があり、多様な個性の中から選ぶことが出来る“幅広い選択肢がある商品”として楽しまれています。
また、かつては居酒屋でジョッキに入ったビールをどんどん飲むことがお酒の楽しみ方の定番でしたが、Z世代にはゆっくりとリラックスして飲むスタイルも好まれているといわれています。 Z世代が好む「チル」の要素にも重なるものがあります。
クラフトビールには温度変化で味の変化を楽しむことを提唱しているものもあり、ゆっくり飲むスタイルにマッチしているといえます。
ラベルやパッケージがかわいいものや綺麗なものなど、アーティスティックなデザインが多いのも魅力のひとつ。
オシャレ感度の高いZ世代にとってデザイン性の高いパッケージは、商品を手に取るきっかけとなり、SNSでの拡散を促します。

Z世代の価値観“個性”

Z世代がもつ価値観として「オリジナリティ」「こだわり」など個性を大事にする傾向があります。
メジャーではないモノを知っている優越感や、仲間同士で隠れた名品を共有したり自慢したりする事を楽しんでいます。
個性を表現したいZ世代の価値観と、個性的で多様性のあるクラフト○○というジャンルがうまくマッチングし、さまざまな場所で多様な種類のクラフト○○が楽しめるようになってきています。

また、クラフトビールやクラフトコーラは、小規模で活動しているブランドが多いのも魅力のひとつです。
創業者のこだわりや人の温かみ、名産品を使った地域性といった個性を感じるものがあり、親近感や企業の透明性に好感をもつZ世代の趣向ともマッチしています。
また、アパレルブランドから生まれたクラフトビール、クラフトビールから生まれたアパレルブランド、酒造から生まれたクラフトコーラなど、面白いテーマをもっているクラフトブランドもあるようです。
それぞれの製品のバックグラウンドを調べてみると、創業者の想いや苦労した体験など、さまざまなストーリーが見えるのも面白い要素です。

注目のクラフト○○ 

注目度が高まるクラフト○○ですが、ビールやコーラなどのドリンクにとどまりません。
広がりを見せるバラエティ豊かなクラフト○○市場からピックアップしてご紹介します。

クラフトビール

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール

クラフト○○といえばビール。麦芽やホップの他、フルーツやハーブ、スパイスを使った個性的な商品が多く出ています。
スッキリと華やかな香りのするものや、苦みの強いもの、カラフルでフルーティーなフルーツビール、など選択肢がかなり幅広いうえに、種類によって最適なグラスの形が違ったり、温度変化で味わいが変わったりと、突き詰めるとかなり奥が深い世界です。
もちろん、単純に好きな味や香りを選ぶ、料理に合わせて選ぶ楽しみのあるビールです。
“よなよなエール”など様々なユニークなネーミングとラベルのクラフトビールを展開するヤッホーブルーイングでは、クラフトビールに合う“クラフトソーセージ”も販売しているようです。

ポイント

  • 選択肢が豊富で個性的
  • ゆっくりお酒を飲むスタイルに最適

クラフトコーラ

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール

出典元:https://iyoshicola.com/product/

レモンやライム、スパイスなどをそれぞれ絶妙な配合で煮詰めてつくるクラフトコーラ。
各地でものづくりにこだわった人達がそれぞれの想いをもって作っています。
最近では「伊良コーラ」が先陣を切って市場への進出を拡大している印象ですが、アサヒ飲料やKALDY、成城石井などの大手企業からもクラフトコーラが発売され、さらに注目度は高まっています。
コーラといえばコカ・コーラやペプシが有名ですが、これらとはまた違った味わいが特徴で、個性やこだわり、“手作り感”を感じます。

ポイント

  • オリジナリティやこだわりを感じる
  • 「ソバーキュリアス」のニーズに応える特別なドリンク

クラフトラッシー

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール クラフトラッシー

出典元:https://lassie-lacci.stores.jp/

2021年5月、日本初のクラフトラッシー専門店「LACCI(ラッチ)」がキッチンカーから営業をスタート。
ラッシーを飲む機会といえばカレー店に行ったとき程度ですが、タピオカを超えるドリンクを作りたいという想いで大学生が立ち上げたブランドです。
砂糖を使わず、はちみつやアガベシロップで自然な甘みを表現し、ココナッツミルクや豆乳がベースとなっている栄養満点で健康的なラッシーです。
百貨店やショッピングモールでのポップアップ開催、ECでの販売を開始するなど注目度は高く、新しいトレンドドリンクの座を狙う新感覚スイーツドリンクです。

