【推し活研究員が行く!Vol.4】海外トレンドは日本の商品開発のヒントになる?2025年上海視察から見えた“次の欲しい”

【推し活研究員が行く!Vol.4】海外トレンドは日本の商品開発のヒントになる?2025年上海視察から見えた“次の欲しい”

2025年5月、推し活研究員の私、藍生エイトは、中国・上海の推し活市場を視察しました。

当時の上海では、日本ではまだあまり見かけなかったグッズや売場表現が数多く見られました。そして約1年が経った2026年現在、それらの多くが日本でも見かける機会が増えています。

もちろん、海外のトレンドがそのまま日本で流行るわけではありません。しかし、ファンの楽しみ方や価値観の変化を捉えることで、“次の欲しい”を考えるヒントにもなります。

今回は、2025年の上海視察を振り返りながら、「何が日本に広がったのか」「そこからどんな商品開発につながったのか」をご紹介します。

上海で見かけた推し活市場

上海で見かけた推し活市場

上海の推し活市場を歩いてみた

今回視察したのは、上海の大型商業施設や、推し活・オタ活層向けの商業施設を中心とした5施設です。

  • 百聯ZX創趣場(南京東路)
  • 百聯ZX創趣場(五角場)
  • 上海新世界城
  • 上海世茂広場
  • 三井ショッピングパーク ららぽーと上海金橋

いずれもアニメ・ゲーム・VTuber・アイドル・BL関連グッズを幅広く取り扱っており、中国の推し活市場の現在地を知るうえで非常に参考になる売場でした。

特に印象的だったのは、日本ではまだあまり見かけなかったグッズに加え、同じグッズであっても仕様やデザイン、売場表現に中国ならではの推し活文化が表れていたことです。
現在振り返ると、その中には2026年の日本市場でも広がりつつあるものが少なくありません。

現地で見つけたトレンド

視察を通じて特に印象に残ったのが、以下のようなグッズトレンドです。

  • ぷっくり・キラキラしたシール
  • ポーチやバッグなど、キャラクターの顔をピックアップしたフォーマット
  • パラコード×ぬいぐるみ、ビーズ、メタルなどの異素材MIX
  • 波打つような凹凸のある台座を用いたアクリルスタンド
  • ぬいぐるみやフィギュアとアクリルを組み合わせた立体表現

いずれも2025年当時の上海で存在感を放っていた表現ですが、現在では日本市場でも見かける機会が増えてきました。

特に印象的だったのは、「異素材」「立体感」「装飾性」といった要素を取り入れながら、既存グッズの楽しみ方をアップデートしている点です。

次章では、その中でも実際に商品開発のヒントとなったトレンドについて、「上海で見えたこと」「日本市場向けにどう読み解いたか」「どのような商品開発につながったか」の視点でご紹介します。

上海で見たトレンドと、そこから生まれた「推しプロダクト」

チケットフォーマットの活用 「チケット風アクリルキーホルダー」

チケットフォーマットの活用 「チケット風アクリルキーホルダー」

2025年の上海では、「チケット」をモチーフにした紙やアクリルのグッズを数多く見かけました。

グリッターやホログラム加工、紙の一部にPET素材を使用した仕様、大判サイズなどによる特別感の演出が印象的で、「飾って楽しむ」ことを前提にした商品設計が見られました。また、ライブやイベントなどチケットが登場するシーンだけでなく、さまざまなコンテンツでチケットモチーフが採用されており、一つの表現フォーマットとして広く活用されていました。

こうした売場から見えてきたのは、「推しを特別感のあるフォーマットで楽しみたい」というファンインサイトです。特にチケットという形には、ライブやイベントなど特別な場を記念として残せる魅力があると感じました。

一方、日本市場では、痛バッグやポーチに付けて推しを持ち歩く文化が根付いています。そこで当社では、このインサイトを日本ならではの楽しみ方へ翻訳し、持ち歩きやすいキーホルダーサイズへ落とし込み、「チケット風アクリルキーホルダー」を開発しました。

チケット風アクリルキーホルダー

チケット風アクリルキーホルダー

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また、ライブやイベントへの現場参戦文化に合わせて、会場限定デザインやイベント別デザインとの相性も意識。さらに、複数集めて楽しめる日本のコレクション文化に合わせて、「チケット風つながるアクキー」も開発しました。

チケット風つながるアクキー

チケット風つながるアクキー

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【商品開発のヒント】

推しとの思い出を、特別感のある形で集めたい、持ち歩きたい。
上海では「飾る」文化が印象的でしたが、日本では「持ち歩く」文化へ置き換えることで、日本市場に合った商品へと展開しました。

フォトカードの新しい見せ方 「ペーパーフォトトレカ」

フォトカードの新しい見せ方 「ペーパーフォトトレカ」

次に、フォトカードやトレーディングカード(通称:トレカ)の新しい表現を数多く見かけました。

中でも印象的だったのが、“紙素材+透明素材”を組み合わせた異素材仕様です。

また、複数の写真を組み合わせた3連フォト風や、場面写を取り入れたデザイン、チケット風・プリクラ風など、見せ方のバリエーションも豊富でした。サイズ展開も大小さまざまで、フォトカードやトレカというフォーマットの中で、より多くのビジュアル要素を楽しめるよう工夫されていた点が印象的です。

