今回、推し活研究員の私、藍生エイトが、海外における日本コンテンツおよびトレンドの最新動向を探るべく、シンガポールを視察しました!
現地では、若年層を中心にどのようなコンテンツが支持されているのか、またどのようなグッズが実際に手に取られているのかを、イベントや店舗の両面から調査してきました。
そこで本記事では、現地のリアルな消費動向に加え、オリジナルグッズ開発にも活かせるトレンドやヒントを整理し、日本企業にとっての海外展開の可能性を読み解いていきます!
シンガポール市場はどれほど熱いのか?
シンガポールは、東南アジアにおけるコンテンツビジネスのハブとして注目されている市場です。人口規模は約600万人と決して大きくはないものの、一人あたりのGDPが高く、可処分所得の水準も高いことから、非常に高い購買力を持った市場として知られています。
また、多民族国家であり英語が広く通じる環境から、日本コンテンツに限らず海外コンテンツの受容度が高く、「海外展開のテストマーケット」としても位置づけられることが多い地域です。
実際に、アニメイベントや日本発コンテンツの展開も継続的に行われており、日本企業にとっても比較的参入しやすい市場のひとつとされています。
そんな中、東南アジア最大級の日本ポップカルチャーイベント「Anime Festival Asia」がシンガポールで開催されるとのことで、現地を視察。実際に日本のコンテンツがどれほど現地で賑わっているのか、調査してまいりました!
Anime Festival Asia Singapore 2025
まず初めに、今回の視察のメインイベントとなった「Anime Festival Asia Singapore 2025」の情報をお届け!
「Anime Festival Asia Singapore」(略称AFA)は日本国外で行われる最大級のアニメイベント。
2008年から続く、シンガポールに拠点を置く企業 SOZO Pte. Ltd.が主催しています。
企業展示、ステージイベント、コンサート、同人グッズ販売など、企業だけでなく、一般参加者も出店する大規模イベントです。
参加者の男女比は7:3 男性の参加率が高い!
イベント全体を通して、参加者の割合は男性の方が多く見受けられました。
男性比率の高さや、フィギュアやぬいぐるみなどコレクション性の高いアイテムの展開が目立っていた点も含め、グッズに対するコレクション志向の高さがうかがえます。
また男性女性問わず、参加者の3~4割近くがコスプレ(上着を羽織る等の簡易なものも含める)をしてイベントを楽しんでいました。
企業ブースは“体験型”が中心
キャラクターのビッグバルーン、等身大パネル、壁面いっぱいにイラストが描かれているなど、ファンが思わず写真を撮りたくなるようなブース設計が多く、実際に写真撮影して楽しむファンの姿が見受けられました。
また、ファンが直接そのコンテンツに関するメッセージを書き込めるボードを設置しているブースもあり、コンテンツへの想いやイラストなどが自由に書き込まれていました。
コスプレイヤーも、一般参加のコスプレイヤーは勿論、企業側がコスプレイヤーと写真撮影ができるブースを用意し、ファンが楽しむ様子なども見受けられました。
つまり、単なる物販ではなく“体験とセットでの購買設計”が重要視されていると推察できます。
日本同様コスプレ文化も大盛り上がり!よりフラットな楽しみ方
参加者は勿論、出展者側にもコスプレイヤーの方が大勢参加していました。
SNSなどで有名なコスプレイヤーの方も多数参加しており、撮影会などは長蛇の列ができるほど。
特に最終日の夕方以降は、会場外で一般参加のコスプレイヤーの方々が集まり各々写真を撮ったりして盛り上がっていました。
中には髪型だけ、上着だけなど、ファッションの一部のみコスプレしている人もおり、完璧に作りこまれていなくても、その状態が受け入れられ、楽しめるような空間になっていたのも特徴的でした。
簡易的なコスプレでも気軽に楽しめるなど、イベントへの参加のハードルなどは比較的低く、だれでも界隈に参加しやすい環境なのも、コンテンツのファンが広がっていく要因の一つなのかもしれません。
アクリル系、ぬい、フィギュアの展開多数!
