【リサイクル・リユース】SDGsに楽しく貢献できるユニークな事例を調査
【リサイクル・リユース】SDGsに楽しく貢献できるユニークな事例を調査

2030年までに達成を目指す、SDGs。
サービスを受けるユーザー側も、楽しく取り組める「持続可能な」形でSDGsに貢献してもらいたい!
そんなコンセプトを元に企業が工夫を凝らした、ユニークな事例を調査しました。

アップサイクルとは?|廃棄物から生まれるサステナブルなプレミアグッズ

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「アップサイクル」とは、捨てられるはずだった廃棄物や不用品を、新しい製品にアップグレードすることです。布を織った際の繊維くずや、洋服を作る工程で出るハギレなどを利用した新しい素材がエシカル素材として注目されています。

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日本のリサイクルの現状

日本のリサイクル・リユース

SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にある国際目標です。
2030年での達成を目指して、企業の活動にもSDGsの達成に向けた動きがますます積極的に取り入れられることが考えられます。

日本のリサイクル率

日本では、ゴミ捨てに関して自治体ごとにルールを設定しており、それに則った廃棄の際の分別が義務付けられています。
にも関わらず、環境省が取りまとめた平成30年度(2018年度)の日本のゴミのリサイクル率は19.9%。
50%を超える国も複数あるEU加盟国(2018年時点)のリサイクル率と比較すると、その低さが目立ちます。
国土が狭く、埋立処分場の不足が深刻な課題であった日本では、埋立処分量を減らすことを優先して、埋立の容量を圧縮できるゴミの焼却処理が普及しました。

ゴミの焼却による熱を発電に活用する「サーマルリサイクル」のリサイクル率においては、日本の数字は約70%にのぼりますが、焼却による熱エネルギーを活用し「リサイクルとみなしている」ともとらえられます。

リサイクル率の向上のためには、ゴミとして焼却処理しているものの中にもある、まだ使えるもの、リサイクルできるものを有効に活用する姿勢が求められています。

国内外の大きなイベントでの取り組み

SDGsの2030年の期限を前に、国内外でのビッグイベントでの取り組みが注目されています。

開催迫るパリオリンピック(2024)での取り組み

パリオリンピック

引用:https://www.paris2024.org/en/delivering-carbon-neutral-games/

2024年7月に開幕するパリオリンピックが目指すのは、「共有とサステナビリティを念頭に置いた、革新的で思いやりのある大会」です。
クライメット・ポジティブをキーワードに様々な試みが導入されている中、インパクトが大きいのは「使い捨てプラスチック容器の競技会場への持ち込み禁止」。
使い捨てプラスチック削減の呼びかけではなく、会場内への持ち込みを禁止するという思い切った対策により、再利用可能カップの使用が会場の外でも推進され、ゴミ問題や環境汚染への課題解決にもつながることが期待されています。

大阪万博(2025)での取り組み

大阪万博

引用:https://www.expo2025.or.jp/news/news-20200131/

続く2025年開催の大阪万博でも、SDGs達成への貢献を「めざすもの」のトップに掲げています。
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、「未来社会の実験場」として、Co2の排出低減につながる新しい乗り物や家電などの体験ができるほか、会場の内外でもリサイクルの促進と廃棄物の排出抑制に向けた対策を実践するなど、SDGsの達成に向けた試みが取り入れられています。

大阪万博をきっかけとして、企業や学校、自治体といった団体から個人の方々へ脱炭素行動を広げていく活動を「EXPOグリーンチャレンジ」とし、専用のアプリもリリースされました。
この「EXPO グリーンチャレンジアプリ」では、個人を対象とした7つの「チャレンジメニュー」を設定。
「家庭系廃食用油の回収」「マイボトル」「省エネ行動」「食べ残しゼロ」「ゴミ拾い」といった7つのメニューに取り組むことでポイントが貯まり、ポイントに応じて賞品に応募できるなどの特典があります。
アプリを通じて、個人レベルでも楽しく、継続的に「チャレンジメニュー」に取り組むことで、SDGsの達成に向けた行動を促進しています。

世界から注目が集まる大きなイベントでの取り組みに加えて、企業が実践しているSDGs施策の中から、ユーザーが楽しく、かつ継続してリサイクルやリユースに取り組めるユニークな事例を調査しました。

