YouTubeやTwitterを中心に、SNSプロモーションの進化系として今注目を集めているのが「YouTubeアニメ」。

近年、漫画のコマをインタラクティブに動かし、アフレコやナレーションを加えてアニメと漫画の中間のようなマンガ動画が「YouTubeアニメ」として再生数を増加させています。

大手出版社も参入を表明し、注目されはじめている「YouTubeアニメ」。
「YouTubeアニメ」とは、どんなもので、現在どんなコンテンツがあるのか?
その傾向やこれからの展望を考察しながら、解説していきます。

アニメと漫画の中間「YouTubeアニメ」

YouTubeの広告では、WEB漫画のCMや、WEB漫画を使って商材を紹介するCMを見かけます。
これらのプロモーションCMは、インタラクティブに漫画のコマが動いたり、人物キャラクターに声がついていたりと、アニメのような映像が使われているのが特徴です。
これらのアニメと漫画の中間にあたる表現手法を、プロモーションCMだけではなく作品本編として配信されているのが「YouTubeアニメ」です。

漫画よりもアニメに近く、しかしアニメと違って漫画のコマの絵がそのまま動いているような表現が目立ちます。
この手法で配信されてきた作品の中には、YouTubeの視聴回数もチャンネル登録者数も数十万に伸びている人気コンテンツが増えつつあります。

注目の「YouTubeアニメ」5選

YouTubeアニメには、実際にはどんな作品があるのか?
ここでは今YouTubeで再生回数の多い人気のYouTubeアニメから、特にマーケティング方法に特徴のあったものをご紹介していきます

ヤクザと目つきの悪い女刑事の話(SORAJIMA)

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https://www.youtube.com/channel/UCRS6ZXyvJirID_ovtaYFV-A

YouTube、Twitter、WEB連載、多角的なプロモーションで注目を浴びる漫画コンテンツ

ヤクザと目つきの悪い女刑事がいろいろドタバタする、ギャグストーリー。略称は「ヤク目」。
原作漫画は集英社のWEBサイト「ジャンプルーキー!」で2019年から連載中。晴十ナツメグによる原作漫画をSORAJIMA Studioによる企画・製作でYouTubeアニメとして作品専門のチャンネルで配信している。原作漫画の一部をTwitterで投稿し2万いいねを超える反響を獲得。WEB上での連載、YouTubeアニメでの配信、コミックスの発売、と新しいメディアミックスの形で人気作品となった。

ホシを捕らえろ(SORAJIMA)

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https://www.youtube.com/channel/UC9iylk5-i38umITk_ZhB-_Q

YouTubeチャンネルのみで制作・配信されているYouTubeアニメ

真面目すぎる天然警察官「ニイジマ・トオル」と警察も手をやく天才発明家の怪盗「フィクスト・スター」によるウエマツ七司原作のラブコメディ。「ヤク目」と同じくSORAJIMA Studioが手掛けるチャンネル配信コンテンツ。2021年から配信を開始したこの作品は、現在YouTubeアニメのみで展開している。原作漫画なども今のところ発表されておらず、完全にオリジナルYouTubeアニメコンテンツともいえる。

混血のカレコレ(Plott)

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https://www.youtube.com/channel/UC9UAxVR4Tym2PIICVfLTZUw

「カレコレ屋」名義でYouTubeアニメ作品を配信するYoutuberのチャンネル

ユーチューバーとして個別でも活動しているカゲチヨ・ヒサメ・シディの3人でオリジナルYouTubeアニメを配信しているチャンネル。
女性向けコンテンツに見られるファンタジーテイストなセル画調のイラストとアニメ動画が特徴。
コンテンツの最新情報も発表しているヒサメのTwitterはフォロワー3万人、「混血のカレコレ」ショート動画を投稿しているTikTokは15万フォロワーを獲得しており、10~20代前半女性に高い人気があることが伺える。

テイコウペンギン(Plott)

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https://www.youtube.com/channel/UCUTgXNqRBqR33D5q10DfQXw

書籍化もされた、かわいいマスコットの社畜系YouTubeアニメ

ブラック企業で働くペンギンとパンダによるYouTubeアニメ。社会問題などかなり突っ込んだ話題を、かわいいキャラクターとコミカルなタッチで描く内容が人気で、チャンネル登録者数も7月時点で95万人を超えている。
すでに書籍化もされ、LINEスタンプも発売されている。Twitterもフォロワー数が7万人を超え、こちらではキャラクターのファンアートに対して、ハッシュタグを活用した二次創作も推奨しており、Twitterユーザーに対しての展開にも積極的。YouTubeとTwitterのみを発信源とした、新しいキャラクターコンテンツの展開手法ともいえる。

ペケペケ!ペケッツくん(KADOKAWA)

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https://www.youtube.com/c/ChXanime/

