先日、銀座三越8階にある「アートアクアリウム美術館 GINZA」の内覧会にお招きいただき、見学・取材させていただきました!
五感を刺激する体験を企画するアートアクアリウム美術館に潜入し、ビジネスに活かせるアイデアを学びます。
目次
「アートアクアリウム美術館 GINZA」とは
金魚×光・音・香りが織りなす芸術
2022年5月に常設展として銀座三越新館8階にオープンしたアートアクアリウム美術館 GINZA。
「アートアクアリウム」の名の通り、芸術的な水槽が並んでいます。
江戸時代から続く”金魚鑑賞“という文化を、音や光、香りを駆使した空間演出で、幻想的な世界を創り出しています。
幅広い世代のお客様が来館されているようで、インバウンドのお客様も多く見られます。
和の雰囲気感じる展示は、老若男女、国内外問わず人々の心をつかんでいるようです。
企画展の開催
館内は、春夏秋冬に合わせて、一部の展示がアレンジされます。
冬の企画展「燈りにきらめく冬金魚」(2022/11/29~12/26)では、オーナメントやイルミネーションのような装飾が施され、大きなクリスマスツリーも展示されました。
「金魚新年」(2022/12/27~2023/1/9)では、松の木や門松など、縁起の良いお正月飾りが館内を彩りました。
縁起ものとしても知られる金魚と合わせてお正月の雰囲気を演出する展示となりました。
内覧会レポ 販促企画会社社員の目線で感じたポイント
アートアクアリウム美術館 GINZAの展示を見学させていただきました。
今回訪問した際には、冬の企画展を開催している期間で、クリスマスをイメージした装飾を見ることができました。
内覧会の様子と、販促企画などに活かせそうなポイントをレポートしていきます。
ポイント①:伝統工芸の活用
たくさんの種類の金魚が展示されているアートアクアリウム美術館ですが、水槽や装飾に日本の歴史ある工芸品をとりいれた「美術館」の側面も楽しみたいポイント。「お面」や「燈籠(とうろう)」などを使った空間演出、「江戸切子」の金魚鉢や「着物の帯」を使った水槽など、歴史的な工芸品の技術を取り入れた演出はインバウンドのお客様にも喜ばれるポイント。金魚の絵を中心に蒐集した「浮世絵」も展示されていました。
筆者が気になったのは、江戸切子の金魚鉢。
江戸切子とは、ガラスの表面を削り模様を施すガラス細工のことで、その技術は江戸時代後期頃からはじまったとされています。
金魚鉢サイズともなると荘厳な雰囲が漂います。
展示されている鉢の中で最も高価なものは、数百万円にもなる代物もあるとのこと。
江戸切子は、ゲームやアニメのキャラクターとコラボしグッズ化に至った事例もあります。
高単価アイテム、プレミアムグッズなどに活用できる伝統工芸技術です。
ポイント②:それぞれの展示でさまざまな体験ができる
それぞれの展示で来場者に楽しんでもらうために、さまざまな工夫・注目ポイントがみられました。
例えば、入り口付近にある「金魚の回廊」は、両サイドに柱状の金魚の水槽と、壁が鏡面になった通路を通る、“空間”を楽しめる展示。
幻想的な世界の入り口としての役割を果たしています。
「金魚蒐集コレクション」
「金魚の滝」
「金魚蒐集コレクション」では、珍しい種類の金魚が展示されており、“水族館らしい”一面を楽しむことができます。
「金魚の滝」は、重層的に連なった水槽の表面に水が流れ、金魚が滝の中を泳いでいるように見えます。
滝の裏側に回ると、両サイドに金魚の水槽を間近に見ることができ、まるで水の中にいる“体験”ができます。
その他、大きな展示作作品付近の床には、撮影スポットと記された場所が。
スポットライトが当たるようになっており、展示と一緒に写真撮影がしやすくなっています。
1つの施設で来場者にさまざまな体験をしてもらうことができる仕組みや、季節ごとに展示が装飾されるイベントなど、また来たくなる構造になっていると感じました。
販促企画においても、さまざまな角度から企画を展開することで、「この企業・この商品はいろいろと面白いキャンペーンをやっているな」と印象付けることで、ファンづくり:リピーター獲得の一手となりそうです。
ポイント③:コラボレーション企画の展示
アートアクアリウム美術館では、アーティスト×金魚のコラボレーション作品を観ることができます。
華道家・假屋崎省吾氏とのコラボでは、並べられた金魚鉢と大きな生け花が交わります。一見珍しい組み合わせですが、色鮮やかな金魚と花が重なることで、華やかさがより一層引きたっています。
また、イラストレーターとのコラボでは、企業の広告や雑誌、CDジャケットのイラストなど、さまざまな場面で活躍する話題の人気イラストレーターが描く、金魚にまつわる作品を展示。
さまざまな画風・世界観・テーマを持ったイラストを見ることができます。
金魚×花やイラストレーター×美術館、といった「異色」のコラボレーションがうまくかみ合った事例といえます。
企業・ブランドのコラボレーション企画においても、一見斬新な組み合わせが引き起こす化学反応が新たな層にリーチできたり、ユーザーに新鮮な印象を与えたりするきっかけになるかもしれません。
展示の見どころ 美術館スタッフに突撃
館内のコンセプトや見どころについて、アートアクアリウム美術館スタッフの方にお話をうかがいました。
―「美術館」「水族館」とは一味違うポイントは?
