ここ数年で飛躍的に知名度を上げているVtuber。「Virtual YouTuber(バーチャル・ユーチューバー)」という名前の枠を超え、動画配信以外の活躍も目覚ましくなってきました。それに伴い、Vtuberを起用した新しい方面からのプロモーションに取り組む企業が増えています。
本記事ではVtuberの基本的な解説に加え、種類や将来性、人気Vtuberと企業がコラボ・タイアップした事例を紹介していきます。
そもそもVtuberとは?
Vtuber(ブイチューバー)とは、「Virtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)」の略称です。実体を持たない架空の姿で動画配信をしている存在を指します。また、配信に登場する架空の姿のことを、「アバター」と呼びます。
2010年台初頭からCGキャラクターを利用した動画投稿をする配信者は存在していましたが、当時はVtuberという名称では表現されていませんでした。2016年、YouTube配信者の「キズナアイ」が世界で初めてVtuberを名乗りブレイクしたことによって、2017年以降多くのVtuberが誕生しました。現在ではYouTubeに限らず、あらゆる動画投稿サービスでVtuberが活躍しています。
Vtuberの革新的な点は、アニメのキャラクターとは異なり、視聴者と双方向のコミュニケーションが取れる点です。リアルタイムで会話をし、アバターの動きが操作できるため、Vtuberはライブ配信でファンの呼びかけに応えたり、ファンの名前を呼んだりと、そこに生きているように振る舞えます。
Vtuberの種類
Vtuberは、使用するアバターや活動の仕方によって、さまざまな種類に分けられます。
まず、使用するアバターの種類は、平面イラストをそのまま加工した2Dモデルと、イラストを立体化させた3Dモデルがあります。2Dモデルは髪の揺れや瞬きなどの単純な動きがつく程度ですが、3Dモデルはどの角度から見ても立体的に見えるようになっているため、動きがより自由でバーチャルの世界にリアルに存在しているように見えます。
活動方法についても、いくつかの種類があります。Vtuberをプロデュースする事務所があり、個人で活動を行うVtuberと事務所所属のVtuberが存在います。また、大手の企業が作った「企業公式Vtuber」も存在します。さらに、アニメやゲームのキャラクターがVtuberとして配信を行うことも増えてきました。
キャラクターを演じるのではなく「中の人」そのものとして活動するVtuberもいます。例えば、元々声だけで動画やイラストをインターネットに投稿していた配信者が、Vtuber化していることが挙げられます。実際の顔を公開することには抵抗があるけれど発信をしたいという配信者も、Vtuberとして活動することにより、顔を出さずに自己表現ができるようになりました。
Vtuberの将来性
Vtuber元年と呼ばれた2017年から、Vtuberの市場規模は世界規模で大きく拡大しています。企業がVtuber事業へ投資する流れも生まれています。
現状、Vtuberとファンの経済活動は深く結びついています。
例えば、YouTubeのライブ配信を通して投げ銭(スーパーチャット)で稼いだ額のランキングでは、2020年2021年ともにランキング上位を多くのVtuberが占めていました。
企業とタイアップしたVtuberが動画内で商品を紹介したり、Vtuberが地域の魅力を紹介したりといった活動も目立ってきています。企業や自治体が自力ではなかなかアプローチできない層へ接触するために、Vtuberを利用したマーケティングが注目されているのです。Vtuberが活動の幅を広げる中で、今後もVtuberの人気は加熱し、市場規模もさらに拡大していくと考えられます。
企業がVtuberとコラボ・タイアップするメリット
前述した背景もあり、企業や商品のプロモーションを目的としてVtuberとコラボ・タイアップをすることは、もはや珍しくありません。今後もVtuberの人気や市場価値が上がっていくと予想されます。VtuberをPRに起用することで企業が得られるメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
- 比較的低コストで起用できる場合がある
- SNSでの拡散が期待できる
- 物理的に不可能なことも実現可能
- インフルエンサーの中でリスクが低い
