エンターテインメント×SDGs vol.2 SDGsを“楽しく学ぶ”
エンターテインメント×SDGs vol.2 SDGsを“楽しく学ぶ”

テレビや雑誌、ネットメディアなどでSDGsという言葉を頻繁に見かけるようになりました。
多くの企業が環境に配慮した取り組みなどをすすめ、消費者にSDGs達成への貢献を働きかけています。
取り扱い製品の素材をサステナブル素材へ切り替えるアパレル・コスメ業界だけでなく、エンタメ業界でも視聴者に向けてサステナブルな取り組みをしようと促しているのが分かります。
昨年4月に掲載したコラム『エンターテインメント×SDGs アーティストたちのサステナブルな活動』から幅を広げ、今回はアニメ、キャラクターコンテンツ、芸能・音楽業界で行われているSDGsへの取り組み事例を集め紹介します。
ここ1年では、エンターテインメント業界ならではの、SDGsを“楽しく学ぶ“という姿勢が見られました。

▼第1弾はこちら▼

エンターテインメント×SDGs アーティストたちのサステナブルな活動

詳しくはこちら >

SDGsに関する取り組み事例 アニメ・キャラクター編

まずは、キャラクターを起用してSDGsに関する取り組みを推進する企画の事例をご紹介します。

アニメ かいじゅうステップ ワンダバダ『かいじゅうステップSDGs大作戦』

ウルトラマンシリーズに登場する個性豊かな怪獣たちが“こどもかいじゅう”になったアニメ作品。
SDGsに関する内容に特化したショートムービーをYouTubeにて公開しました。
子供向けに簡単にわかりやすく話されている内容ですが、保護者と一緒に使用するYouTubeを通すことで、保護者の目にも留まり、子供が分からないことは保護者と一緒に調べて理解することもできます。
また、大人世代も知っているウルトラマンシリーズ初期に登場していたかいじゅうたちが登場しているので、子供だけでなく大人もターゲットにしたSDGs教材アニメの役割を果たしています。

公式サイト

秘密結社鷹の爪スピンオフアニメ『吉田勝子のヤバイわ!SDGs ~荒ぶる!トラブル!サステナブル!~』

20代~30代に高い認知度のあるアニメ・鷹の爪のスピンオフとして放送された作品。
ビジネスパーソンとして知っていて当然だけどいまさら聞けないSDGs。
特殊総務課の主人公・吉田勝子が社員のSDGsに対する誤解を解いていき、正しい理解、対策を講じていく物語です。
『SDGs推進委員会』の会議を開いている企業が舞台となっており、学校でSDGsを学んでいない大人も正しく理解できるようなコンテンツとなっています。

公式サイト

SDGs×『うらみちお兄さん』

人気声優陣が出演するアニメ『うらみちお兄さん』。
子供たちに笑顔をふりまく体操のお兄さんから漏れる大人の闇が人気の作品で、“大人になったよい子”が主な視聴者です。
外務省国際協力局地球規模課題総括課と協力しSDGsについて学ぶ動画を配信しました。
『うらみちお兄さん』の視聴者はじめ声優ファン、アニメファンなど、幅広くターゲットにし、SDGsへの意識を高めるきっかけを作っています。

YouTubeページ

SDGsに関する取り組み事例 芸能・音楽業界編

続いて、音楽業界からSDGsの取り組みを発信している事例をご紹介します。
発信力のあるアーティストたちが先導してSDGsについて考え行動することで、視聴者であるファンもその志に従い行動を起こしていく、という動きも見られました。

歌手・AI SDGsの発信をテーマにしたSNSメディア開設

歌手のAIさんはSNSでSDGsに関する情報・知識を発信するメディア「TAP|Take Action for Peace」を開設しました。
自信がSDGsについて難しく考えすぎてしまっていたことに気づき、同じように難しく考えすぎてSDGsを遠ざけてしまっている人に向けて、等身大でわかりやすい言葉で伝えることを意識しているようです。
忙しい人、いまさらSDGsについて聞けないと思っている人に寄り添い、自身もこれから知っていくというSDGsについて一緒に学んでいけるメディアとなっています。