ゲーム実況チャンネルと並行して配信する小中学生向けYouTubeアニメ

株式会社KADOKAWAが制作・運営している小中学生男子をターゲットにしたYouTubeアニメチャンネル。
ペケペケ星のファーストチルドレン・ペケッツと、ごくふつうの中学生・二階堂ルイ、そしてとにかくモテたい豪恩寺ハヤトの日常を描くゆるいコメディアニメ。動画の再生回数も月間400万を超えコメント欄には視聴者の小中学生からの「学校あるある」に対する共感コメントも多く見られているのが特徴的。
並行して配信されているゲーム実況チャンネル「チャンネルクロス」では「マインクラフト」や「フォートナイト」など、同じく小中学生男子に人気のゲームを扱った実況配信を行っている。

動画の視聴回数、チャンネル登録者数の多いYouTubeアニメには、それぞれターゲット層に合わせて運営しているユーチューバーの個別チャンネル、Twitter、TikTokなどを並行して運営することで、YouTubeアニメと相互で展開しているものが多いことがわかります。

「YouTubeアニメ」の展望

集英社、KADOKAWA、小学館などの大手出版社も参入しはじめていることからも、今までの紙媒体のマンガ雑誌やテレビアニメとは全く違ったアプローチ方法として「YouTubeアニメ」が注目されていることがわかります。

ここで注目したいのが、YouTubeアニメを制作・運営している企業の存在です。
「ヤクザと目つきの悪い女刑事」はSORAJIMA studioが原作漫画をYouTubeアニメ用に仕立て直して配信しています。その一方で「ホシを捕らえろ!」のように原作のみの漫画になっていない作品をオリジナル動画として制作しYouTubeアニメとして公開する施策も進めています。この制作会社ではこの他にも何本ものコンテンツ制作を手掛けています。
同じく、plottもまた、YouTubeアニメ制作会社として「混血のカレコレ」「テイコウペンギン」をはじめ、現在6つのコンテンツをそれぞれYouTubeチャンネルで制作・運営しています。これらのYouTubeアニメには、原作者としてユーチューバーやクリエイターたちが存在し、そのコンテンツをYouTubeアニメのチャンネルとして制作会社が配信しています。

こうした事例からも、大手出版社やIPを持つ企業、制作会社が新たなプラットフォームとしてYouTubeアニメを活用する動きは今後より活発になっていくのではないかと考えられます。

YouTubeアニメの特徴

  • オリジナル作品を誰でも自由に公開できる
  • 拡散力のあるTwitterやTikTokを使ったプロモーション展開がしやすい
  • テレビアニメより工数が少なく済む
  • テレビアニメでは時間のかかるコラボ企画が比較的容易
  • テレビをあまり見ない層の視聴も獲得できる

YouTubeアニメ最大の特徴は、配信されている動画はすべて無料で、いつでも誰でも視聴できることです。
無料で見られる点は、テレビアニメも同じですが、家庭でテレビを観る機会が減ってきている若い世代には、自分の好きな時間に好きなだけ観ることができるYouTubeのほうがより身近なメディアになっています。
スマホが全ての情報源でテレビもほとんど見ない、10代後半~20代を動画コンテンツの視聴者として獲得するにはYouTube上での展開が必要になります。

YouTubeで埋もれないコンテンツを目指すために

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これらの人気YouTubeアニメコンテンツは、チャンネル登録者数、視聴回数、コメント数から、すでに多くのファンが存在していることがわかります。
しかし、まだ「YouTubeアニメ」というカテゴライズが確立しきっているわけではないようです。
各動画のタイトルに【アニメ】という名前がついているものもあれば、ハッシュタグに「YouTube漫画」「ショートアニメ」「マンガ動画」など、さまざまな名称で投稿されているものが多く見られます。

視聴者側はあまりカテゴライズを気にして観ているわけではなく、たまたま気に入って観ていた動画チャンネルの作品が、あとから「YouTubeアニメ」とカテゴライズされていたことに気付く、という印象です。
(実はこの記事を書くにあたって「YouTubeアニメ」と検索をしても、人気のあるYouTubeアニメチャンネルが全て出てくるわけではなかったのが現状です。)

YouTubeというメディアは、だれでもコンテンツを発表できる場でもあります。
企業が施策として打ち出したコンテンツと、アマチュアのクリエイターが趣味で投稿したコンテンツが同時に上位表示される、視聴者が面白いと思えば、どこが発信源であっても受け入れられる、そんな群雄割拠が魅力でもあるメディアです。
また、コンテンツ自体が面白くても、視聴者数がそれなりに増えなければ膨大な数の動画投稿の中に埋もれてしまうのも現状です。
これからYouTubeアニメを展開するには、ターゲット層に合わせてTwitterやTikTokも駆使しながら、作品を観てもらうための効果的なSNSプロモーションも同時に行っていく必要があるでしょう。

これから注目したいキーワード「YouTubeアニメ」について解説してきました。
表現手法としては以前から存在していましたが、プロモーション手法としても、マーケティングの方法もまだまだフロンティアといえる、新しいカテゴリーの「YouTubeアニメ」。
今後の活用方法について、これからも注目していきたいと思います。

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