PALE ORANGE PEACH BEIGE SUNTAN 
PALE ORANGE PEACH BEIGE SUNTAN 

アパレルやコスメ、インテリアなど、ファッション関連から発信されるシーズン毎の「トレンドカラー」。実は、何シーズンも前に海外の専門機関が定めていて、それが世界中で展開されています。「TRend COLOR STORY」では、世の中の経済活動や人々のメンタルとも密接に関わってくるカラーについて、いろいろな側面から色の物語を発信してゆくシリーズです。

★今回から「TRend COLOR STORY」は、新シーズンがスタートします!

次の2019年の春夏に向けてのカラー予測をもとにストーリーをご紹介していきます。
まず最初は、ベースカラーとして重要な「ヌードカラー」です。

重要なベースカラー「ヌードカラー」って?

2019年の春夏における重要なベースカラーのひとつ「ヌードカラー」の背景として、プリミティブ(原始)の美への関心があります。
第三世界の乾いた大地の色、そこに生きる様々な人々の肌の色。ドライでオーガニックな気分がベースに流れています。
※2019リゾートコレクションにもニュアンスのある「ヌードカラー」が沢山提案されています。

「ヌードカラー」ベースの配色、柄etc.

■代表的な配色

■代表的なトーンオントーンコーディネイト

■ヌードカラーベースの柄

肌の色は移住環境、紫外線などで変化!もとは同じ

■1万年前の英国人は、褐色肌の持ち主だった!

1903年に英国西部チェダーで発見された英国最古の完全な人骨のDNAをゲノム解析し、顔を再現。
(ロンドンの自然史博物館とユニバーシティ・コレッジ・ロンドンの研究チーム)
1万年前の英国人は、褐色から黒色に近い肌に青い瞳であったことが明らかになったらしいです。
現代の白い肌の英国人からは想像できませんよね。
※ちなみにゲノムとは人間の設計図

石器時代に生きたこの英国人は、黒っぽい髪色の持ち主で、巻き毛だったことも解かり、この男性は通称「チェダー男」と呼ばれ、スペインやルクセンブルグ、ハンガリーで発見された、西部狩猟採集民などの中石器時代の他の人類と近縁関係にあったことも判明したのです。

おそらく白い肌は約6000年前に、中東からの移住者が英国にもたらしたものと思われます。
薄い肌の色と茶色い瞳の多くの人々が、チェダー男のような人間を吸収してしまったようです。

■白い肌の人類の出現は意外と新しい?!

欧米人などの白い肌の人が生まれた背景を研究したチーム(バスク州立大学)によると、肌の色は人類の歴史と共に変化したことが判明したらしいです。

アフリカで誕生したヒト科の先祖は、体中が毛に覆われていて、直立歩行を始めるにつれ、体毛が薄くなり、露出された肌は黒く変色していきました。
アフリカで誕生してからヒトは約10万年前にアジアやヨーロッパに移住を始めました。
アジアやヨーロッパは、アフリカよりも紫外線が弱いために日に焼けないと同時に、肌が白くなる遺伝子が起こったと考えられています。
40万年前にアフリカを出発、ヨーロッパに住み始めたネアンデルタール人のDNAを解析したところ、変異が見つかったらしいです。
この変異が肌の色を薄くし、体毛が赤毛となることを促進し、現在のヨーロッパの人々の白い肌に繋がったと考えられています。ヨーロッパ人の白い肌の色は、比較的最近の特徴のようです。

しかし白い肌は限られた紫外線量で、ビタミンDの合成が可能ですが、反面「皮膚癌になりやすい」という弱点があります。

お絵かき道具から「肌色」が消えたのはなぜ?