企業がVtuberとコラボするメリットをそれぞれ説明します。
比較的低コストで起用できる場合がある
Vtuberを起用すれば、比較的コストを抑えられる傾向があります。
例えば、芸能人や有名YouTuberを起用するより、VtuberにPRを依頼した方が、低価格である場合が多いです。Vtuberはアバターを作る初期費用がかかる他には、衣装やメイクに手間や費用がかからないためです。
ただし、事務所に所属している人気Vtuberを起用すると、生身の人気YouTuberと同等の費用がかかる場合もあるので注意しましょう。
企業や商品のPRのためにオリジナルのVtuberを作るのも、コストを抑える方法として有効です。
初期費用さえ用意すれば、コストをかけずに長期に渡りキャラクターを起用できます。オリジナルのキャラクターがVtuberとして人気になれば、コストに対して大きな成果になるでしょう。
ただし、Vtuberとして人気を得るのは簡単な事ではありませんので、その点は注意しておきましょう。
SNSでの拡散が期待できる
Vtuberとコラボ・タイアップすることにより、SNSを通じた企業や商品の魅力の拡散が期待できます。
Vtuberの主な活動場所はYouTube、ニコニコ動画、SHOWROOMなどの動画配信サービスです。
VtuberのファンはSNSを利用している層が厚く、動画を見た視聴者が動画のリンクを投稿し、自身のフォロワーに向けて紹介したり、動画の面白かった部分を切り抜いて広めたりする文化があります。また、Vtuberとコラボした商品を販売すれば、ファンは商品を手に入れて自身のSNSに投稿する傾向があります。
このように、Vtuberの活動場所とファン層の性質により、コラボ・タイアップした内容がSNSで拡散される可能性が高いです。
物理的に不可能なことも実現可能
Vtuberであれば、物理的に不可能なこともできます。
例えば、開脚やバク転など人並を超えた身体能力がないとできない動きは、タレントやインフルエンサー、YouTuberに依頼することは難しいでしょう。一方Vtuberには、身体的な制約がなく、難しい体の動きや複雑なダンスにも対応できます。さらに、空を飛んだり、変身したり、分身したりといった現実ではあり得ない演出も選択できるため、Vtuberを起用してできることの幅は広いです。
インフルエンサーの中でリスクが低い
Vtuberは架空のキャラクターです。プライベートがないため、コラボやタイアップした場合にスキャンダルでイメージダウンにつながるリスクが低いと言えます。
人間のインフルエンサーの場合、プライベートの発言や交友関係で不適切な部分があると発覚すれば、一気にイメージダウンになります。当然、コラボやタイアップをしてきた商品や企業のイメージも下がってしまいます。どんなインフルエンサーも人間であれば表の顔とは別の人生があり、「絶対にスキャンダルがない」と言い切れる人はいないでしょう。
一方、Vtuberは「中の人」が不祥事を起こす可能性はありますが、キャラクターそのものにマイナスイメージがつくリスクは比較的低く、安心して起用しやすいです。
Vtuber × 企業のコラボ商品・タイアップ企画事例12選
Vtuberと企業がコラボ・タイアップした事例には、どのようなものがあるのでしょうか。実際にVtuberと企業がコラボ・タイアップした、以下の事例を紹介していきます。
- ホロライブ × 東京ジョイポリス
- 姫森ルーナ × ヤマハミュージック
- オシャレになりたい!ピーナッツくん・甲賀流忍者ぽんぽこ × SPINNS
- Re:AcT × ROUND1
- Vtuber15名 × patisserie OKASHI GAKU
- にじさんじ × しまむら
- 常闇トワ × 日清焼そばU.F.O.
- ホロスターズ × ドン・キホーテ
- 湊あくあ × スシロー
- さくらみこ × 鳴?鯛焼本舗
- ハコネクト × シヤチハタ
- リロ氏 × 村の鍛冶屋
VtuberをPRに起用しようと検討している企業の担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。
ホロライブ × 東京ジョイポリス
引用:https://hololive.hololivepro.com/news/20221220-02-33/
女性Vtuberグループ「ホロライブ」とテーマパーク「東京ジョイポリス」は、複数回に渡ってコラボレーションイベントを開催しています。