こうした売場から見えてきたのは、「1つのグッズで、より多くの推し要素を楽しみたい」というファンインサイトです。

一方、日本市場では、カフェ活などでフォトカードを持ち歩いたり、スリーブやバインダーに収納して集めたりする文化が定着しています。そのため、持ち歩きや収納のしやすさを考えると、トレカサイズは事実上の共通規格とも言える存在です。

そこで当社では、中国で見えた「より多くの推し要素を楽しみたい」というインサイトを意識しつつ、日本の「推しを持ち歩き、集めて楽しみたい」という文化に合わせて、トレカサイズをベースに設計しました。

そのうえで、紙素材と透明素材を組み合わせることで、写真やデザインに奥行き感を持たせ、推しの魅力をより楽しめる「ペーパーフォトトレカ」を開発しました。

ペーパーフォトトレカ

ペーパーフォトトレカ

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【商品開発のヒント】

推しを持ち歩き、集めて楽しみたい。
【推し活研究員が行く!Vol.4】海外トレンドは日本の【商品開発のヒント】になる?2025年上海視察から見えた“次の欲しい”
上海では「1つのグッズでより多くの推し要素を楽しむ」見せ方が印象的でしたが、日本では持ち歩きや収納のしやすさを重視し、トレカサイズをベースに展開しました。紙素材と透明素材を組み合わせることで、推しの魅力をより楽しめる商品へと仕上げています。

異素材MIXの広がり「チェーンデュオバッジ」

異素材MIXの広がり 「チェーンデュオバッジ」

最後に、異なる素材を組み合わせたグッズを数多く見かけました。

ぬいぐるみとパラコードを組み合わせたアイテムや、メタルパーツ・ビーズ・チャームを組み合わせた“じゃら付け”アイテムなど、素材の組み合わせによって華やかさや存在感を演出しているのが印象的でした。

また、フィギュアとアクリルを組み合わせた立体的な表現など、異素材を掛け合わせることでグッズそのものの魅力を高める工夫も数多く見られました。

こうした売場から見えてきたのは、「異素材MIXで、もっと華やかに楽しみたい」というファンインサイトです。

一方、日本市場では、デコレーションやカスタマイズ、じゃら付け、痛バッグなど、自分好みにアレンジして楽しむ文化が広がっています。従来の痛バッグは、同じ絵柄の缶バッジを並べるスタイルが主流でしたが、近年は中国版痛バッグ「痛包(トンバオ)」の影響もあり、異なる素材やモチーフを組み合わせ、自分らしい世界観を表現する楽しみ方も広がりつつあります。

そこで当社では、中国で見えた「異素材MIXで、もっと華やかに楽しみたい」というインサイトを、日本の「自分仕様にアレンジして楽しみたい」という文化に合わせて翻訳。刺繍バッジ・缶バッジ・チェーン・アクリルパーツを組み合わせた「チェーンデュオバッジ」を開発しました。

異素材ならではの立体感や存在感を活かしながら、組み合わせ次第でさまざまなアレンジを楽しめるプロダクトです。缶バッジを並べるだけではない、新しい痛バッグづくりにも活用しやすいアイテムとして企画しています。

チェーンデュオバッジ

チェーンデュオバッジ

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【商品開発のヒント】

自分仕様にアレンジして楽しみたい。
上海では、異素材を組み合わせることで華やかさや存在感を演出する表現が印象的でした。日本では、デコレーションやじゃら付け、痛バッグ文化に合わせ、異素材MIXによる新鮮さと自分らしくアレンジできる余白を取り入れた商品へと展開しました。

まとめ

2025年の上海で見かけたグッズの中には、2026年の日本でも広がりつつある表現が数多くありました。

今回の視察を通じて改めて感じたのは、海外のトレンドそのものだけでなく、その背景にある“ファンインサイト”に目を向けることの大切さです。

今回ご紹介した「チケット風アクリルキーホルダー」「ペーパーフォトトレカ」「チェーンデュオバッジ」も、上海で見えたトレンドをそのまま商品化したのではなく、その背景にあるファンの楽しみ方を読み解き、日本市場に合わせて“次の欲しい”へと翻訳したプロダクトです。

海外市場には、日本の商品開発や企画のヒントになる表現や楽しみ方が数多くあります。そうしたトレンドを日本市場ならではの文化やファンインサイトと掛け合わせることで、新しい商品企画の可能性が広がるのではないでしょうか。

トランスでは、日本市場向けの商品企画はもちろん、海外市場を見据えた商品開発やプロモーションのご相談にも対応しています。国内外の市場やファンインサイトを踏まえた企画提案をご希望の際は、お気軽にご相談ください。

ライター:藍生エイト

藍生エイト

推しビジネス研究所(仮)、通称「推し研」の研究員。
推し活の“いま”を追いかけながら、グッズ企画に活かせるトレンドやアイデアを日々リサーチ&発信中。
8/1生まれのAB型。コーヒー片手に、ゲーム・アニメ・漫画など幅広いジャンルの推しを追いかけるタイプ。

公開日:

株式会社トランス

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