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横浜JOINUS(ジョイナス)コスメ下取りキャンペーン

横浜ジョイナス コスメ下取りキャンペーン

引用:https://www.sotetsu-joinus.com/pressrelease/5326

アパレル業界ではよく見られる、ユーズド品の下取りキャンペーン。
洋服のリユース・リサイクルはかなり浸透してきましたが、コスメでも下取りキャンペーンが行われた事例です。

使用済みコスメがクーポン券に

相鉄グループが運営するショッピングセンター、横浜JOINUS(ジョイナス)では、SDGs取り組みの一環として2024年3月1日~3日、不要になったコスメをジョイナス内で利用可能な500円クーポン券と交換できる「コスメ下取り 3DAYS」というキャンペーンを行いました。
このキャンペーンで注目なのは、未使用のコスメはもちろん、使用途中のコスメやジョイナスで購入していないコスメも下取りの対象となっているところです。
購入したものの、使ってみたら思った色と違った・肌に合わなかったなどの理由で使いきれなかったコスメは、通常であればゴミになってしまいます。
このキャンペーンで下取りされたコスメは、国際社会支援推進会・NPO法人ワールドキフトを通じて再利用されたり、途上国支援に役立てられるということで、ゴミの削減につながります。
ユーザーからは、廃棄予定だったコスメをJOINUSで使えるクーポン券に交換することで、ショッピングやグルメを楽しむことができるとあって好評を博し、2023年に引き続いての開催となりました。

+ethical

サントリー 伊右衛門 ラベルおみくじ

サントリー伊右衛門 はがしたくなるラベルおみくじ

引用:https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF1450.html?_ga=2.218799898.2059506113.1711346725-150572767.1711346725

多くの人が日常的に利用しているペットボトル。
毎日至るところで大量のペットボトルが捨てられていますが、廃棄の際にはリサイクルしやすいようにラベルをはがして捨てるというひと手間がかかります。

人間行動学を応用して「はがしたくなる」ラベルに

サントリーの緑茶飲料「伊右衛門」のラベルの裏には、かわいいイラストとともに「大吉」や「中吉」といったおみくじがついています。
今日の運勢は何だろう?どんなことが書いてあるの?と、ついラベルをはがして見てみたくなってしまうユーザーの心理をついて、ゴミの分別につなげるという遊び心のある企画です。
義務としてやるものだったリサイクルのためのアクションに、人間行動学に基づいて「見てみたくなる」という要素を加えた結果、楽しみながらSDGsに貢献する行動につなげられる「はがしたくなるラベルおみくじ」が誕生しました。

アクリルグッズカタログ

ORIENTUM(オリエンタム)レザー製品

オリエンタルマーケット

引用:https://www.oriental-hotels-shop.com/collections/kobe-leather/products/202306021441

捨ててしまえばゴミになってしまうものも、リユース次第でこんなに高品質なブランド品に生まれ変わります。

捨てられていた神戸牛の原皮をレザー製品に

食肉として利用された後、多くが活用しきれずに廃棄されていた「神戸ビーフ」の原皮。
これを、日本を代表するレザーの産地「兵庫たつの」の高い技術によって鞣すことで「神戸レザー」として活用し、皮革の新たな価値を創造しているのがORIENTUMです。
上質で柔らかな手触りが特徴の神戸レザーの質感を生かした、シンプルで洗練されたレザークラフトの数々は、どんなファッションにもなじみやすく、魅力的なレザーアイテムに仕上がっています。
食肉としてのブランド価値に、レザー製品としてのブランド価値も加わることで、神戸ビーフの人気・知名度は国内外でますます高まることでしょう。

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食べられるスプーン PACOON(パクーン)

食べられるスプーンPACOON

引用:https://pacoon.kinrosyoku.co.jp/

大手コンビニエンスストアやカフェチェーンなどでも加速する、「脱プラ」の動き。

商品を買えばついてきて、使い終わった後は当然のように捨てていたプラスチック製品を軽減しようという流れに、おいしさと楽しさ、食への意識高揚まで盛り込んだのがこちらです。

国産の原材料で無駄なくおいしく

食事をした後のお片付けに、スプーンをぱくり!
そんな夢のような商品が、食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」です。

カラフルで見た目も可愛らしいPACOONのフレーバーは、かぼちゃ、抹茶、おから、ビーツ、いぐさ。
ビーツってきれいな色!いぐさって食べられるの?と、色とりどりのPACOONを手にした子どもたちが野菜に興味を持つきっかけになります。

