推し活市場が拡大を続ける中、ゲームグッズも「単なるIP商品」から「ファンの熱量を受け止める存在」へと変化してきています。
しかし、「最近のトレンドを知りたい」という人も非常に多く、またトレンドを知ってもそれが自社IPの企画にはなかなか結びつけられない、という人も少なくありません。
そこでこの記事では、推し活視点からゲームグッズ企画に活かせるトレンドや、それぞれについて「何が起きているのか」「背景にあるファンニーズ」「ゲームグッズ企画へどう活かせるか」まで解説します。
なぜ今、ゲームグッズ企画に「推し活視点」が必要なのか
推し活視点を取り入れることで、よりファンに手に取ってもらいやすいグッズ企画・製作に繋がっていきます。
推し活は広がりを見せるとともにその楽しみ方も多様化しており、応援する対象はアイドルや俳優だけでなく、ゲーム・アニメのキャラクター、配信者など幅広く、行動の面でも、ライブやイベントへの参加にとどまらず、二次創作、応援広告、推しのグッズを持っての旅行など、多岐にわたるようになりました。
ここで起きているのは、消費行動そのものの変化です。かつての「推しのグッズをモノとして手に入れる」から、「推しと過ごす時間や体験を楽しむ」方向へ、グッズの位置づけが移っています。
例えばぬいぐるみを連れてカフェに行く、アクリルスタンドを旅先で撮影する、といった行動は、グッズが目的ではなく「推しと過ごすための道具」になっていることを示しています。
この変化を踏まえると、商品を企画・開発するうえで重要になるのは、「どんなシーンで、どんな気持ちで使うのか」という問いです。ここを想像せずにキャラクターのビジュアルを載せただけのアイテムは、ファンにとって「持っていてもやることがないグッズ」になりやすくなります。
ゲームグッズ企画において「推し活視点」を持っておく意味は、ここにあります。推し活視点があると、企画会議で「かわいい/かっこいい」以外の判断軸を持てるようになります。
- このアイテムは、ファンのどんな行動を助けるのか
- 買ったあと、ファンはこれで何をするのか
- その行動は、自社IPのファンにも当てはまるのか
こうした問いに答えられる企画は、社内の合意形成も進めやすく、結果としてファンに手に取ってもらいやすいグッズにつながります。トレンドを知ることは、流行を追いかけるためではなく、この判断軸を持つための前提知識だと捉えてください。
ゲームグッズ市場の最新トレンドとファンニーズ
ここからは、いま押さえておきたい推し活トレンドを5つの切り口で見ていきます。
- 「ぬい活」に見るコレクション性・愛着設計
- 「カフェ活」に見るSNS映え・体験型消費
- 海外ファンの購買力とグローバル展開
- VTuberコラボ・デジタル連動グッズの広がり
- 素材・加工技術トレンド
それぞれ「何が起きているのか」→「背景にあるファンニーズ」→「ゲームグッズ企画への応用」の順で整理します。
「ぬい活」に見るコレクション性・愛着設計
何が起きているのか
ぬいぐるみの楽しみ方が、「家に飾る」から「一緒に過ごす」へと広がっています。推しをかたどったぬいぐるみを持ち歩き、出かけた先で写真を撮り、服を着せ替え、SNSに投稿する。こうした一連の行動が「ぬい活」と呼ばれ、推し活の中でも定着した楽しみ方のひとつになりました。
注目したいのは、ぬい本体だけでなく、その楽しみ方を広げる周辺アイテムが増えていることです。ぬいを持ち運ぶためのポーチ、ぬい用の服や被り物、撮影時にぬいを支えるスタンドなど、「ぬいと何かをする」ための道具が商品として成立しています。

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背景にあるファンニーズ
ぬい活の根底にあるのは、ぬいぐるみを単なるモノではなく小さな存在として扱いたいという感覚だと捉えています。そこから、次のようなニーズが枝分かれしています。
- 一緒に体験したい:いろいろな場所へ連れていきたい、日常を共有したい
- 記録に残したい:思い出として写真を残したい、他の人にも見せたい
- 手をかけてあげたい:着せ替えたり飾ったりして、自分なりの個性を持たせたい
「かわいいから買う」だけではなく、「買ったあとにしてあげたいことがある」。これがぬい活の核にあるニーズです。
ゲームグッズ企画への応用
ゲームIPでぬいぐるみを展開する際は、「ぬいを作る」で企画を終えず、購入後にファンがそのぬいとどう過ごすかまで設計する視点が有効です。
特にゲームは、キャラクターごとに衣装や装備が設定されていることが多く、ぬい活と相性の良い要素を最初から持っています。
