今はトレンドのファッションを安価で手に入れられる一方で、着古した服や売れ残った商品が大量に処分される状況への懸念の声も上がっています。
環境省によると、日本で一日当たりに焼却・埋め立てされる衣服の量は、平均1,300トン。大型トラックの130台分に相当するそうです。この量が、毎日焼却・埋め立て処分されています。
(参考:https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

そんな現状に対して環境省は、消費者と企業に向けて「サステナブルファッション」を提唱し、日々取り組めるアクションを提案しています。

企業の中にも、すでに服の大量廃棄問題への改善策を実施しているところがあります。
衣類回収の方法や、回収した衣類の活用方法など、さまざまな事例を紹介します。

衣類廃棄問題対策を通してサステナブルな取り組みを進め、消費者や業界から高い関心を得る企業やブランドの事例を是非参考にしてみてください。

服など繊維廃棄物をリサイクルした素材『アップサイクルボード®』

服など繊維廃棄物をリサイクルした素材『アップサイクルボード®』

衣料品の端切れや残反、廃棄衣料などをリサイクルしてできたフェルト素材『アップサイクルボード®』をつかった、サステナブルなオリジナルグッズをご紹介します。

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服の処分方法として「捨てる」以外を選びたいワケ

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

衣類の廃棄は、世界的にも早期改善が求められる難題となっています。
ファストファッションの普及などにより今日衣類は大量生産・大量消費され、結果毎日多くの使い古された服が廃棄されています。廃棄された服のうち66%が焼却・埋め立て処分されており、リユース・リサイクルでの再活用は約34%にとどまります。
(参考:https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/
メルカリをはじめとしたフリマアプリの台頭により、衣類などのリユースは促進されているかもしれませんが、まだまだ足りていないのが現状です。

衣類の大量廃棄は二酸化炭素排出量や埋め立てごみを増加させる一因となるため、不要となった服を「捨てる」以外の選択肢が求められているのです。

サステナブルファッションへの意識と感心

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

環境省を中心に、国や一部の企業が服の大量廃棄への対策を講じていますが、消費者の意識と感心はどの程度向けられているのでしょうか。

これまで不要となった服を廃棄する以外の方法と言えば、知り合いに譲渡する、ハンドメイドで別のものに作り変える、古着屋・リサイクルショップの買い取りサービスを利用するという選択肢が主流でした。
現在はフリマアプリの人気から、多くの服がリユースされるようになったと考えられますが、それでも手放される服全体の20%程度だそうです。
(参考:https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

服の廃棄問題に対して消費者自身の関心が薄いのではないかとも感じますが、環境省の統計によれば、約6割の人が「サステナブルファッションに関心がある」と答えています。
つまり問題は、行動に移してもらうための「情報発信」だということがわかります。

日本国内でも、服の廃棄問題に対する対策を実施し、情報を発信している企業がいます。
どのような企業がどのような対策を実施しているのか、事例の一部を見ていきましょう。

服の回収サービスを行っている企業・ブランド

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店舗での服の回収サービスを取り入れている企業・ブランドとして、以下の例が挙げられます。
どの企業・ブランドも認知度が高く発信力があるため、服の大量廃棄問題解決の一翼を担っているといえます。
回収サービスを実施している店舗に服を持ち込むことによって特典が得られる場合もあるため、消費者にとってもメリットがあります。

  • ユニクロ(UNIQLO)
  • ジーユー(GU)
  • 無印良品
  • H&M
  • ZARA
  • UNITED ARROWS green label relaxing
  • URBAN RESEARCH
  • Patagonia
  • ワコール
  • イオン

この中で例えばユニクロは、ユニクロ・ジーユー店舗に設置した「RE.UNIQLO」回収ボックスを通して不要になった商品を消費者から回収。回収した服について、まだ使えるものはリユース品として難民への衣料支援に活用。また、リサイクルの場合は独自の技術を駆使して商品のダウン・フェザー素材に再生したり、代替燃料に加工したりしています。

また、服の回収に協力することで、以下の特典を提供しているブランドもあります。

ブランド 特典
ユニクロ(UNIQLO) キャンペーン実施期間の割引クーポン発行など
ジーユー(GU) 商品との交換や寄付に活用できるマイルを付与
UNITED ARROWS green label relaxing キャンペーン実施期間の割引クーポン発行など
H&M デジタルクーポンや買い物に利用できるポイントを付与

まずは回収BOXを設置してみるのも大事?!