企業ブースにおいては、キーホルダー、アクリル系グッズ、ぬいぐるみ、フィギュアなどの展開が多く、日本と同じく人気の定番アイテムになっていました。同人ブースではアクリル系のアイテムに加えて、様々な加工が施された美麗なイラストアイテムやマグネット入りのアクリル、レンチキュラーを上手く活用したアイテムなど、そのコンテンツの世界観を表現するための様々な工夫が施されたアイテムが多数展開されていました。
また、痛バッグを所有しているファンはいるものの、日本や中国と比較してみた際の大きな違いとしては、ランダム缶バッジの展開が少ないことがあげられます。先述したように、缶バッジよりもアクリル系やキーホルダーなどが多く見受けられたのも特徴の一つです。
シンガポールで支持される日本のコンテンツとは?
ではここからは、現地で人気だった日本のコンテンツについての情報をお届けしていきます!
言語の壁を超えるキャラクター性がポイント
日本でもグッズ展開は行われているものの、シンガポール国内の方がアイテムの幅が広く、多くの商品が展開されていたコンテンツが散見されました。
これらのコンテンツはいずれも作品として歴史が長く、登場キャラクター数が比較的多いことから、グッズ化しやすく、結果として商品展開も広がりやすいためと考えられます。
また、猫をモチーフとした癒しキャラクターなどの言語理解を前提としないキャラクター性が強いコンテンツは海外でも人気になる傾向があるのではないかと推察できます。
日本でも人気のふわふわした丸いフォルムとゆるくて癒される表情が特徴の猫キャラクターは、視察期間中にシンガポール国内の複数のショッピングモールとコラボしており、ポップアップショップやフォトスポットエリアなどが充実。飲食店ともコラボしており、ノベルティが終了してしまっているような状態で人気を実感できました。
SNSや動画配信サービスを通して広がる認知度
シンガポール国内で、グッズ人気を実感したコンテンツは魔法使いを主人公としたファンタジー作品や、バトル作品、ギャグアクション作品など日本でも人気のコンテンツが多数ありました。
これらの作品はコスプレを楽しむファンも多く見受けられたことや、比較的新しい作品であり、SNSや動画配信サービスを通じて海外でも広く認知されていることが共通点として考えられます。
現地店舗からみるコンテンツ流通のリアル
続いて、シンガポール国内にあったグッズ販売を行っている店舗を中心に、各店舗の特徴などの情報をお届けしていきます!
紀伊国屋書店
通常の書籍だけでなく、グッズも幅広いコンテンツで種類豊富に展開されていました。
店舗の一部が「ジャンプショップ」になっており、様々な人気ジャンプ作品のグッズを展開。また、ジャンプショップ以外にも、中華系コンテンツやファンシーキャラクターなどのグッズも展開されており、ぬいぐるみやフィギュアの展開も多く見られました。
書籍に関しても勿論充実しており、英語版、中国語版に加えて、日本語の漫画のコーナーまであり、日本の漫画やアニメコンテンツの展開にかなり力を入れている様子が伺えました。
ドン・キホーテ
シンガポール国内でも多数の店舗が展開されている「ドン・キホーテ」。
日本と比較すると、ぬいぐるみやフィギュアのグッズ展開が圧倒的に多く感じられました。
コンテンツも様々で日本のアニメや漫画コンテンツから、キャラクターコンテンツまで幅広く展開。
中にはクレーンゲームなどの簡易的なゲームセンターのようなブースを併設している店舗もあり、日用品を買いに来るだけの場所ではなく、エンタメ色の強い店舗となっていました。
シンガポールのトレンド5選
最後にシンガポール国内でトレンドになっているアイテムやファンの行動に関する情報をお届けします!