たとえばゲーム内の衣装をぬい用の着せ替え衣装として展開する、季節イベントやアップデートに合わせた衣装を追加していく、といった形にすれば、ぬい本体を持っているファンに継続的な楽しみ方を提供できます。持ち運びや撮影を助ける周辺アイテムを同時に企画することも、有効な方向性です。
キャラクター数の多いゲームIPであれば、キャラごとの展開がそのままコレクション性につながる点も見逃せません。
「カフェ活」に見るSNS映え・体験型消費
何が起きているのか
推しのグッズをカフェに持ち込み、ドリンクやスイーツと一緒に撮影して、SNSに投稿する。こうした楽しみ方は「カフェ活」と呼ばれ、推し活の一環として広く行われています。
ここで使われるのは、ぬいぐるみやアクリルスタンド、アクリルキーホルダー、トレカやチェキといった、持ち歩けるサイズのグッズです。
撮影して投稿するところまでがセットになっているため、グッズには「飾ったときにきれいに見えるか」だけでなく、「持ち出しやすいか」「テーブルの上で自立するか」「うまく撮れるか」といった実用面も求められます。

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背景にあるファンニーズ
カフェ活が示しているのは、イベントのときだけでなく、日常生活の中でも推しとの接点を持ちたいというニーズです。
ライブや発売日といった特別な日は年に数回でも、日常は毎日あります。その毎日の中に推しを連れ出せることが、ファンにとっての価値になっています。
さらにその先には、「推しをきれいに見せたい」「その時間を記録して共有したい」という気持ちがあります。撮影は自己表現でもあり、グッズはその素材になっているわけです。
ゲームグッズ企画への応用
企画段階で、「このアイテムは家の外に持ち出されるか」「撮影されることを想定しているか」を要件として置いてみてください。それだけで仕様の検討ポイントが変わります。
- サイズ感(バッグに入るか、テーブルに置けるか)
- 自立性や置き方(撮影時に安定するか)
- 持ち運びのしやすさ(傷や汚れへの配慮、収納のしやすさ)
- 見え方(背景に溶けないか、光の反射で見えづらくならないか)
ゲームIPの場合、作品の世界観をそのまま撮影の“背景”として持ち出せる点が強みになります。ゲーム内の建物やアイテム、UIのモチーフを小さなアイテムに落とし込めば、キャラクターと一緒に並べて世界観のある一枚を撮る、という楽しみ方が生まれます。
海外ファンの購買力とグローバル展開
何が起きているのか
日本のゲームIPは海外にも多くのファンを抱えており、グッズ展開を国内だけで考える必要はなくなっています。アクリルグッズ、ぬいぐるみ、フィギュア、トレーディングカードなど、世界共通で親しまれているアイテムも少なくありません。
一方で、各地域の状況を見ていくと、同じ推し活グッズでも、楽しみ方や好まれる見せ方に違いがあることが分かります。
たとえば日本では、比較的控えめで「分かる人には分かる」デザインが好まれる傾向があります。一方で北米では、キャラクターや推しを前面に打ち出した表現が見られますし、中国では、複数のグッズを組み合わせて自分なりの世界観を作り込むスタイルなども見られます。
背景にあるファンニーズ
ここで重要なのは、「どの国でどのアイテムが売れているか」ではありません。現地のファンが、何を好きなのかだけでなく、どのように作品や推しを楽しんでいるのかという点です。
たとえば「推しへの愛をどう表現するか」ひとつをとっても、周囲に大きく見せることが自然な文化もあれば、日常に溶け込ませることが好まれる文化もあります。
この違いは、デザインの主張の強さ、アイテムの形状、グッズを組み合わせる前提かどうかといった、企画の根本に関わってきます。
ゲームグッズ企画への応用
海外展開を考える際は、日本で人気の商品をそのまま持っていくのではなく、現地のファンの楽しみ方を起点に仕様を見直すというプロセスを挟んでください。
- キャラクターの見せ方(大きく主張するのか、控えめに忍ばせるのか)
- 単体で完結させるのか、他のグッズと組み合わせて楽しむ前提にするのか
- 現地の生活習慣に合ったサイズや形状になっているか
同じキャラクター、同じアイテム種別であっても、表現のトーンを地域ごとに変えるだけで受け取られ方は変わります。海外展開は「翻訳」ではなく「現地起点の企画」だと捉えると、進め方が整理しやすくなります。
VTuberコラボ・デジタル連動グッズの広がり
何が起きているのか
