Green Olive lime etc
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アパレルやコスメ、インテリアなど、ファッション関連から発信される「今シーズンのトレンドカラー」。実は、何シーズンも前に海外の専門機関が定めていて、それが世界中で展開されているんです。「TRend COLOR STORY」は、世の中の経済活動や人々のメンタルとも密接に関わってくる「トレンドカラー」について、分かりやすくご紹介するシリーズです。

「TRend COLOR STORY」第三回は、 2018年トレンドカラーのひとつ、
安らぎを与えるカラー「緑」をご紹介いたします。

2018年の春夏の流行「緑色」ってどんな感じ?

パリやミラノなどで発表された2018年の春夏のファッションコレクションでは、明度や彩度の異なるさまざまな緑色が登場しました。例えば、メンズライクなトラッドテイストでは、ネイビーと相性の良い鮮やかなグリーンが、フェミニンなスポーツテイストでは、シトラスグリーンやペールグリーンが登場しました。その他、濃いビリジャンから淡いアップルグリーンやミントグリーンまでグリーンは重要なカラーとなっています。

緑色の語源は?!

古代の日本語の色名は、「あか」「くろ」「しろ」「あお」の四つの言葉しかなかったと言われています。
「緑」が色名として明確には扱われてこなかったことがあり、現在「緑」と言われている色は日本語では「あお」と表現されてきました。過去、緑と青を明確に切り分けていなかったことが分かっていて、その名残の表現が現在でも見受けられます。

例えば、

  • ・青々とした葉っぱ
  • ・料理に青みが足りない
  • ・青信号
  • ・青二才

日本で「みどり」という言葉が登場するのは平安時代が最初のようです。本来は「瑞々しい」という意味が転じて新芽の色を示すようになったといわれています。古来より「みどり」は新鮮さのイメージを喚起する色だったようです。

緑が与える心理効果

緑色が好きな人の性格って?

「緑」を選んだあなたは、安心感と安らぎを与えられる人

緑を代表する自然界の森林や植物が、人々に安心や安らぎを与えてリラックスさせるように、周囲の人に安心感や安らぎをもたらす人。周りの人の相談に乗ることも多く、緑が虹の七色の真ん中であるように周りとのバランスを取りながら協調していける人です。
ただし、その優しさから両方に耳を傾けるために、八方美人とみられてしまうかも。
複数の友人の中心で挟まれている人、中間管理職の人、周りの人の愚痴の聞き役にもなりやすいかもしれません。
自分にとってたいしたことでないことは、他人に譲ってあげられますが、自分にとって大切なことは頑なに譲れない頑固さも併せ持ちます。

♡ちなみに「緑」の人の恋愛傾向は?

  • ・安心できる相手を探す
  • ・家族のような関係性を望む
  • ・心のつながりを重視
  • ・反面「赤」(補色)の人に引っ張られる傾向もあり 要注意!

日本の交通と緑は関係大

交通関連って「緑」が多く使われているよね?!

●山手線の車両はいつから「緑」になったの?

山手線が環状線になったのは1925年。当時はチョコレート色をしてたらしいです。
続いて1961年に「新性能車」と呼ばれた101系のイエローの車体が採用され、1963年にモデルチェンジをして緑色の車体になったそうです。
私たちが知っている山手線は、最初から緑だったので違う色の電車が走っていたら違和感あるかも。
逆に、色をチェンジするとしたら何色がいいですか?

●グリーン車の由来知ってる?

かつて1等車、2等車と等級があったころの電車側面の窓下に表示されていた淡い緑の帯の色と乗車券の色が基と言われています。その頃、四葉のクローバーに似た「グリーンマーク」も登場したそうです。
一度は乗りたい座席の広いグリーン車ですね。

●緑なのになぜ「青信号」?

電気を使った信号機は今から約80年くらい前に出来たらしい。日比谷交差点に1号機が設置されたのだとか。当時は道路交通法上は「緑色信号」と呼んでいたらしいです。マスコミが信号機を報じるに際し「青信号」と表現したのが浸透したのがルーツとなっています。

国や地域で異なる緑色の印象

そういえば半漁人とか「緑」の怪物もいるなー?

国や文化、歴史などで価値観は異なるもの。実は「緑」についての印象も千差万別なんです。
異なる価値観が存在する地球は面白い!

日本人は緑に「穏やか」、「平和」、「癒される」、「安心」、「安全」などの良い印象をいだくと思います。また、そういう印象を与えるために緑を活用していますよね。
しかし世界の国々には全く異なる印象を持ち、緑を活用しているところもあるのです。
少しご紹介してみましょう。

ヨーロッパやアメリカの印象
不気味、毒、怪物
マンガや映画などの怪物の色は緑
インド(ヒンドゥー教)
イスラム圏
国の繁栄

日本古来の緑とはどんな色?