ぬい活
日本国内でも、止まらない勢いの「ぬい活」。その流行はシンガポール国内でも感じることができました。
AFAの会場内ではぬいぐるみ保持者が9割近くを占めており、街中でも7割近くの人がぬいぐるみをカバンにつけていました。ほとんどの人がポーチなどに入れず、そのまま持ち歩いていることから、“キーホルダー”としてぬいぐるみを持ち歩く文化が浸透しているのではないかと考えられます。
また、複数のコンテンツのぬいぐるみを一度に持ち歩くという光景も多く見られ、日本と異なる点もありました。コスプレの楽しみ方もそうですが、各個人の楽しみ方の自由度が高く、またそれが受け入れられている空気感があるのも特徴の一つです。
街を歩いていると、ぬいぐるみが入れられるデザインのバッグやTシャツなどが販売されていることも多く、一般社会における文化の一つとして、取り入れられている様子もうかがえました。
このように「持ち歩く」「撮影する」「共有する」といった行動と結びつく点が、ぬいぐるみ人気を支えている要因の一つと考えられます。
最後にシンガポール国内でトレンドになっているアイテムやファンの行動に関する情報をお届けします!パラコードキーホルダー
日本でも人気の「パラコードキーホルダー」ですが、こちらもシンガポールで人気のアイテム!
ぬいぐるみのナスカンの代わりにパラコードキーホルダーが採用されていたり、スマホストラップ・バッグの持ち手のデザインとして採用されていたり、中には特徴的な編み方で異素材でも展開されていました。
カラーナスカン
シンガポールでもアクリルキーホルダーのグッズ展開が多く、日本と同じく人気アイテムの一つ。
しかし、ナスカン部分には特徴があり、多くのアイテムで「カラーナスカン」が採用されていました。
日本国内で一般的な金銀のナスカンでの展開は中古ショップ以外ではほぼ見ることがなく、カラーナスカン>星型やハート型などの特殊形状のナスカン>ワイヤーリングの順で展開が多く見受けられました。
グッズのカスタマイズ性や個性表現のニーズが高い市場であることがうかがえます。
パステルカラー
キャラクターショップや雑貨店の陳列の様子にも表れていましたが、ぬいぐるみの色味、ドリンクボトル、ヘアアクセサリー、商品のパッケージ等、様々な場面でパステルカラーを見かけることが多い印象でした。
柔らかい、はかなげな印象を与える色味で日常にも取り入れやすいカラーとなっていることから、実用性のあるアイテムに多く取り入れられていました。
ふくよかな猫のキャラクター
アニメやファンシーキャラクターの猫キャラコンテンツのグッズ展開が多い他、雑貨屋に展開されていた動物のぬいぐるみの中でも猫の展開が多く見受けられました。
また、単純に“猫”が人気というよりも、少しぽっちゃりしたふくよかな猫のキャラクターの展開が多く見られました。
まとめ
今回のシンガポール視察から見えてきたポイントは以下の通りです。
- 日本コンテンツはシンガポールにおいても広く受け入れられており、グッズ市場としても一定の規模が確立されています
- ぬいぐるみやアクリルなど、“持ち歩き・装着できる”アイテムが特に人気を集めている
- カラーナスカンやパラコードなど、カスタマイズ性や個人の表現を重視したグッズが支持されている
- “作品”だけでなく、“キャラクター単体での分かりやすさ”が重要な要素となっている可能性がある
今回の視察を通じて、シンガポール市場は日本コンテンツにとって親和性の高い市場であり、実際の購買行動も伴っている点が印象的でした。
海外展開というとハードルが高い印象を持たれがちですが、グッズという切り口であれば、比較的取り組みやすい領域もあるのではないかと感じられます。
本記事が、今後のグッズ開発や海外展開を検討する際のヒントのひとつとなれば幸いです。
トランスでは、このようなトレンドを踏まえたノベルティやコラボグッズの企画・製作が可能です。
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藍生エイト
現地に行ったことで、日本コンテンツの人気ぶりを肌で感じることができました。また、より自由な形で推し活を楽しむ姿も見受けられ、日本との違いや共通点も見えたように感じます。今後も、グッズの海外展開に活かせる情報を発信していきますので是非ご覧ください!
公開日:
株式会社トランス