VTuberの中にはゲーム配信を主とする配信者も多く、ゲームIPとのコラボグッズが展開されることも珍しくありません。こうした領域で見られるのが、リアルグッズとデジタルコンテンツを同じ企画の中で展開する形です。
たとえばVTuber事務所の公式グッズ展開では、タペストリーやアクリルパネル、アクリルチャームといった現物のグッズと、記念ボイスなどの音声データを、ひとつのセット商品として販売する例があります。ARやアプリと連動させ、グッズをきっかけにデジタルコンテンツへつなげる企画も出てきています。
背景にあるファンニーズ
配信やゲームを通じて日常的にデジタル上で推しに触れているファンにとっては、リアルグッズとデジタル体験の双方が、推しとの接点になっています。
どちらかが本物でどちらかが付属品、という関係ではありません。
ゲームグッズ企画への応用
ゲームも、そもそもの体験がデジタル上に存在するコンテンツです。だからこそ、次の2方向で考えられます。
- リアルグッズによって、ゲームの外にも作品との接点を作る:プレイしていない時間にも、作品を思い出すきっかけを日常に置く
- リアルとデジタルの双方から作品体験を広げる:グッズからゲーム内やデジタルコンテンツへ戻る導線を設ける
ゲームIPはこの領域と相性が良く、リリース記念やアップデート、イベントといったタイミングと組み合わせやすいのも利点です。
ただし、デジタル連動はあくまで手段のひとつです。まずは「そのグッズ単体で、ファンが楽しめる状態になっているか」を確認したうえで検討してください。
素材・加工技術トレンド(レジン風加工、箔押しなど)
何が起きているのか
アクリルグッズや缶バッジ、キーホルダーは、推し活グッズの定番です。定番であるがゆえに「差別化しにくい」と感じられがちですが、実際には加工方法・形状・見せ方・使い方を工夫することで、定番アイテムにも新しい魅力を加えられます。
たとえばアクリルであれば、レジン風の加工、箔押し、厚みを活かした立体的な表現、カットの工夫による奥行きの演出など、選択肢は複数あります。また、お菓子や玩具のパッケージをモチーフにしたデザインのように、アイテムそのものではなく「見せ方の枠組み」を変えるアプローチも広がっています。
こうしたデザインは、「小さい」「本物みたい」を楽しむミニチュア人気の延長線上にあるものです。
背景にあるファンニーズ
定番アイテムを既にいくつも持っているファンほど、「見たことがない」「これは違う」と感じられる要素に反応します。加工や形状の工夫は、その反応を引き出す手段です。
同時に、パッケージ風デザインのようにキャラクター単体ではなく作品の世界観ごと手元に置きたいという気持ちや、自分の手で仕上げる・組み合わせる体験を楽しみたいという気持ちも見えてきます。
完成品を渡して終わりではなく、ファンが参加できる余白をどう設計するかが、企画の分かれ目になります。
ゲームグッズ企画への応用
トランスのプロジェクトである推し研「推しビジネス研究所(仮)」が開発したアイテムを例に挙げると、「ジュエルカットアクリルチャーム」は、アクリルの厚みやカットによる奥行きの表現に着目したものです。一方「Pairsta(ペアスタ)」は、加工そのものよりも撮影体験や見せ方に着目しています。
つまり、同じ「アクリル」という素材でも、どこを工夫するかで生まれる価値は変わります。
ゲームIPの場合、加工表現と結びつけやすい要素が作品側に多くあります。武器やアイテムの質感、魔法やスキルのエフェクト、ゲーム内UIのフレームやアイコンなどは、加工や形状で再現しやすいモチーフです。
「どのキャラクターを載せるか」だけでなく、「作品のどの要素を、どの加工で表現するか」まで踏み込むと、定番アイテムでも自社IPらしさを出しやすくなります。
トレンドを取り入れる際に、企画担当者が気をつけたいこと
ここまで見てきたトレンドは、そのまま当てはめれば成功する、という性質のものではありません。取り入れる際に押さえておきたい点を整理します。
- 作品の世界観との整合性を優先する
- 多品種展開時に管理負荷を見込んでおく
- 品質・納期は条件によって変わる前提で進める
作品の世界観との整合性を優先する
ゲームというコンテンツには、グッズ企画に影響する固有の要素があります。世界観、キャラクター、プレイ体験、ゲーム内のUIやアイテム、登場キャラクターの数、ジャンル、そしてファン層。これらはタイトルごとに異なり、ファンがグッズに求める価値も変わってきます。
たとえば、キャラクターへの愛着が中心にあるタイトルと、プレイ体験や競技性が中心にあるタイトルとでは、同じアイテムを出しても受け取られ方は違います。世界観の緊張感が魅力になっている作品に、カジュアルなトレンドアイテムをそのまま当てはめると、ファンが感じている作品の魅力とずれてしまうこともあります。
