新型コロナウイルスの影響で、人が集まるイベントが次々と延期や中止になり、大きな打撃を受けたエンターテイメント業界。多くのアーティストはライブやイベントに出演できず、思うように活動ができなくなっています。
観客が集まることができない中で、どうエンターテイメントを届ければよいのか。
そこで、新たなエンターテイメントの形として定着し始めたのが「オンラインライブ」です。外出自粛を要請されるようになった頃から、多くのアーティストが採用し始めました。
オンラインライブとは、無観客、または観客動員数に制限を設けたライブの様子を、動画ストリーミングサービスを通じて生配信するもの。参加者は、スマホやタブレット、PCから視聴することが可能です。
オンラインライブが定着し始めた今、チケットの展開方法やライブグッズのラインナップに、さまざまな工夫もみられるようになってきました。
本コラムでは、そんなオンラインライブにおける、イベント主催者の「工夫」を見ていきたいと思います。
「オンラインライブ」のバリエーション
一口に「オンラインライブ」と言っても、その手法にはさまざまなバリエーションがあります。
もっともスタンダートなのは無観客ライブの生配信です。
オンラインでチケットを購入し、生配信の視聴だけでなく、期間中であれば何度でも同じ映像を視聴できるというタイプです。
ここでは、無観客ライブの生配信とセットで配信されているコンテンツを紹介します。
- 過去のライブ映像
- 過去に行ったライブの録画映像を配信します。見に行くことができなかった過去のライブや、途中で中止になってしまったツアーの映像をいち早く視聴できます。
- トークセッション
- メンバー同士のトークやインタビューなど、他では見られない特別映像です。ライブの前後に生配信して、パフォーマンスの見どころや裏話などを語るアーティストも見られました。
- メイキング映像
- 無観客ライブに向けてのリハーサルなどが見られる映像です。アーティストの、パフォーマンスの時とは違った表情が視聴できます。
- 特別映像
- 別で撮影された特別企画の映像です。バラエティー番組のようなコンテンツなど、ライブとは違った角度のエンターテイメントを楽しむことができます。
無料公開では見ることのできない特典映像がついていることによって、さらにお得感やプレミアム感を感じることができますね。
続いて、チケットの展開における工夫も見ていきます。
人気アーティストなどがドームツアーなどを行う場合、そのチケットの価格は約8,000~10,000円程度ですが、オンラインライブのチケット価格の相場は約2,000~4,000円程度。
チケットの価格が安くなったことで、これまで参加していなかった方が参加するきっかけになるかもしれませんが、一方で単純な売上減になる可能性もあります。
では、イベント主催者はチケットの展開においてどのような工夫を凝らしているのでしょうか。
- スタンダードなチケット展開の例:グッズ付きチケット
- ライブ配信のチケットだけでなく、Tシャツなどのグッズをセットにすることで、チケットの単価を上げるという方法です。
ライブグッズの王道アイテムであれば、もらって損はない!と思えるセットになりますよね。 - 一風変わったチケット展開の例:サポートチケット
- 「チケット代金+サポート¥1,000」というように金額を上乗せすることで、アーティスト活動を支援することができるチケットです。
コロナ禍で思うように活動ができないアーティストを支えたい!そう思っているファンも多いはず。そんなファンの気持ちも汲みつつ、ダイレクトにアーティストの支援につながるWin-Winの手法です。
どこかクラウドファンディングの応援購入にも似た、時代を象徴するようなチケットですよね。
そしてオンラインライブは、チケットだけでなくライブグッズの展開や、購入するファンの心理にも変化を起こしています。
ライブグッズを取り巻く環境の変化
ライブを開催するにあたり、大きな収益源となるのがグッズの売り上げです。開催規模にも左右されますが、従来のライブの収益の半分以上がグッズの売り上げとなるアーティストもいるとされ、ファンにとってもアーティストにとっても、グッズがいかに重要かを物語っています。
今年はオンラインライブ主体ということで、ライブグッズを取り巻く環境にも変化が見られつつあります。
まずは販売体制。
オンラインライブは無観客で行うことが多いため、ほぼすべてがECサイト限定販売となりました。
では、会場でグッズを購入していた時のファンの心理と、ECサイトでグッズを購入するファンの心理とでは、どのような変化が起こっているのでしょうか。