トランスの+ethical(プラスエシカル)プロジェクトでは、回収した服を新たな素材づくりの原料にして生まれ変わらせるサービスも提供しています。まずはボックスを設置して、不要な衣類を回収する取り組みから始めてみてはいかがでしょうか(再生素材でできた回収ボックスの製作も可能です!)

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回収した服を新たな素材にリサイクルしている事例

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企業によっては、回収した服を新たな素材に作り変える取り組みを進めているケースもあります。
以下のブランドや企業は、回収した服を原料にリサイクルして新たなプロダクトを作り出す取り組みで注目されています。

BRING

ポリエステルから再生ポリエステル樹脂を作り出す技術を生かし、Tシャツなどのプロダクトを再生産。再生素材をアパレルブランドに提供し、再利用の普及を図っています。

カラーループ

廃棄処分の対象となっていた破損・色褪せの見られる繊維などを色材として活用し、アップサイクルを進めています。

アシックス

店頭でスポーツウェアを回収し、エコバッグの素材に一部を活用しています。

毛七(ケシチ)

戦後から伝わる羊毛再生技術を生かし、着古したセーターなどの繊維を活用してリサイクルウールによみがえらせた生地をブランド化しています。

BRING

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出典元URL:https://bring.org/

BRINGは、不要になった衣類のポリエステルを加工して再製品化したファッションアイテムを届ける取り組みで、注目されているブランドです。
独自のケミカルリサイクル技術を生かした再生ポリエステル樹脂、糸、生地づくりやプロダクトの製造まで一貫して循環・実施する仕組みを構築。アパレル店と連携して回収した古着の素材を化学分解してTシャツなどを作りだしています。

また、再生素材を他のブランドに提供するなどして古着再活用のプラットフォームを形成。ポリエステルのリサイクル100%を目指すビジネスデザインが評価され、2020年度グッドデザイン金賞を受賞しています。

カラーループ

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

出典元URL:https://www.colourloop.net/

廃棄繊維を色材として活用する「カラーリサイクルシステム」を掲げ、魅力的なアップサイクルの実現を目指すカラーループ。
破損や色褪せのある衣服の繊維なども色別に回収し、カラフルなフェルトや深い色味のあるFRP(繊維強化プラスチック)へのアップサイクルに役立てます。
繊維リサイクル技術の研究者や成形加工業者、素材メーカーなどの素材開発パートナーとともにアップサイクル活動を進め、カラフルかつさまざまなトーンの衣料や文具を世に送り出しています。
アーバンリサーチとの共同開発ブランド「commpost(コンポスト)」にも多くの注目が集まっています。

アシックス

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

出典元URL:https://www.asics.com/jp/ja-jp/mk/greenbag

スポーツメーカー・アシックスでは、店頭で不要となったスポーツウェアを回収し、ケミカルリサイクルによってペレット化された素材に再生PETを混入して紡績。エコバッグ「グリーンバッグ」の原料に生まれ変わらせます。
グリーンバッグは、自然環境をイメージさせるグリーンをベースに循環を表わす矢印をデザイン。サステナビリティへの意識付けにもつながるバッグの収益の一部は、子どもの健全育成活動支援に使われ注目を集めています。

毛七(ケシチ)

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

出典元URL:https://www.keshichi-138.jp/

愛知県一宮市を中心とする日本最大の繊維産地・尾州で、戦後から伝わる羊毛再生文化を生かした生地ブランド「毛七」。
使い古されたセーターや縫製・紡績現場で発生する裁断くず、わたなど廃棄処分される羊毛繊維を全国から集め、羊毛混率の高い糸を作ったり、糸や生地をほぐしたわたに化学繊維を少量ブレンドして強度を高めたりしています。熟練の職人の手によって、リサイクルウールのブランド生地によみがえります。
戦後、貴重な資源だった羊毛を無駄にせず使い切るために活用されてきた技術を現代に生かした取り組みとして、ファッション業界でも高い注目を得ています。