そのため、トレンドを検討する際は「流行っているから取り入れる」ではなく、そのゲームの世界観・プレイ体験・ファンの楽しみ方に合っているかを先に確認してください。この記事で紹介したトレンドも、すべてのタイトルに当てはまるものではありません。
多品種展開時の管理負荷を見込んでおく
ゲームIPはキャラクター数が多くなりやすく、そこにトレンドアイテムを掛け合わせると、アイテム数が一気に増えます。キャラクター別・衣装別・バリエーション別と展開していくと、企画としては魅力的でも、進行管理やデザイン確認、監修対応の工数がふくらみます。
企画段階で、どこまで展開するのかと、それを誰がどう回すのかをあわせて考えておくと、後工程での負担を抑えられます。
品質・納期は条件によって変わる前提で進める
グッズの仕上がりや納期は、ブランドの評価に直結します。ただし、必要な期間や実現できる仕様は、アイテムの種類、仕様、数量、製造条件などによって変わります。一般論として「この加工なら何週間」と決めきれるものではありません。
そのため、やりたい表現が固まってきた段階で、実現可能性とスケジュールを早めに確認しておくことをおすすめします。社内だけで抱え込まず、製造まで見通せるパートナーと早い段階から相談することも、選択肢のひとつです。
トレンドを"売れるグッズ"に変える、トランスの企画・製作力
株式会社トランスでは、推し活トレンドやファンインサイトの研究を行う「推しビジネス研究所(仮)」の知見をもとに、ゲームIPグッズの企画・製作をワンストップで行っています。
- ファン理解にもとづく企画力
- 多品種展開への対応
- 品質とスケジュールの管理体制
- 企画からデザイン、監修対応、試作、量産まで
ファン理解にもとづく企画力
ゲームIPグッズは、キャラクターや世界観をどう魅力的に見せるかがポイントになります。トランスでは、ファンを理解するとともに、知識や経験にもとづく企画力でその魅力を捉え、「つい欲しくなるグッズ」へと仕上げます。
SNS映えを意識したデザイン提案、コレクション性やランダム性を活かした商品構成、キャラクターの魅力を最大化する表現方法の提案など、企画の入口からご相談いただけます。
多品種展開への対応
キャラクター数が多く、アイテム数が増えがちなゲームIPグッズでは、「どう回すか」が担当者の一番の悩みになりがちです。
トランスでは企画から製作までをまとめて対応し、SKUが増えても担当者の負担が増えない体制を整えています。窓口を一本化することで、やり取りをシンプルに保ちながら、多品種展開でも品質がバラけないよう進行します。
品質とスケジュールの管理体制
品質管理を行う専門部署を設置し、複数の工程で品質チェックを行っています。
アイテムごとにブレない品質基準を持ち、複数案件が同時に動く場合でも進行管理を行う体制です。
企画からデザイン、監修対応、試作、量産まで
デザイン案が固まっていない段階、方向性を検討している段階からのご相談も可能です。作品の特徴やターゲットを踏まえながら、商品コンセプトやデザインの方向性からご提案します。
各工程に専門チームを配置しているため、進行管理から品質まで一貫して対応いたします。
トレンドを"売れるグッズ"に変える、トランスの企画・製作力
ゲームグッズ企画において、推し活トレンドを知ることには意味があります。ただしそれは、流行しているアイテムをそのまま作るためではありません。
- 推し活トレンドを知る
- その背景にあるファンニーズを理解する
- 自社ゲームの世界観やファン特性に合わせる
- 「欲しい」と思ってもらえるゲームグッズへ落とし込む
この流れをたどれるかどうかが、トレンドを企画に活かせるかどうかの分かれ目です。ぬい活からは「買ったあとの過ごし方まで設計する」視点が、カフェ活からは「日常の中に推しとの接点を作る」視点が、海外展開からは「現地の楽しみ方を起点にする」視点が得られます。加工や見せ方の工夫は、定番アイテムにも新しい価値を加えます。
そして、それらをどう自社IPに当てはめるかを決めるのは、作品の世界観とファンの楽しみ方です。トレンドを「知る」だけでなく「読み解いて活かす」ことが、これからのゲームグッズ企画における差別化のポイントになります。
株式会社トランスでは、推し活トレンドやファンインサイトに関する知見を活かし、ゲームグッズの企画・製作を支援しています。トレンドをどう自社IPに落とし込むか迷われている段階でも構いません。ゲームグッズの企画・製作でお困りの際は、お気軽にご相談ください。