ホロライブとは、Vtuber事務所「ホロライブプロダクション」に所属するバーチャルアイドルグループです。
コラボレーション期間中は、東京ジョイポリスを訪れたファンがホロライブのメンバーと直接話せるイベントや、アクリルスタンドなど限定コラボグッズの販売、アイドルVtuberのキャラクターがプリントされたノベルティの配布などが行われました。
姫森ルーナ × ヤマハミュージック
引用:https://jp.yamaha.com/products/contents/streaming/special_luna/index.html
女性Vtuberグループ「ホロライブ」のメンバーである姫森ルーナと、ヤマハがコラボレーション企画を実施しています。
コラボ企画のメインは、エレクトーンの制作プロジェクトです。このプロジェクトは姫森ルーナが3Dライブで使用したエレクトーンの要素に、一般から募集したアイデアを取り入れ、実物の「姫森ルーナ仕様オリジナルエレクトーン」を作って店舗やイベント会場に展示するといったものです。
期間中に発行される『月刊エレクトーン』には、ホロライブ関連の楽曲の楽譜が掲載されました。この企画がきっかけで多くの人がエレクトーンに興味を持ったり、演奏のモチベーションが上がったりするような工夫が垣間見えるコラボ企画です。
オシャレになりたい!ピーナッツくん・甲賀流忍者ぽんぽこ × SPINNS
引用:https://www.spinns.com/topics/pokopea/
アパレルブランドの「SPINNS」は、Vtuberの「ピーナッツくん」と「甲賀流忍者ぽんぽこ」とのコラボレーションアイテムを販売しました。
ピーナッツくんは、ショートアニメ『オシャレになりたい!ピーナッツくん』の主人公であり、Vtuberです。甲賀流忍者ぽんぽこは、滋賀県甲賀市の山に住むタヌキの忍者で、Vtuberとして活動しています。このコンビは共に活動することが多く、「ぽこピー」の愛称で親しまれています。
「SPINNS」とのコラボでは、刺繍を施したジャージや、中華風のロングTシャツ、アクリルキーホルダーなどが販売されました。また、開催期間中には「ぽこピー」の着ぐるみが店舗に出現し、リアルで記念撮影ができるイベントも実施されました。
Re:AcT × ROUND1
引用:https://www.round1.co.jp/service/karaoke/react/index.html
Vtuberが所属するバーチャルタレント事務所「Re:AcT」は総合アミューズメントパークの「ROUND1」とのコラボキャンペーンを実施しています。
キャンペーンの内容は、コラボルーム(カラオケルーム)、オリジナルフード&ドリンク、コラボグッズ販売など。コラボドリンクかフードを注文するとRe:AcT所属のVtuberがプリントされた描き下ろしアクリルコースターのプレゼントがあったり、カラオケで5曲の課題曲を全て歌唱するとRe:AcTの待受がゲットできたりと、販売物だけでなく特典も充実しています。
Vtuber15名 × pâtisserie OKASHI GAKU
引用:https://wpfuwakan.official.ec/items/71818508
夜パフェ専門店として有名な「pâtisserie OAKSHI GAKU」は、名物商品である「ふわ缶」と14名のVtuberがコラボした商品を期間限定で発売しています。
ふわ缶とは、北海道産の生クリームと果物のコンフィチュール、ふわふわのシフォンケーキを缶に詰めたスイーツです。
コラボ商品には通常の「ふわ缶」に特典としてVtuberの“お仕事記念名刺”がつきます。また、コラボ企画として、14名のVtuberが各自の配信でふわ缶を食べ、感想を伝えるというPRも行っています。
にじさんじ × しまむら
引用:https://twitter.com/shimamura_gr/status/1605473151424466949
ファッションセンターしまむらは、バーチャルライバーグループの「にじさんじ」とコラボしています。
にじさんじは同名のスマホアプリ内で、生配信や楽曲の公開などの活動しているグループです。
コラボでは、にじさんじの所属ライバーをイメージしたロングTシャツやルームウェアといったアパレルや、キャラのスマホリング、バックチャームなどのグッズを販売しました。
にじさんじに所属するVtuberは150名に及ぶため、起用するライバーを変えて何度もコラボ企画を実施しています。
常闇トワ × 日清焼そばU.F.O.