新たな価値を生み出すアップサイクルの事例

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

ここまででも触れた通り、回収した服などの活用法としてリサイクルのほかにアップサイクルという方法があります。
アップサイクルとは、不要になったものの特徴や性質を生かして、より価値の高いプロダクトに作り変える取り組みです。廃棄物を素材や原料の一部に加工して再利用するリサイクルと比べ、大量のエネルギーを要さないというメリットがあります。

サステナブルな活動に対する注目度が上がる中、廃棄物を生かして新しい価値を持つものを世に送り出すアップサイクルもビジネスの世界で存在感を高めています。以下は衣類を生かしたアップサイクルや、アップサイクルによって世に出ているファッションアイテムの事例です。

  • 着られる機会を失った着物でつくるアイテム
  • 「使い切る」という文化から発展した裂き織技術
  • 消防服をアップサイクルしたバッグブランド
  • 海洋プラスチックを使用したアクセサリー

着られる機会を失った着物でつくるアイテム

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

出典元URL:https://akizakura.net/

着物リメイク日傘ブランド「あきざくら」は、着られる機会を失った着物の一部を傘や扇子、かばんの生地に活用した取り組みを進めています。
箪笥に眠っている着物の生地を、天然木材などこだわりの素材と組み合わせ、日本の職人技術を導入してクオリティーの高いアイテムを生み出しています。日本で着られる機会が少なくなっている着物や継承の厳しい状況にある職人文化を守り、活かすやり方としても高い注目を得ています。

「使い切る」という文化から発展した裂き織技術

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

出典元URL:https://saccora-japan.com/

江戸自体中期の東北地方に起源があるとされる、裂き織技術を生かした生地の作成・ブランド展開を手掛ける「幸呼来(さっこら)Japan」。
貴重だった綿や繊維製品を大切に使い切ることを目的に、布を繊維状に裂いてねじりながら織る技術を生かしてオリジナリティー豊かな衣服やバッグ、スニーカーを生み出しています。

人の手で裂いて作った糸を使用し織機で一段一段織り上げて作った商品は、アーティスティックなビジュアルやエコファブリックとしての価値から、消費者からの評価も高いです。制作を担う障がいのある方の技術を生かし、雇用の場を保持したり、材料調達や商品開発の面でメーカーやブランドとコラボしたりと、福祉分野やファッション業界からも注目されています。

消防服をアップサイクルしたバッグブランド

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出典元URL:https://modeco-brand.com/

製品の素材に産業廃棄物などを使用し、価値がなくなった資源をアップサイクルすることで魅力的な製品を世に送り出すブランド「MODECO」。
中でも注目されている消防服をアップサイクルしたバッグは、年間廃棄量が決まっている素材であるため、その上限に達した場合はその年の生産は終了するという、非過剰生産を徹底しています。
その人気ぶりは、販売サイトの「在庫切れ」の文字が多い点からも見て取れます。

海洋プラスチックを使用したアクセサリー

|キャンペーン企画・グッズ製作|株式会社トランス

出典元URL:https://kaerudesign.net/

海洋プラスチックごみや廃棄花などを素材にアクセサリーへとアップサイクルする「カエルデザイン」。
海岸で回収したプラスチックごみを洗浄・カット・樹脂加工などの作業を経て、イヤリングなどアクセサリーのパーツに導入しています。

アップサイクルの工程では障がいのある方たちがパートナーとして参加しており、さまざまな人の生活改善や自立につなげる活動としての面も備えています。
SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」や8「働きがいも経済成長も」達成に向けた取り組みとして、幅広い関心を集めています。

まとめ

服の廃棄量をまだまだ削減していく必要がある中、取り組む企業の情報発信の仕方次第で、消費者の気持ちや行動に変化をもたらすことができます。
企業として、廃棄される服を新たな素材に作り変える事業に取り組む、あるいはまずは不要になった服を回収することから始めてみるのもいいでしょう。そしてその取り組みを、多くの消費者に認知されるよう発信することで、SDGsへの積極的な協力姿勢を発信でき、課題解決にもつながるでしょう。

トランスでは、サステナブルな素材を活用したモノづくりや、リサイクルスキームのサービスも提供しております。
SDGsに関する取り組みをご検討される際は、ぜひ営業担当にご相談ください。

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