よしもとSDGs LIVE 「SDGs-1グランプリ2021」

「SDGs-1グランプリ」は2021年の開催で5回目となりました。
SDGsの達成項目をネタのテーマにし、楽しくSDGsについて学ぶことができる企画となっています。
優勝したコンビ・祇園は、持ちネタの「炎上しない桃太郎」に、SDGs要素として「質の高い教育をみんなに」を盛り込み披露しました。
環境やジェンダーなどの問題にも触れて笑いに変えたことで、高い支持を集めました。

吉本興業は国連とタッグを組んでSDGsに対する取り組みを進めており、講演会やワークショップ、ショートムービー公開など、さまざまなコンテンツを展開しています。
笑いを観客に届けるという芸人の立場を活かし、SDGsの認知を促進する取り組みを発信しています。

特設ページ

“NEX STAGE”ローンチイベントで「音楽とSDGs」をテーマにトークセッション

「glo TM」と音楽メディア「Block.FM」が手を組み、”アーティストと共にネクストレベルを創造する新プロジェクト「NEX STAGE」“をローンチしました。
音楽とアーティストのチャレンジを応援すべく立ち上がった新たな音楽のソーシャルプラットフォームである「NEX STAGE」のローンチイベントの1コーナーで、「音楽とSDGs」
というテーマでトークセッションが開かれました。
AAMYYYさん、大沢伸一さん、ぷにぷに電機さんの3名が登壇し、音楽業界・アーティスト目線でSDGsについて意見を交わしました。
「誰もが楽器を学べる、音楽を楽しめるフェスをやってみたい」、「古い機材の修理ができるところを共有していく」、「CDなどは再生資源を使ったものがあるが、再生資源を使うにも環境負荷がかかるので、そこのバランスも考えていく」など、音楽業界ができるSDGsへの貢献の可能性を語りました。

JYPエンターテインメント 「#loveearthchallenge」

多数の韓国アイドルが所属する芸能事務所・JYPエンターテインメントは、事務所全体で環境配慮活動を推進しています。
#loveearthchallengeと題し、所属アーティストがInstagramに、使い捨てカップを減らすためタンブラーを使う事を推進する内容の投稿をしています。
また、ファンがハッシュタグ「#loveearth_jyp」、「#loveearthchallenge」を付けた投稿をすると、抽選でサイン入りグッズがあたるというキャンペーンも実施し、ファンも一緒に環境配慮活動への参加をするよう促進しています。

「K-POP 4 PLANET」

K-popファンによって環境保護や気候変動について発信するプラットフォーム「K-POP 4 PLANET」が立ち上げられました。
国連グローバルコンパクト韓国協会からの公式支援を受けるなど、ファンの行動に注目が高まっています。
環境問題に熱心に向き合うのはアイドルだけでなく、ファンたちもその志を見習い行動に移すというケースが見られています。

まとめ:SDGsを“楽しく学ぶ”

今回事例を集めてみてわかったことは、SDGsを”楽しく学ぶ“というテーマの企画が多くあるように感じました。
自分たちの生活に関わることなので、習慣化し当たり前にしていこうという姿勢が見られました。

世界規模の問題で、なかなか自分事化するのが難しいテーマですが、キャラクターやアーティストが視聴者に向け、一緒に行動に移そうと発信しています。

メディアに露出し発信できるという立場を活用できることが、エンターテインメント業界がSDGsに対する取り組みを進めるポイントとなっているようです。
SDGsのテーマを笑いに変えて身近でできることを伝える、ライブグッズに環境に配慮した素材を使用しファンと一体になってライブを作り上げる、音楽の分野でできるSDGs企画を考えるなど、”楽しく“SDGs達成に貢献する方法は今後注目されていくでしょう。

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