パーソナライズ商品事例2021|D2Cでニーズに応えるサービス
パーソナライズ商品事例2021|D2Cでニーズに応えるサービス

顧客の行動データや意向に基づいて最適なサービスや商品を提供する「パーソナライズサービス」。

ビッグデータに基づいたGoogleのサジェスト機能などにはじまり、ECサイトを通じたD2Cビジネスとしてパーソナライズ商品の種類が増えてきています。

パーソナライズ商品の最新事例・興味深い事例とともに、消費者がどんなニーズを持っているのか、そしてパーソナライズ商品の持つ今後の可能性についても考察していきます。

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「パーソナライズ」とは?

マーケティング用語として注目されている「パーソナライズ」。
全てのユーザーに同一のサービスを提供するのではなく、属性や購入・行動履歴など顧客のデータに基づいて最適な情報や商品・サービスを提案するのがマーケティングにおける「パーソナライズ化」です。
ユーザーは登録して利用したオンラインショップやポータルサイトを何度も使ううちに、ユーザーへのおすすめ商品が表示されるようになります。
最終的に選び取るのはユーザー/消費者本人ですが、膨大な数を取り扱うオンラインショップやモールでは、自分に合ったものをいくつか提案されることで迷う時間が減り、購買しやすくなるメリットがあります。

小売店や仲介店舗を通さずにオンラインショップなどで直接消費者に商品を提供する「D2C」ビジネスでは このパーソナライズ商品が存在感を増しています。

D2C(Direct to C)とは

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、自社の商品や企画を代理店や小売店を挟まず、自社ECサイトなどで直接消費者・顧客へ販売する販売モデルのことです。店舗を持たない小規模なセミオーダーやパーソナライズ商品の販売で多くみられます。

多様化する消費者ニーズに合わせて、消費者ひとりひとりに効果的に商品やサービスを提供できるマーケティング手法「パーソナライズ化」。
パーソナライズ化に必要な顧客の行動履歴などのデータを自社で蓄積し、顧客に最適なサービスや商品をD2Cで販売・提供することが多く、パーソナライズ化とD2Cはセットで用いられる販売モデルといえます。

パーソナライズ商品の事例

パーソナライズ化されたサービスはすでに数多くありますが、ここでは、モノを販売する「パーソナライズ商品」に注目して、最近の事例をいくつか紹介していきます。

入浴剤「DAY TWO」

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出典元:https://daytwo.jp/

“専門セラピストが処方した成分とLAVAのトップインストラクターが監修したエッセンシャルオイルをブレンドした入浴剤をあなたの心とカラダの状態を元に調合しお届け。”

ストレスケアに着目し、「エプソムソルト」と呼ばれる硫酸マグネシウムの入浴剤をパーソナライズ商品として提供するサービス。
着色料や合成香料、防腐剤無添加、国産の入浴剤で、小さな子供と一緒にお風呂で使っても安心。
心身の現在の状態を聞く無料の診断で、その人におすすめの入浴剤を提案してくれる。
通常購入と定期おトク便(定期購入)が選べるほか、現在は6種の入浴剤がセットになったスペシャルケアBOXも販売中。

ヘアケア「MEDULLA」

出典元:https://medulla.co.jp/

“MEDULLAは5万通りの組み合わせから
あなたの髪質に合わせて提案する日本初のパーソナライズヘアケアサービスです。”

シャンプーやトリートメント、ヘアオイルやスカルプケアなど、ユーザーの髪質や悩みに合わせて処方してくれるヘアケア商品のパーソナライズサービス。最初にカスタマイズしたあとも、定期カウンセリング機能で髪質の変化に合わせたヘアケア商品に変えていくことができる。

サプリ・フェイスシート「FUJIMI」

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出典元:https://fujimi.me/

“FUJIMIは、自分らしいライフスタイルを送りたい人に寄り添う美容ブランドです。サプリメント、フェイスマスク、プロテインを展開しています。”