ポイント

  • 食べ歩き、飲み歩きできる新ドリンク
  • 高まる健康志向に応える

クラフト餃子

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出典元:https://craftgyoza.jp/fes/tokyo2022/

2022年5月に東京・大阪で行われた「クラフト餃子フェス2022」。
餃子のトレンドは数年前から起こっており、餃子専門店なども続出しています。
このフェスでは、焼き餃子を始め水餃子、蒸し餃子、揚げ餃子など、各地からこだわりの餃子や変わり種餃子が集まり、餃子の無限の可能性を示すというもの。
具やタレ、調理法など個性豊かな餃子をクラフト餃子と銘打って開催したこのフェスは、新しいフードフェスとして餃子の文化とトレンドを発信しました。
会場ではクラフトビールなども販売され、クラフト文化の注目度の高さを物語ります。

ポイント

  • 数年前から続くトレンド「餃子文化」×新トレンド「クラフト」

クラフトキムチ

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール クラフトキムチ

出典元:https://www.kimchilabtokyo.com

2022年6月、代官山にクラフトキムチ専門店「Kimuchi Lab Tokyo」がオープン。
1992年にキムチ専門店として創業した株式会社グラットンのキムチづくりのノウハウを生かした、新しいキムチブランドです。
「腸活」や「菌活」ブームにより注目を集めた発酵食品のキムチを、さまざまな食材を使って漬け込み、バラエティ豊かな商品が並んでいます。
定番の白菜から、オリーブやエビ、うずら、ブロッコリー、旬のフルーツを使った水キムチなど、個性的な食材はインパクト大です。
店舗のロゴ、パッケージには、Z世代に人気のイラストレーター・ヨシフクホノカのイラストを起用し、見た目も中身も全く新しいクラフトキムチのブランドとなっています。

ポイント

  • 「腸活」や「韓国グルメ」などトレンド感満載
  • パッケージに人気イラストレーターを起用したポップなイラストで、概念を覆す新クラフトキムチ

筆者が実際にクラフト○○を体験してみた

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール

筆者が実際にクラフト○○を体験してみました。
今回はクラフトコーラ界のパイオニアともいわれる「伊良コーラ」を購入。自販機や店舗があるのを見かけたことはあり、気になっていました。450円と、コーラとしてはやや高価に感じますが、おしゃれなカフェでは500円以上のコーヒーが普通なので、ひとやすみする際に飲むには妥当な価格設定だと思いました。

渋谷・レイヤードミヤシタパークにある自販機で購入。ラベルにはブランドのシンボル・カワセミがホログラム仕様で描かれています。
レトロなフォントとホログラムの絶妙な融合がカッコイイデザインです。
蓋をあけてみると炭酸の音とともにシナモンの香りが広がります。一口飲むと、シナモンの香りとともに柑橘のさわやかな味、後味はシナモンなど複数のスパイスを感じます。原材料はレモン・ライム・砂糖とシナモンなどのスパイスと、一見シンプルですがスパイスの絶妙な配合が複雑な奥深い味を生み出しています。
夏の日差しの下、海辺や山で、レトロな瓶のコーラを飲む「エモ」いシーン、家で暖を取りながらじっくりお酒を楽しむような「チル」なシーンでも真価を発揮しそうです。

スパイスの風味がひとクセある個性的な味で、個人的にはとても好きな味でした。
オリジナリティやこだわり、人とは違う個性を表現したい性格のZ世代から支持を集めるであろう資質を感じる唯一性のあるコーラでした。

まとめ:クラフト○○とZ世代の価値観は相性○

Z世代 クラフトコーラ クラフトビール

クラフト○○が持つ特徴と、Z世代の価値観はマッチしている部分多くあります。
Z世代がターゲットにした商品や企画がおこる中、クラフト○○は狙わずして着実にZ世代からの支持を集めています。
もちろん、こだわりの商品はZ世代のみに限らず、新しいモノが好きな人やグルメな人、奥深い世界を突き詰めたい人など、幅広い層のファンがつくことが考えられます。 クラフト○○というジャンルに今後も注目したいですね。

  • 激戦区クラフト○○のプロモーション企画
  • Z世代をターゲットにした企画

など、販促のアイデアについて是非営業担当までご相談ください。

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セウヘイ

株式会社トランスZ世代社員。Z世代の私からすると、クラフト○○それぞれのこだわりと自分のこだわり、一番のお気に入りを探し求めてみる趣味は楽しいのではないかと。Z世代という一言で括るのはあまりにも大雑把だと思いながらも、おいしいクラフトコーラを満喫しました。

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