エンタメ業界に大打撃を与えた新型コロナウイルス。
大人数が集まるライブやイベントの開催自粛に伴い、会場でのグッズ販売機会が激減しました。
アーティストやアニメコンテンツなどの大きな収入源のひとつであるグッズ販売を盛り上げるためにはどのような対策が必要なのか。
「2020年はEC販売に力をいれてきたけど、売り上げがなかなか伸びない…」と、悩んだ担当者の方も多いのではないでしょうか。
そんな中注目を集めているのが、EC販売でもガチャガチャを体験できるシステム『オンラインガチャ』。
今回は、今注目のオンラインガチャの特徴と事例を紹介します。
グッズ販売にお悩みを抱えるご担当者様、必見です。
オンラインガチャとは?システムを導入するメリット
オンラインガチャとは
その名の通り、オンライン上でガチャをまわしてグッズを購入できるシステム。
購入すると、“ガチャをまわしてグッズが出てくる“という動画演出が流れるものが多く、“アイテムをカートにいれて購入する”のとはまた違ったオンライン上での購入体験ができます。
イベント会場にあるガチャマシンでグッズ購入するという体験ができないコロナ禍において、オンライン上でガチャをまわすという行為自体を楽しめるということで注目されています。
オンラインガチャのメリット
オンラインガチャを利用するとどのようなメリットがあるのか、ユーザー側と運営側、それぞれの視点から考察していきます。
ユーザー視点
- 会場設置のガチャでは体験できない、特別な演出がオンラインで楽しめる。
- ランダムアイテムの中身がその場で見えるので、欲しい商品が当たったかどうかがすぐにわかる。
- ボイスメッセージやムービーなど、オンライン上でも楽しめる景品があたる。
- イベント会場で物販の長い列に並ぶ必要がないので、気兼ねなくガチャを楽しむことができる。
グッズのEC販売において、ファンからは「会場にいるときの高揚感が感じられず、冷静になってしまい購入意欲がさがってしまう。」という意見も。
しかしオンラインガチャの多くが、ガチャを回した際にアーティストのパフォーマンス映像や、アニメのワンシーンを流すなどの特典を付けています。
オンラインでのグッズ購入において新しい体験を提供することで、ファンの購入意欲をアップさせることができるかもしれませんね。
運営視点
- 欲しい商品が出るまでまわすユーザーも多く、客単価アップにつながる。
- ガチャを回した際や開封時に流れる映像など、会場ではできないような演出が可能。
- ガチャのカプセルサイズや、会場で販売する商品サイズに縛られず、景品の幅が広がる。
- 景品のグレードを明確に分け、当選確率を調整できるので、在庫管理がしやすい。
通常のEC販売のみのグッズ展開の場合、「ファンが冷静に商品を選び、好きな商品だけしか購入しない」ため、客単価が伸びないという悩みもありました。
オンラインガチャはその場で景品の内容がわかるので、”推し“の商品が出るまで連続で回すファンも多くいるようです。
つい熱くなってしまうようなゲーム性がファンの購入意欲を刺激し、客単価の底上げにつながります。
また、キーホルダーや缶バッジなどの定番グッズから、会場では手に入らないような大きなグッズやサイン入りグッズ、ここだけの特別な映像など景品の幅が広がるので、販売価格や景品ラインナップの組み合わせ次第で魅力的な企画になるでしょう。
オンラインガチャの導入事例
現在、すでに多くのコンテンツでオンラインガチャの導入事例がみられます。
市場のオンラインガチャ導入事例から、景品ラインナップや特典など、客単価アップの工夫がなされているものをピックアップしてご紹介します。
J-WAVE TOKYO GUITER JUMBOREE 2020 RETURNS
毎年数々のアーティストが出演する人気イベントですが、2020年は観客の人数制限があったため、リアルライブとオンラインライブを並行して開催。
混雑緩和のため、会場での物販は中止され、グッズの販売はECのみとなりました。
そこで、Tシャツなど通常のグッズラインナップに加え、景品を缶バッジに絞ったオンラインガチャ企画を展開。
SNSには企画を楽しむファンの声が多数投稿されました。
横浜銀蝿 2021年おみくじGACHA
イベントやCDの発売などと絡めた企画ではありませんでしたが、このオンラインガチャ限定のオリジナルグッズや、撮り下ろし動画など特別な景品を用意することでファンの期待を高めました。
主なファン層は50代以上で、若い世代に比べオンラインコンテンツになじみがないように思えますが、今までにない施策がファンの間で話題となり、オンラインガチャのみでも盛り上がったコンテンツとなりました。
FES☆TIVE オンラインガチャ×イベント会場施策
景品はオリジナルグッズではなく、アフタートーク券、撮り下ろしチェキ、定期公演キャッシュバック券、自撮り風ムービーなど、ファンごころをくすぐる、ここでしか手に入らない特別感のある景品がラインナップされています。
動画景品を展開できるのはオンラインガチャの特徴ですが、アーティスト本人と会える券などを組み合わせることで、イベント開催の制限緩和が予想される今後も活用できるような企画になっています。
はたらく細胞BLACK
通常の景品に加えWチャンス賞が設定され、1回ごとに抽選に参加でき、キャラクターの声を担当する声優のサイン入りグッズが当たります。
また、30枚一気に購入でき、A賞が必ず手に入る“オトナ買いセット“も用意されており、Wチャンス賞獲得を狙うファンの購入単価の増加につながっています。
100ワニ コレクション
SNSで話題となった作品「100日後に死ぬワニ」のオリジナルグッズが手に入るオンラインガチャ。
通常の景品ラインナップに加え、10連または20連セット購入でもらえるおまけや、20個以上購入した方の中から抽選でサイン入り色紙プレゼントなど、多く購入すると特典が付くという制度を導入し、ファンのコレクション意欲を高める施策になっています。
柏木由紀『CAN YOU WALK WITH ME??』発売記念コレクション
新曲の発売に合わせた企画としてオンラインガチャを展開。
ガチャを回すためには、特定のサイトから購入した新曲のCDに同封された専用のシリアルコードが必要になるのが特徴です。
景品には、缶バッジや生写真などのアイドルの定番グッズに加え、10分間のオンライントーク券や、本人からのモーニングコール、サイン入りTシャツなど、レア度の高いものをラインナップ。
ファンの購入意欲を掻き立て、新曲CDの売上を引き上げるためのニューノーマル時代のあらたな販促施策になっていると言えます。
オンラインガチャは“推し“を求めるファンに響くシステム
オンラインガチャは、「推しに会いたい、近くに感じたい」というファンごころに響かせることができる企画です。
購入意欲を盛り上げる景品ラインナップや特典を設計することで、グッズの売り上げアップが期待できます。
今後は、リアルライブ・オンラインライブの両方が展開されていくと考えられるので、グッズの販売やイベントの活性化にオンラインガチャを取り入れるのがおすすめです。
トランスではオリジナルグッズの製作の他、オンラインガチャの企画・サポートを行っております。
ぜひご相談ください。
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セウヘイ
株式会社トランス社員。小さいころ、母にもらった100円玉を握りしめてガチャガチャを1度だけ回していた少年少女たち。今では「“推し“が出るまで何度でも回す」ようになりました。
あの頃1度だけしか回せなかったガチャを連続で回すという贅沢、大人になってからもついガチャを回したくなる要因の一つになっているかもしれません。