金魚を含めた展示作品や空間演出を鑑賞する美術館としての側面と、さまざまな楽しみ方ができるエンタメ施設としての側面を持ち合わせていますので、そこが既存の水族館、美術館との違いではないかと思います。
―企画の[こだわり・ここをみてほしい]ポイント?
当館は金魚を主役にしたアートを楽しむ「生命の宿る美術館」をコンセプトにしています。
金魚の美しさを活かした水槽作品、照明・香り・音響で作り出す幻想的な空間演出に浸っていただけたら嬉しいです。春夏秋冬で館内の景色が変わるのも見どころです。
また、金魚自体にもぜひ注目していただきたいです。館内には、天然記念物や珍しい品種を含めた約70種類の金魚が泳いでいます。見たことのない金魚をたくさん鑑賞できるので、幅広い世代の方に楽しんでいただけると思います。
金魚も展示作品も自由に撮影してSNSなどにアップしていただけます。アマチュアからプロまで多くのフォトグラファーの方のチャレンジスポットとしても人気ですので、ぜひフォトジェニックな撮影に挑戦してみていただければ!
着物の帯が台に使用されている水槽
フォトスポットとして人気の「オリガミリウム」
―プロモーション効果を期待する企画のポイントは?
美術館内では現在、華道家の仮屋崎省吾氏とのコラボアート作品「フラワーリウム」を常設展示しています。また、人気のイラストレーターたちの描く金魚をテーマにしたイラスト作品の展示とN F Tアートの販売、ここでしか手に入らないアーティストグッズも取り扱っております。
さまざまなアーティストとのコラボ企画は、美術館ファン、アーティストのファン、それぞれから新たな当館のファンが生まれる効果があると考えております。ト
―人気のグッズ・今後展開したいグッズは?
館内ミュージアムショップでは、限定グッズや限定コラボ商品を多数取り扱っています。
特に、とらや、資生堂パーラーなど老舗のお菓子ブランドとのコラボ商品はお土産として非常に人気です。
グッズ商品では、若い世代やファミリー層には金魚のぬいぐるみが人気です。HARIOのガラス細工の金魚アクセサリーは、プレゼントとしても人気があります。
今後は、より幅広い世代で愛してもらえる金魚グッズ、インバウンドのお客様がお土産にしやすい商品なども増やしていけたらと思っております。
まとめ
今回は「アートアクアリウム美術館 GINZA」冬の企画展の内覧会にお邪魔しました。
百貨店の中に入っているこの施設、一歩足を踏み入れるとたちまち幻想的な空間に。
取材のことを忘れ来場客として楽しんでしまいそうでしたが、販促企画につながるポイントを学ぶことができました。
コラボ企画や、さまざまなアプローチでユーザーを楽しませる方法、展示のコンセプトなど、キャンペーンやライブ・イベントグッズ、ノベルティにも活かすことができるアイデアがちりばめられていました。
市場調査などを行う際は近しい業界に目を向けがちですが、「喜んでもらう」という点において、アミューズメント施設はこれ以上ないお手本になりました。
取材のご協力ありがとうございました。
- 施設
- アートアクアリウム美術館GINZA
- 主催
- 株式会社AQUA ART RELATIONS
- 企画・製作
- 株式会社Amuseum Parks
- 運営
- 株式会社Amuseum Parks
- 協力
- 株式会社三越伊勢丹銀座三越
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セウヘイ
株式会社トランス社員。金魚すくいのセンスは圧倒的ゼロ。