クリエイティブリユースとは|廃材がリサイクルアート作品になる魅力
クリエイティブリユースとは|廃材がリサイクルアート作品になる魅力

最近、新たな視点を持つサステナブルな取り組みとして注目を集める「クリエイティブリユース」。
クリエイティブリユースについての概念や、すでにクリエイティブリユースを活用している企業の具体的な事例をご紹介していきます。

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クリエイティブリユースとは

魚をモチーフにしたクリエイティブリユース作品

クリエイティブリユースとは廃棄物をゴミとして捨ててしまわずに、人間の持つ創造力を使って新しい価値を持ったアート作品にするという活動です。
この活動はクリエイティブリユースという名称の他にも、廃材アート、エコアート、リサイクルアートとも呼ばれており、地球環境に配慮した今後の循環型社会を考える上でも重要な、新しい取り組みのひとつだと言えるでしょう。

それでは具体的にクリエイティブリユースの取り組み事例をご紹介していきます。

‘国内初のクリエイティブリユース拠点’「IDEA R LAB」

大月ヒロ子氏

引用元:https://greenz.jp/2014/07/17/idea_r_lab/

廃材アート、エコアート、リサイクルアートなどと色々な呼び方がある中で、「クリエイティブリユース」という呼び名を広めたのは有限会社イデア代表取締役であり、ミュージアム・エデュケーション・プランナーの大月ヒロ子さんです。板橋区立美術館の学芸員を経て、現在では各種博物館の企画開発や絵本やアートの編集・デザインなど幅広く活動しています。
(参照:http://www.idea-r-lab.jp/?page_id=6244

クリエイティブリユース作品を生み出す拠点として、岡山県倉敷市玉島に「IDEA R LAB」(イデア・アール・ラボ)を構え、‘クリエイティブリユースの実験室兼レジデンス’という位置づけでクリエイティブリユースに関心を持つすべての人に開放しています。(※要事前連絡)
ここでは廃材を使用したワークショップや、映画の上映、演奏の場などクリエイティブリユースに関する幅広い活動が行われています。

近年では数々の企業とのコラボ企画も注目されており、大月氏の活動によって環境問題に高い関心を持つ多くの人々がクリエイティブリユースについての知識を深めたと言っても過言ではないでしょう。

廃材を使ったアート作品を活用したプロモーション事例

続いては廃材を使ったアート作品を活用した、具体的な企業の取り組みをご紹介していきます。

NESCAFÉ×MOTTAINAI

ネスカフェとコラボした大月氏

引用元:https://youtu.be/nC9GAW-NyQI

2005年から毎日新聞社が主催する「MOTTAINAI」キャンペーンでは、3R(Reduce、Reuse、Recycle)をテーマに地球環境の負荷をかけずに持続可能なライフサイクルの提案を行ってきました。
その中でも2021年の11月~12月に行ったネスレ日本とのコラボレーション企画では、前述の大月氏が使用後のネスカフェエコ&システムパックを使った親子で手軽に楽しめるアート作品の作り方を紹介しています。

このキャンペーンは、捨ててしまうだけのパッケージから魅力的なアート作品として再利用することで、エシカル消費という概念をより多くの人が知るきっかけになりました。

参照:https://nestle.jp/brand/nescafe/nescafe3bai/mottainai/index.html

バーニーズニューヨーク×長坂真護

ガスマスクをつける長坂氏

引用元:https://www.magogallery.online/

長坂氏の作品を運ぶガーナの人々

引用元:https://youtu.be/wuhaJB5_JiQ

株式会社バーニーズジャパンでは、‘サスティナブルキャピタリズム(持続可能な資本主義)’を提唱している長坂真護氏のアート作品を展示・販売するイベントを開催しています。

西アフリカのガーナには世界最大の電子廃棄物ゴミ捨て場と呼ばれているスラム街「アグボグブロシー」という場所があります。
世界中からパソコンやスマホなどのゴミ化した電子機器が捨てられ、現地の人々は生活のためにそれらを燃やして再利用できる金属を手に入れています。
しかしその廃棄物が燃える時に出る有毒なガスによって、現地の人々の体が蝕まれ命を落とすという現状が深刻な問題となっています。
長坂真護氏はファッション専門学校を卒業後、新宿でNo.1ホストを経験し、現在はアグボグブロシーの廃材を使ったアート作品の制作・販売を手がけています。
作品をつくるきっかけになったのは、「Forbe」紙に掲載された、電子廃棄物ゴミの中に立ち尽くす少女の写真を見たからだそうで、長坂氏は自身のアート作品を通してアグボグブロシーの惨状を訴えつづけています。

【イベント詳細】

◆開催期間:2022年5月20日(金)~2022年5月29日(日)
◆開催場所:バーニーズニューヨーク銀座本店B1
※詳しくはバーニーズニューヨークオフィシャルサイトをご確認ください。

テレビ朝日「art to Art Project」

イニシャルバッチ制作に使用した美術廃材

引用元:https://post.tv-asahi.co.jp/post-184098/

テレビ朝日は、番組の美術廃材を活用した「art to Art Project」の取り組みを始めています。
2022年4月29日(金・祝)と30日(土)の2日間で行われたイベントでは、廃材からイニシャルバッジを作る子供向けのワークショップを開催しました。
使用しなくなった配線や装飾小物などがバッチの材料として使われ、一人一人の創造性が加わった新たな価値のある作品として生まれ変わりました。

多摩美術大学×モノファクトリー「すてるデザイン」

すてるデザイン

引用元:https://tub.tamabi.ac.jp/news/2154/

多摩美術大学は、2021年5月に株式会社モノファクトリー、伊藤忠リーテイルリンク株式会社、ブックオフコーポレーション株式会社と協働した廃棄物循環型経済モデル「すてるデザイン」を立ち上げました。
このプロジェクトは、企業から出た廃棄物に‘美大によるサーキュラーエコノミー‘という新たなサイクルを加えるという活動で、循環型社会を目指し、デザインの持つ新たな価値の創出や廃棄物の課題解決を目的としています。

具体的にはブックオフの店舗で売り切れなかった中古CDやゲームソフトなどのプラスチックを再資源化した上でデスクトレ―を製作したり、廃材を使って実際に学生が作品制作に取り組む‘生のプロセス’を公開するという展示企画を行っています。

企業がクリエイティブリユースとの取り組みで伝えられること

ゴミを捨てずにアート作品にするという新たな視点から捉えることで、廃棄物削減問題の解決につながる他、個人一人一人の意識をも大きく変えることができます。
企業が積極的にクリエイティブリユースを活用したプロモーションを取り入れることで、より多くの人に環境問題を超えた新たな価値を見出してもらえるのではないでしょうか。

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