引用:https://www.nissin.com/jp/products/campaigns/262
人気商品のインスタント焼きそば「日清焼きそばU.F.O」は、ホロライブに所属する小悪魔Vtuber「常闇トワ」とコラボレーション。「アクマ的濃い濃いうまい!」をテーマに、さまざまな企画を実施しています。
企画のメインイベントとして、常闇トワが企画構成を手がけたオンラインソロライブを日清の配信ステージで開催しています。今回のコラボ企画で作られたオリジナル楽曲のミュージックビデオは、常闇トワのYouTubeチャンネルにて、ライブよりも一足早く公開されました。また、期間中に商品を購入したレシートの提示で、U.F.O.と常闇トワのコラボ限定グッズのプレゼントに応募できるキャンペーンも実施しています。
ホロスターズ × ドン・キホーテ
引用:https://www.ppihgroup.com/products/holostars/
総合ディスカウントストアのドン・キホーテは、「ホロスターズ」とのコラボグッズを販売しました。
「ホロスターズ」はホロライブ所属の男性Vtuberグループです。
販売グッズはホロスターズのメンバーが描かれた9種類の缶バッチやアクリルキーホルダーなどに加え、花咲みやび、奏手イヅル、影山シエンの3人のBIGアクリルスタンドやお出かけアクリルキーホルダー、缶バッジ、A4クリアファイルに使用されるイラストが描き下ろしとなっています。
湊あくあ × スシロー
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000668.000030268.html
回転寿司チェーンの「スシロー」はVtuber「湊あくあ」とコラボし、アクリルスタンドまたはステッカー付きの寿司セレクションセットを数量限定で販売しました。
湊あくあはホロライブに所属しているVtuber。販売されたセレクションセットは、湊あくあがスシローで好きなネタを選んだ10貫で構成され、持ち帰り限定で全国の店舗にて販売されました。普段はマリンメイド服を着ていますが、スシローとのコラボキャンペーンではスシローの制服を着たビジュアルが使用されています。
さくらみこ × 鳴⾨鯛焼本舗
引用:https://www.chugai-contents.jp/blog/event/sakuramiko_taiyaki/
全国で鯛焼きを販売する「鳴門鯛焼本舗」は、ホロライブ所属のVtuber「さくらみこ」とのコラボ企画を開催しました。
コラボ期間に販売される、さくらみこのキャラクターに因んだコラボ鯛焼き「さくら餡」には、桜の葉を練り込み塩味と桜の香りが感じられる餡が使用されています。コラボ鯛焼きを購入すると、さくらみことのコラボグッズを店頭で購入できる企画も実施しています。さらにオンライン限定のコラボ商品も販売されるなど、オリジナルのグッズが充実した企画です。
ハコネクト × シヤチハタ
引用:https://haconect.com/news/1869
インク内蔵型の印鑑を販売する「シヤチハタ」は、Vtuberの事務所「ハコネクト」とコラボし、ハコネクト所属のメンバーのシヤチハタ印を販売しています。
コラボしたメンバーはハコネクトの1期生である七彩てまり、田中りゅこ、夜夢瑠紅の3人。コラボ商品は、彼女たちが自ら選んだカラーパーツを組み合わせ、ホルダー部分にキャラクターのネームがプリントされた3種類の特別デザインです。また、購入者には描き下ろしのイラストがデザインされた認定証とスマホ待受のプレゼントも実施しています。
リロ氏 × 村の鍛冶屋
引用:https://www.muranokajiya.jp/c/honten/4937769256866
高品質なキャンプ用品や金物を製造・販売するブランド「村の鍛冶屋」は、Vtuberのリロ氏が監修したアウトドア料理に合う万能スパイスを販売しています。
リロ氏は『リロ氏のひとり遊びちゃんねる』というYouTubeチャンネルでホットサンドメーカーを活用した簡単でワイルドなアウトドア料理の動画を投稿し、人気を博しているVtuberです。
キャラクターとして活動するVtuberとは違い、リロ氏の活動は作った料理を紹介する動画投稿がメインで、時折アバターの姿で出演する動画が投稿されるというスタイルです。
コラボ商品はアマゾンや楽天などのECサイト、または村の鍛冶屋が運営するECショップにて購入ができます。
まとめ
Vtuberとは、2Dまたは3Dのアバターを用いた仮想(バーチャル)のYouTuberのことです。今まで、キャラクターのファンはアニメなどの動画を一方的に見るばかりでしたが、キャラクターがVtuberとして配信を行うことにより、ファンと双方向のコミュニケーションが可能になりました。
Vtuberは、主に動画配信型のSNSで活動を行うため、企業がVtuberとコラボする際には、SNSならではの効率の良い情報拡散を期待できます。また、Vtuberのコラボ商品を販売したり、コラボキャンペーンを実施したりする場合、普段は商品と接点のない層にまで商品やサービスを知ってもらうチャンスとなります。
弊社トランスでは、キャラクターなどのIPコンテンツと企業を結びつけるコラボ・タイアップ企画のコーディネートをはじめ、各種セールスプロモーションを承っております。また、実物のノベルティやオリジナルグッズも一気通貫で作製可能です。ご興味をお持ちの担当者様は、ぜひご相談ください。
関連コラム
バーチャルインフルエンサーとは|利用するメリットや日本と海外の事例も紹介!
Z世代を中心にSNSで注目を集める「バーチャルインフルエンサー」の概要や、企業が起用するメリット、Vtuberとの違いを解説し、国内外の事例を6つご紹介します。