原材料はすべて国産で、上記フレーバーの他にも地域の特産品とコラボレーションしたり、消費期限が短く廃棄せざるを得ないものや、サイズや傷などで規格外になってしまった原料を使用した限定フレーバーなど、食べ物を大切に、おいしく楽しく活用する工夫が盛り込まれています。

PACOONの原材料を国産のものに限定している理由のひとつは、国内で生産されるさまざまな野菜や食材を多くの方に知ってもらい、食べてもらうことで、国内の農業が活性化し、食料自給率の上昇にも貢献できるから。
プラ食器に代わり、こうした持続可能なビジョンを持つPACOONを使用することは、まさにSDGsの達成に向けた具体的なアクションといえそうです。

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ライオン 歯ブラシリサイクルプログラム

ライオン歯ブラシリサイクル

引用: https://lidea.today/articles/003616

歯の健康のために定期的に交換する必要がある歯ブラシ。
必然的に出てしまう廃棄をゴミとせず、身近なプラスチック製品にリユースして活用するアクションもあります。

定期的に交換が必要な歯ブラシを身近で使えるプラ製品に

ライオンでは、毎月8日を「歯ブラシ交換デー」とし、歯の健康を守るために定期的な歯ブラシの交換を呼びかけています。
同時に、使用済みの家庭用歯ブラシを回収してリサイクルし、植木鉢や定規など、身近で使えるプラスチック製品に再生する「ハブラシ・リサイクルプログラム」を実施しています。
このプログラムは個人・学校・団体等の単位で事前にアカウント登録すれば誰でも無料で参加が可能です。
回収ボックスを設置すれば、2kg(200本前後)から回収され、集められたハブラシは、新しいリサイクル製品に生まれ変わります。
回収量に応じてポイントが付与され(1本約10g=2ポイント)、歯ブラシからリサイクルして作られたプラスチック製品との交換や、教育支援・地域支援等の寄付に換えることができます。

毎月定期的に出てしまう廃棄歯ブラシを使うため、継続的な活動が可能になる一例です。

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ピープルポート「ZERO PC」

ピープルポート ZERO PC

引用:https://zeropc.jp/

日々性能が進化し、スペックが向上していくパソコン。
日本では、年間約300万台、重量にして約6,000tものパソコンが捨てられています。
性能面での劣化などで定期的な買い替えが必要になったことで廃棄されてしまう使用済みパソコンを、ゴミにせず持続可能なスキームでリサイクルしている事例をご紹介します。

使用済みパソコンを回収し、中身を新品に入れ替えてリサイクル

使用済みパソコンを回収し、中身を新品に入れ替えたのが、ピープルポートのエシカルパソコン「ZERO PC」です。
用途に合わせた4つのシリーズ展開で、新品として販売されています。
回収された使用済みパソコンの中身や壊れた部品は、金属資源としてリサイクルし、長寿命の部品はリユースして使用されます。
ZERO PCなら、パソコンを作る際に排出されるCo2排出量は20kg未満
新品のパソコンを作る際に排出されるCo2は約300kgであることと比較すると、約90%も削減できることになります。

さらに、パソコンの再生修理や動作確認を行うのは、日本に避難してきた難民の人々が担っている点も、SDGs貢献度をさらに高めています。

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土を原料とし、長く使い続けられるという点において、サステナブルな素材といえる「陶器」。
今回は、リサイクル素材を混ぜてつくられる『リサイクル陶器』についてご紹介します。

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まとめ

回収・再利用が比較的容易なファッション業界では、スタンダードになりつつあるリサイクルやリユース。
様々な業界で、意外性や楽しさを加えることで、持続可能な仕組みを実現している事例をお届けしました。
いずれの事例も、ユーザー側に「やってみたい!」「使ってみたい!」と思わせるような仕掛けがポイントになっています。
こうした事例を参考に、SDGsのアクションにつながるようなモノづくりを展開してみてはいかがでしょうか。

トランスでは、商品企画、ターゲット設定の段階から、ライブグッズキャラクターグッズなどのオリジナルグッズの企画・作製から、セールスプロモーション販促・キャンペーンシステムまで、幅広く手掛けております。
ご要望に合わせたトータルなご提案が可能ですので、ぜひお気軽にお問合せください!

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ライター:ミコメ ナホ

ミコメ ナホ

パリオリンピックが開催間近なことに心底おどろいてしまいました。
2030年なんて遠い未来…などと思っていましたが、期限はすぐそこに迫っています。小さくとも、一人ひとりができることから始めて、そして続けていくことが大切なのですね。

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