パーソナライズビューティケアとして、サプリ、フェイスマスク、プロテインなどの美容商品を提供するサービス。
WEB上での美容分析で自分におすすめのサプリメントが選ばれ、1か月分から通常購入か定期購入ができる。
どのような肌の状態にどのサプリメントの栄養素が合っているか、自分に必要なサプリの種類をしっかり知ることができる。

メイクパレット「MN」

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出典元:https://mn-cosme.com/

“わたしがメイクするのはわたし
6つのリフィルを組み合わせ 持ち運びできるマルチパレット”

メイクパレットのパーソナライズカスタムができるサービス。
アイカラーやリップカラーを選んで自分だけのメイクパレットを作れる。注目ポイントは、すべてのカラーを自分で選ぶ、または、自分に合う色を提案してほしい、の2つのの選び方ができるところ。オンライン診断でおすすめを提案してもらい、そのうえでユーザーが自分で組み替えられるフレキシブルさが特徴。

漢方「NEOTAO」

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出典元:https://admin.prius-pro.jp/m/neotao/form.php?f=1&insta_profile

NEOTAOは、女性漢方医監修のもと考案された、個人の体調や悩みに対して、3分ほどのオンライン無料診断を行い、その結果に応じてあなたに合った漢方由来のパーソナライズサプリメントを提案するD2Cブランドです。

クラウドファインディングで支援金調達を募り、初日に目標を達成した漢方由来サプリのパーソナライズ商品。
漢方医監修の元、3分ほどのオンライン診断で不調や悩みに合った漢方サプリを調合してもらい、1か月30包ずつの1箱で届けられる。12月15日まで先行予約キャンペーンを実施中。

スムージー・スープ「GREEN SPOON」

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出典元:https://green-spoon.jp/

“カラダや日々の生活に合わせて、あなただけの必要な野菜を毎月自宅にお届けします。
スムージー、スープ、ホットサラダ。もちろん、組み合わせも自由自在。”

自分に必要な野菜がスープやスムージーになって自宅に届く、定額制パーソナルフード。
オンライン診断で食生活をチェックしてもらい、その人におすすめの食材を使ったフードをスムージー・スープ・ホットサラダのいずれかから選んで届けてもらう。
スムージーとスープは冷凍パウチか冷凍カップが選べ、ホットサラダは冷凍カップで届けられる。
スープも、カレーやけんちん汁、ボルシチなどレパートリーに富んだメニューで飽きない工夫がされている。
もちろんアレルギー食材や苦手な食べ物も省くことができるので、安心。

ファッション「imness」

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出典元:https://imness.jp/

“imnessは4つに分類されるパーソナルカラーを、顔のパーツや形状といった特徴と掛け合わせて16パターンに分類し、その中からあなたに最も似合うアイテムを提案します。”

ワンピースを中心とした洋服を、オンラインフィッティングとパーソナルカラーで似合うものを選んでくれるパーソナライズファッションのオンラインショップ。自分で選ぶとついいつも同じ色の服を選んでしまうのが悩み、という人にはおすすめ。

パーソナライズとカスタマイズの似て非なる性質

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事例で紹介してきたように、パーソナライズ商品とは、消費者ひとりひとりの好みや意向に合わせて、最適な商品を提案・提供することサービスを加えた商品です。

似た用語に「カスタマイズ商品/カスタマイズサービス」もありますが、消費者が自分自身で好みに合わせて商品の色やデザインをカスタマイズするのに対して、パーソナライズは商品やサービスを提供する企業や販売する側が消費者のデータや意向に合わせて最適なものを提案・提供することを指しています。

カスタマイズとパーソナライズの違いをざっくりとまとめると以下のようになります。
カスタマイズ 消費者側が能動的に自分の好みで選んで選択・変更・アレンジするサービス
パーソナライズ 販売(サービス提供)側が消費者の好みに合わせて選んで提供するサービス

事例でも紹介したパーソナライズ商品のほとんどは
消費者のデータや傾向に基づいた最適なものを提案(パーソナライズ化)した商品を
消費者が最終的に自分で組み合わせて(カスタマイズして)購入する