日本には四季の自然を彷彿とさせる魅力ある緑が沢山

光が反射し光り輝く若々しい新緑の緑から、経年変化をした緑まで。日本の四季の変化に伴って「緑」のニュアンスも複雑に変化。色味と共に色名にも惹かれてしまうのは何故だろう?!
和の伝統色の深い世界を味わってみましょう。
歴史的建造物や、寺院、日本画などを鑑賞して日本の「緑」に浸りましょう。

●花萌葱(花萌葱)
若い青ネギの葉のように強く濃い緑色。
萌葱色の一種で、青み系統の緑の代表色。
●緑青(ろくしょう)
銅に生じる錆のような、明るく鈍い青緑色のこと。
緑系統の代表的な伝統色。
●若菜色(わかないろ)
初春の若菜のような明るい黄緑色のこと。
春先の山菜の色全体を指す爽やかな色。
●孔雀緑(くじゃくみどり)
孔雀の美しい青緑の羽のような鮮やかな青緑色。
●老竹色(おいたけいろ)
年を経た意味の灰味をおびた老竹のような、ややくすんで灰色がかった緑色。

エコロジーと緑色!

「緑」=「グリーン」はエコロジーの代名詞?!

●グリーンエネルギー

二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質を出さないもしくは排出量の少ないエネルギー。
例えば、太陽光、風力、バイオマス、地熱、天然ガスなどの自然由来のものです。
環境問題が深刻になっている昨今、CO2を多く輩出する化石燃料の使用の削減が急務となっています。
グリーンエネルギーは、環境付加価値を持ったエネルギーとして注目されています。

●緑の建築(グリーンビルディング)

建築と敷地利用、エネルギーと水、資材の集積を高め、敷地・デザイン・建築・作業・維持・除去の完全な建築ライフスタイルを通して、人間の健康に悪影響を与える建築の減少を推進する事です。
持続可能な建物、環境建築物ともいわれます。
緑の建築は、取り巻く環境との美的調和も目指しています。

●グリーンファッション(アメリカ)

ファッション業界でも環境にたいしての意識がたかまっています。
素材生産、製品生産、物流、販売、消費者が使用後に廃棄する商品のライフサイクル全体を通して、
環境や社会に配慮したサスティナブルな手法を使用した衣服や服飾小物のことを「グリーンファッション」といいます。
特にアメリカでは、1990年代から環境や社会に配慮したファッションが市場に出現してきました。

ちょっと小耳に:世界で2%しかいない「緑の瞳」の人

世界の人の瞳の色って何種類?

一般的に多くの日本人は黒~茶の瞳ですが、これはメラニン色素が多く、波長がまんべんなく吸収されるためです。
欧米人を中心にブルーの瞳をはじめとして薄いカラーが多いのはメラニン色素が少なく、短い波長が吸収されずに散乱をおこすためらしいです。
瞳の色は約24種類存在しているのですが、それは民族や居住地域などのルーツと関係しています。

そんな中、たった2%しかいないと言われているのが「緑の瞳」を持った人です。
瞳の色を構成する色素ブラウン、イエロー、ブルーの中のイエローをベースにブルーが混じった瞳が「緑の瞳」です。南ヨーロッパ、東欧、中東、中央アジアなどに見られますが、大半は北ヨーロッパに集中しているようです。その中で、中東や中央アジアの人の「緑の瞳」は特に美しいと言われています。
著名人の中にも「緑の瞳」の人がいます。代表的なのが、トム・クルーズです。

神秘的な「緑の瞳」あこがれますよね!
カラコンしてみますか?

緑色に染まるイベントって?!

St Patrick’ Day(セントパトリックス・デー)
街中が「緑色」に染まる日。知ってましたか?!

日本ではなじみの薄い祝日ですが、3月17日は、アイルランドにキリスト教を広めた聖人の聖パトリックの命日です。そのため、アイルランドをはじめ、アイルランド系移民の多い世界の各地では、この祝日を祝います。

例えば、アメリカのシカゴでは、シカゴ川をフルオレセインで緑色に染め、シカゴ市警察はバッジを緑の三つ葉入りのモノに変えます。
ニューヨークやボストンなどの大都市でも緑のモノを身に着けてパレードが行われます。
この日には緑色に染められたラガービールを飲んだり、アイルランド料理を食べたりもします。

日本でも、アイルランドを知ってもらうために、1992年からアイリッシュ・ネットワーク・ジャパンによりセント・パトリック・デイ・パレードが行われています。
表参道を緑色のモノを身に着けた1,000名くらいの人がパレードします。
参加してみたらいかがでしょう?

(Irish Network Japan WEBサイト)
全国5ヶ所でセントパトリックスデーを記念したパレードイベントが開催されています。

さて今回の「緑色」いかがでしたでしょうか。
「緑」は、様々な分野に効果的に活用されていますね。歴史や文化をひも解いてゆくと解釈もいろいろあって面白いことがわかりました。また、2018年春夏のトレンドカラーとしても、ひとつの「緑」ではなく、ニュアンスの異なる色味が出現しています。皆様も自分の好きな「緑」を楽しんで取り入れてみたらいかがでしょう!色の性質や個性は、ビジネスにも効果的に活用することができますよ。

次回の「TRend COLOR STORY」シリーズでは、2018年トレンドカラー第四弾として、「オレンジ」のストーリーをお届けいたします。お楽しみに。

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