子供の頃、クレヨンや絵具でお父さんやお母さんの絵を描くとき、必ず「肌色」と表示のある色を使いましたよね!人間の色は「肌色」と教えられていた気もします。
しかし、最近は色の名称として「肌色」が使われなくなっているらしいのです。ご存じでしたか?!
私たちが認識していた「肌色」は、日本人(=黄色人種)の平均的な色をイメージして作られていたらしいです。
グローバル化が進行し、世界中のいろいろな人種が行きかう現代において、1色をして「肌色」とは表現できなくなってきました。
そこで、クレヨンや色鉛筆などの彩色用具を製造するメーカーは、色名の「肌色」を別の名称に変更しています。
例えば、クレヨンのメーカーぺんてるは「ペールオレンジ」、サクラクレパスは「薄橙(うすだいだい)」に色名が変わっています。
また教育上、子供たちが固定概念をいだかず、見たままの色を使って絵を描いてもらうことも「肌色」が消えた背景にはあるようです。

日本古来のヌードカラーとはどんな色?

●宍色(ししいろ)
宍色とは獣の肉の意。人間の肌色のような浅い黄味がかった赤色。
日本人の肌色は薄い黄赤系と黄味橙系がある。前者の色味。
●乙女色(おとめいろ)
乙女椿の花のような黄味を含んだ赤色のこと。乙女椿は早春に八重の花をつける椿。別名鴇色。江戸時代の薄紅色の色相。
●赤白橡色(あかしろつるばみいろ)
橡(つるばみ)はブナ科クヌギのこと。古くは上皇の着用する高貴な色で、禁色とされた時代もあった。赤みがかった白茶色。
●小麦色(こむぎいろ)
小麦の穀粒のような柔らかい赤みのある黄色。小麦色の肌のように美しく日焼けした健康的な肌色を指す。
●大和柿色(やまとかきいろ)
江戸時代の人気役者に由来。ややくすんだ明るい橙色。
柿色を薄くしたような色。
●蘭茶色(らんちゃいろ)
茶がかった赤みのある黄褐色のこと。江戸時代に流行した四十八茶百鼠のひとつ。似寄りに山吹茶がある。

スキンカラーがキーワードのこんなアイテム、あんなアイテム

「ヌードカラー」が1色ではないことを尊重し、人類愛に溢れているアイテムをご紹介!

■イタリア発「いろんなヌードカラーを集めた色鉛筆セット」

最近の色鉛筆やクレヨンには肌色という概念が無くなってきています。 なぜなら、世界中にはいろいろな肌の人がいて、特定の色を肌色とすることがいかがなものか?!ということからきています。 かつての肌色とされていたカラーは、オレンジ系カラーの一種として「ペールオレンジ」などの表現をされています。

そんな中、イタリアの文具メーカーFILA社が「GIOTTO(ジョット)」シリーズから「肌色色鉛筆12色セット」を発売しています。 パッケージデザインに、青い地球と子供たちのイラストが描かれ、子供たちに、世界にはいろいろな肌の人たちが共存することを教えています。

■「10色のヌードカラー」コンセプトのレディースパンプス

世界でも有名なセレブなシューズブランドクリスチャン・ルブタンが7色のヌードカラーのフラットシューズ(価格:さすがの7万円超え)を発売し話題になったのを受け、「Kahmune」は10色のヌードカラーのハイヒールを発売!
クラシックハイヒールとオープントゥのハイヒールサンダルの2タイプで、価格は28,000円~35,000円とルブタンよりは現実的。
この発売には「私たちは明確なメッセージを発信するブランド。すべての人を代表すること、多様性、包括性どれもが重要。私たちはそのすべてを支持します。」というメッセージがこめられています。

ちなみに:「ヌードカラー」シューズの効果について一言

脚と同色のシューズを履くことで肌の色とシューズの色が一体化して「脚長効果」!!
自分の肌にマッチする「ヌードカラー」シューズを見つけてコーディネイトしてみましょう。
また、ヌードカラーは洗練された印象づくりにも最適。カジュアルからフォーマルシーンまで汎用性もあります。

さて今回新しくスタートしたカラーストーリー「ヌードカラー」いかがでしたか。

次回の新「TRend COLOR STORY」でも、2019年春夏のトレンドカラーのストーリーをお届けいたします。
ぜひ、ご期待ください。

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