という流れで利用できるようになっています。
従来のカスタマイズ商品の進化版が、パーソナライズ商品、ととらえてもよいでしょう。

パーソナライズは、それまでのユーザーの行動履歴などのデータを元にAIを活用し、ユーザーに提案(サジェスト)、おすすめ(レコメンド)する仕組みのことを指します。
ユーザーが意図せずとも、その人に向いている傾向のものがおすすめ表示されるパターンが多く見られます。
サービスではAmazonのレコメンド機能、ストリーミング配信のSpotifyなどが代表的なパーソナライズサービスです。
商品では肌質や体型に合わせた基礎化粧品など美容系商品やアパレルのパーソナライズサービスがあります。

事前にユーザーに好みや目的をヒアリングしてデータを取得し、ユーザーの好みに最も合いそうな組み合わせをおすすめするタイプの、カスタマイズとパーソナライズ両方の特徴を持つサービスもあります。

パーソナライズ推しグッズ作りの可能性

コスメ、ファッション、フードさまざまなパーソナライズ商品を紹介してきました。
もう一つ注目したい点は、パーソナライズで選べるのは自分自身のものだけではないということです。

ここで興味深いパーソナライズ商品事例をもう一つ紹介してみます。

香水「celes」

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出典元:https://www.celes-perfume.com/product/oshi_katsu/

“あなたの推しをイメージした香水をお試しサイズでお届け。香りを通して、あなたの推しをリアルに感じ、推しへのたゆまぬ愛と情熱を深めてみませんか。”

日本フレグランス協会の資格を持つプロのスタイリストが監修を行っているオンラインの香水専門店。
ユーザーが自分で選ぶセレクト、ユーザーの意向に沿ったものを提案するサジェスト、ある程度の意向を踏まえたランダムで出てくるガチャ、と3つの選び方ができるのが特徴。
「Celes推し活」:オンラインショップのサジェストサービスを活用した、推しをイメージした香水を作ってくれるサービス。
推しの性格や属性、担当色などのイメージを伝えると、推しのイメージに寄せた香水を調合してくれる。

上記で紹介したように、パーソナライズ・カスタマイズ商品のサービスは、自分自身だけではなく自分の推しに合うものを作る、という推し活ビジネスにも活用ができるのです。
推し活でのショッピングは、モノそのものだけではなく「体験を買う」楽しみでもあります。
実際、一部のカスタマイズ商品やカラーバリエーションの豊富な文具などは、自分で推しイメージに組み合わせる「推し活」に使えるサービスとしてオタク・推し持ちの人たちにすでに活用されるようになっています。
推し活ショッピング・体験を買うショッピングを楽しむZ世代やアラサー女性にとって、オンラインで完結できて、自分で納得して選ぶことができるパーソナライズ・カスタマイズ商品は有用なものとして捉えられているのではないでしょうか。

ユーザー・消費者の傾向や意向を汲み取ってサジェストするパーソナライズ化の、興味深い応用例でした。

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まとめ

ここまで、パーソナライズ商品について、いくつかの事例を見ながら紹介してきました。
デジタル・アナログ両側面であらゆるサービスや商品のパーソナライズ化が試みられています。
Z世代を中心に、ニーズが多様化し、買い物の仕方も大きく変わりつつあります。
オンラインで完結した、自分だけのカスタマイズができる商品・サービスの需要は今後も高まっていくでしょう。

消費者側からしても、気になる商品やサービスが自身の好みや傾向基づいてパーソナライズ化され、自分がまだ手にしたことがない自分に合うかもしれないモノを提案されることは、消費者自身も気づけなかった自分に最適なものを知ることができ、新しい体験を買うことにもなりうるのです。

消費者側のニーズを外さず、且つ、消費者の選択肢や経験が広がる可能性を秘めているパーソナライズ商品。
今後も、パーソナライズ/カスタマイズ商品の展開に注目していきたいと思います。

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メイクやファッションは、つい同じタイプや同じ色の服ばかり選んでしまうので「あなたはこっちも似合うよ」と客観的なアドバイスがほしくなります。
こういったオンラインでのパーソナライズ化やサジェスト機能がもっと発達してくれたら買い物の仕方も変わりそうだなと期待をしてしまいます。

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