オンラインライブでもファンがグッズを購入する理由として、
- マスクケースやエコバッグなど、タイムリーに欲しいもの、実用的なものがラインナップされているから
- オンラインライブを視聴しながら使いたいものがラインナップされているから
- チケット代や遠征費・宿泊費をいつもより抑えられる分、グッズ代に余裕が出るから
などが考えられます。
また、会場に行ったテンションで購入ができない代わりに、“視聴しているテンション“で購入できるよう、視聴画面の端にECサイトのリンクを入れておく、という販売方法を導入している事例もありました。
チケット代に加え物販でも収益を得るには、今まで以上に購入に至るための動機づけが必要のようです。
オンラインライブの浸透で変化しつつあるライブグッズ
従来のライブの場合、会場での演出に必要なペンライトや、会場との一体感を高めるためのTシャツ、タオルがマストアイテムでした。オンラインライブでは、そういった定番ライブグッズの他に、新たな視点のグッズがラインナップされる事例が増えてきています。
【コロナ禍を意識したライブグッズの新たなラインナップ】
ジョッキ・グラス・タンブラー
ジョッキ・グラス・タンブラー類を発売しているアーティストは多く、お家でゆっくりドリンクを飲みながらライブを楽しんで!といった商品紹介コメントや、“STAYHOME”の文字を入れ、コロナ禍での意識を感じさせるものもありました。
スマホスタンド
スマホをスタンドに置いてオンラインライブを視聴するためのアイテム。スピーカーなどの機器の展開も見られました。
参考:https://store.wmg.jp/shop/chelmico/detail.php?goods_id=1434
マスク・マスクケース
時流にあった実用的なグッズ。コロナ禍で必需品となったマスクとマスクケースのセット販売が目立ちました。
参考:https://store.plusmember.jp/kobukuro/products/detail.php?product_id=27179
エコバッグ
こちらもオンラインライブとは直接関係はないが、時流に合わせたラインナップ。レジ袋有料化に伴い、定番のトートバッグではなく、折りたたみできるバッグが多く見られました。
参考:https://store.plusmember.jp/tyms/products/detail.php?product_id=27391
チャリティーグッズ
売り上げの一部を医療機関や研究開発機関に募金できるチャリティーグッズ。音楽活動が自由にできない中、医療機関への支援を行うという男前なアーティストも!
参考:https://www.asmart.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&cat=100101&swrd=&pid=10025451&vid=
このように、オンラインライブならではのグッズや時流に合ったグッズをラインナップに加えて、イベント参加者の満足感と、イベントの収益UPを目指しませんか。
トランスでは、オンラインライブに合わせたオリジナルグッズを、企画・提案から製作・納品までサポートします。
さて、いかがでしたでしょうか。
今回は、新しいライブの形「オンラインライブ」を取り巻く現状についてお伝えしました。
従来通りのライブが開催できるようになるのは待ち遠しいですが、今の状況を楽しく乗り切るためにも、オンラインライブならではの楽しみ方を満喫したいですね。
- オリジナルグッズを作りたい!
- トレンドアイテムを提案してほしい!
- イベントグッズの販売方法も相談したい!
など、ぜひお気軽に各営業担当ご連絡ください!
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セウヘイ
株式会社トランス社員。イベントが軒並み中止になっていった2020年、私が好きなアーティストのライブも中止になりました。私は家でお酒をのむことがよくあるので、グラスやタンブラー、気になっています。この機会にあまり知らないアーティストのオンラインライブもチェックしてみるのも面白いかもしれません。とはいえ、やはり会場に集まって、好きなアーティストのライブに行って騒ぎたいですよね。1日でも早くイベントが開催できるようになる日が来ることを願っています。
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